そらいろくらげが浮き輪で海に浮いているイラスト

日本照明家協会の現状と今後についての提言

公益社団法人日本照明家協会という協会があります。その名の通り、舞台・テレビ照明従事している照明家が入会できる協会です。
協会に入会すると、月一回協会誌が送られてきて、セミナーや講習会などに参加できます。

くらげも10年以上前には在籍していましたが、3年ほど在籍した後に退会しています。正式には、会費の滞納により除名処分です。

しかし、再度入会するにあたり状況は未だ変わらずデメリットが多いと感じています。
照明業界にいる身としては、改めて日本照明家協会の存在を問うとともに、時代のニーズに対応して柔軟に運営が変化して欲しいという期待を込めて取り上げたいと思います。

日本照明家協会という存在

日本照明家協会について、サイトでは以下のように述べています。

昭和30年頃、舞台照明に対する関心が高まると共に、照明設備の充実や照明家の技術向上が強く要望される一方、照明家の多くは分散孤立の形をとっていたため、それらの要望に応えるための研究、知識の交換などについて相互間に何等の提携もなく、照明家に対する社会的評価も、必ずしも正当とは言えない実情でありました。

そのような情勢に対応するため、昭和31年10月、当時舞台照明の仕事に携わる者たちが集まって、照明家の技術向上と社会的地位の確立を図り、併せて相互の親睦を密にすることを目的として東京に舞台照明家協会を、続いて大阪に関西舞台照明家協会を、名古屋に中部舞台照明家協会をそれぞれ設立いたしました。

その後、各協会は相互に連絡をもちつつ独自の活動を続け、テレビジョンの普及に伴い、各称をそれぞれ、舞台テレビ照明家協会と改め、昭和37年には、三協会が日本照明家協議会を結成して、実質的には全国一体の照明家団体として活動を続け、所期の目的に近い実績を挙げて参りました。

近年にいたり、全国各地の文化施設の充実や、海外との文化交流の頻繁などに伴い、私達照明家は、その使命の重要性を再確認し、ここに更めて全国的単一組織の社団法人日本照明家協会を設立(昭和48年12月14日文化庁認可)し、まもなく40周年を迎えようとしています。平成22年12月24日には内閣府より公益社団法人に認定され新しい船出をしました。

更に研鑽を積み、我が国の文化芸術の高揚に寄与して参ります。

日本照明家協会|日本照明家協会とは

しかし、日本照明家協会に関わっていない照明家にとって、今の日本照明家協会は非常に敷居が高いです。まるで、雲の上にいるような存在です。
あるいは、存在すら見えていないかもしれません。
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入会のための狭き門

高い会費

やはり一番の問題は、年間1万5千円の高い会費です。そして、会誌は1,250円。
表紙が箔押しで中身は全ページ上質紙カラーというわけでもなく、半分は一色刷りの薄い冊子です。この冊子のために、高い年会費を払わないといけません。

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もちろん、中身は役立つことが書いてあり、運営側もバリバリの現役照明家なので忙しい本業の合間を縫って編集されているのは理解しています。
ただ、正直言ってこの会誌のためだけにこの会費を払いたいとは思いません。

一番入会を必要としているのは、若手です。やっぱり協会に入ると情報も得やすいし、セミナー等で横の繋がりもできます。
特に、小屋付きだとなかなか外との繋がるのは難しいし、新しい技術の習得や新しい機材に対する知識がなかなか得られません。

ただ、一般業界と比べて薄給なので、やっぱりこの会費だと入ることはすらためらうことと思います。
会誌という枠にとらわれることなく、会員制のメルマガや会員制サイトにするだけで、コストはもっと削減できるはずです。
その分、セミナーや勉強会にもっと会費を使ってほしいというのが本音です。

公益社団法人日本照明家協会は、舞台・テレビの照明に従事している全国の照明家が個人として入会し、協会活動を通し照明家の連帯を図り、その目的・事業に参加しています。

公益社団法人 日本照明家協会|協会の事業

照明家協会が掲げていている、「協会活動を通し照明家の連帯を図り、その目的・事業に参加」しているのであれば、狭き門をくぐって入会した正会員だけ優遇するのではなく、もっと照明業界全体に寄与できる活動を広げていってもいいのではないでしょうか。

紹介制

協会へ入会するには、正会員の推薦者2名の紹介が必要になります。
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この正会員の推薦者2名の紹介というのが、由緒正しき照明家のみに絞られているように感じます。
昔は照明家の人数は限られていましたが、照明機材がアマチュアでも簡単に手に入れられ、インターネットで技術が広められた現代において、舞台照明従事者の誰しもが周りに正会員がいるような環境ではないのが現実です。
この正会員の推薦者2名の紹介というしきたりがある以上、専門学校や大学を卒業しないで舞台照明従事者になった方や、劇団での舞台照明従事者などは舞台照明に関する情報を求めて照明家協会に入会したいけれど、周りに正会員がいないため会員になる機会が失われているのです。

さらに、先に述べた会費の高さがネックになります。せっかく紹介してもらった手前、今年はちょっと払うのがきついから退会して余裕が出たら入り直そうということができません。
できたとしても、再度入会するにはまた紹介してもらわないといけないのですから、再度同じ方にお願いするのも気が引けてしまいます。
入ることすら困難な上に、入った以上は高い会費を払って続けていかないといけないのです。

くらげ自身も紹介者の手前、存続したかったのですが本当に支払いがきつい時期があって、滞納し続けているうちに除名処分になりました。

くらげからの提案

会誌の廃止とサイトコンテンツの充実

照明家協会にとって、今あるサイトはどういった位置づけで考えているのでしょうか。
もしかしたら、サイトさえ持っていれば照明家協会の存在をアピールできると考えているのかもしれません。

しかし、今はただサイトが有ればいいという時代ではありません。サイトのコンテンツ(中身)が重要視される時代です。
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もっと協会のサイトを最大限に活かせば、経費の削減はできるはずです。会誌を取りやめて、協会サイトに内容をアップすればいいのではないでしょうか。
それだけで、会誌の印刷代、発送代、封筒代だけでなく、封入して宛名を貼る手間まで削減することができます。

また、会誌に載せている広告をサイトに掲載することで、会誌よりも広告効果が高まります。
高い広告効果を出すことで、広告を掲載する企業やメーカーも増えるのではないでしょうか。

正会員向けのコンテンツと、会員じゃなくても見れるコンテンツで分けたい場合は、正会員のみログインできるようにしてコンテンツを分けることでじゅうぶん可能です。
協会サイトが、照明業界の情報サイト的存在になってくれたらいいなと思っています。

SNSなどを利用した情報発信

サイトだけではなく、Twitter、FacebookなどのSNSの公式サイトも必須です。

サイトを更新して終わりにするのではなく、更新情報や新着情報をSNSで流すことにより、情報は拡散されていきます。
舞台・テレビ照明における研究促進や普及を目的とするのであれば、情報のシェアは必須です。

今、くらげにとって一番役に立っている情報源は、TwitterやFacebookです。
舞台に携わっている方々をフォローしている方が、よっぽど新鮮な情報を得ることができます。

Instagramに、照明の写真を載せるだけで、海外の照明家からフォローされることもできる時代です。
情報のシェアというものを、もっとうまく使えば今まで以上に協会の目的の一つである”交流・普及”が達成できてしまうので、使わない手はありません。

協会賞をアピールするための特設サイト

照明家協会には、照明専門家として成果を評価・表彰することで、照明界ひいては芸術文化全体の高揚に資することを目的としている照明協会賞というものがあります。
しかし、この賞の存在を知っている全国の照明家協会に入っていない照明家は果たしてどれくらいいるのでしょうか。

もっと、この照明家協会賞をアピールするサイトがあってもいいと思います。
特設サイトを設置し、協会賞の存在をアピールすることで協会賞の応募増加につながります。

また、協会賞を受賞した照明家の作品や仕込み図を掲載するだけでなく、苦労した点や工夫した点などを紹介することで他の照明家も勉強になります。

サイトのスマフォ対応

スマートフォンやタブレットへの対応も今の時代は必須です。
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検索大手のGoogleも、モバイルファーストつまりスマートフォンサイトに対応していないサイトは順位を下げるとの方針を発表しています。
つまり、スマートフォンサイトに対応していない古いPC版のサイトを持っているだけでは、日本照明家協会のサイトの存在自体が危うくなるのです。

もちろん、サイトをリニューアルしてレスポンシブ対応なりスマートフォンサイトを作成するには、それなりに費用は発生します。

しかし、今やスマートフォン、タブレットPCサイトへのアクセス及び検索数のほうが、パソコンからのアクセス数を抜いています。
スマートフォン、タブレットからのアクセスに対応していないと、見にくいというだけでアクセス数が激減します。それだけで多くの機会損失が発生します。

もはや、スマートフォンサイトへの対応は待ったなしの状況まで来ているのです。

紹介制度の廃止および非正会員のセミナーや講習会への参加

有料で構わないので、技術セミナーや講習会に参加したいです。
特に会社を離れてしまうと、全くそういった講習会に出る機会がありません。正会員だけでなく、もっと照明家全体に開放して欲しいです。

締めくくり

日々現場の最前線にいらっしゃる方はご存知だと思いますが、舞台照明を取り巻く環境は刻一刻と変化しており、その速さは21世紀に入ってからさらに増しています。
同じく、舞台照明家同士のコミュニティや繋がりも時代の変化とともに変わってきており、ウェブやモバイルという存在は決して無視できない状況になっています。

技術刷新が早い周期で行われている今の時代に、古い体制のまま現状維持を続けているのであれば、遅かれ早かれ衰退していくことでしょう。
このまま、古いしきたりに則り現状維持を続けていくのではなく、もっと時代のニーズを反映して柔軟な運営をお願いします。



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