そらいろくらげが浮き輪で海に浮いているイラスト

とあるアパートを舞台にしたコンテンポラリーダンス

今日の舞台
パフォーマンスユニットTWT  『ダンスドラマ メゾン・ド・ピープ VACANCY』@上野ストアハウス

TWTは、玉川大学芸術学部のOG・OBたちで結成されているパフォーマンス集団です。TWTとは、公式サイトによると「a Tamaga Wonderground Theater(頭がワンダー・グラウンドシアター)」の略称なんだそうです。
TWTの公演は、前回8月に下北沢で2回めの公演を見て以来2度めです。前回は芝居でしたが、今回はコンテンポラリーダンスということでどんな作品なんだろうと楽しみにしていました。

あらすじ

あるアパートの一室。それはどこか知っている感覚。
なぜか見たことのある景色。ここは誰の部屋?
・・・・・
“誰かの”“いつかの”“この先の”
・・・・・
電車からふと見えた、他人の部屋の中。垣間見える日常にワクワクする。
他人の部屋を、のぞく…
そんなタブーを体験する。
『あなたの部屋、きっとあります。』

(TWT公式サイトより引用)

コンテンポラリーダンスではありますが、ダンスドラマなのでストーリーもわかりやすく構成されているのかなと思います。

感想

お話は、メゾン・ド・ビープというアパートの5つの部屋を舞台にしたオムニバス形式で構成されています。
舞台セットは、窓らしき四角い穴が空いた長方形のパネルにキャスターがついたものが数枚。このパネルをくるくる回したり移動させたりしながら舞台が転換されていきます。

Room1 「干物女の部屋」

社会人1年目の干物女。日常生活に追われて散らかりゆく部屋は、まるで彼女の心を映し出す鏡のよう。繰り返す失敗に落ち込むばかり。
でも、ごった返した部屋には明日の活力も眠っているかもしれません。
よろけて転んで悲しくなって、それでも負けない。七転び八起きな干物女が住み着く部屋を、とくとご覧ください。
(公演パンフレットより引用)

干物女とは、恋愛を放棄し家では激しくだらけているめんどくさがりな女のことをいいます。そんな干物女が3人登場し、日々の繰り返しをパーカッショニストのカホンのリズムに乗せてコミカルに踊りで表現しています。とてもわかりやすいので、感情移入もしやすかったです。

Room2「間にある」

父はキャベツにマヨネーズとお酢をかける。他にも色々とこだわりがあるけど、台所にいるとよく、取ってと頼まれるので、父の好みはだいたい覚えてしまっている。同じ物を使うことからよく見える、色入な物がある。それらを間に挟みながら、一緒に暮らしてゆく。
(公演パンフレットより引用)

という説明書きではありますが、実際にはまったく上記のような説明にはない展開で進行していきました。

まず、舞台の後方に3つのコップとコーラのボトル。箸と食器と醤油。舞台上にあちこちに置かれた、洗濯物とハンガー、物干し竿。それから、布団と枕とスタンドライト。それぞれ散らばっている中に、3人のダンサーが舞台中央で正座をし、ぽつんと置かれたワイヤレスマイクを見つめています。しばらく無音の続く中、突如マイクの争奪戦が始まり、一番に取った人が「洗濯をする」とマイクでしゃべります。すると、残り二人が喋った人の周りに洗濯物一式を置きます。

次にまた、正座してマイク争奪戦。次は、別のダンサーが「寝る」としゃべります。そうすると、今度は寝具一式をその人の周りに置きます。次は、「たまごがけご飯を食べる」と言い、たまごがけご飯一式をその人の周りへ設置。

そうしたことが続いていき、最後にはマイクを離さないダンサーが「洗濯物」、「たまごがけご飯を食べる」、「出かける」「寝る」を全て言い、一人はこれでもかというくらいマイクを持ったダンサーにそれぞれの道具を投げつけ、一人は後ろでコーラを飲みながらそれを見ています。
やがて、投げつけた人はしてやったりという感じでコーラを飲み、投げつけられた人は布団と洗濯物に埋もれたままコップに注いでもらったコーラを飲み、さらにはおかわりを要求。しかし、いくらコップを差し出しても周りに二人の姿はなく、といった感じで終わります。

で、結局何だったのかわからず、うとうとしながら観ていました。

Room3 「今日はフルかと晴天を仰ぎ続けテ」

すきなことだから
コレしかないから
うらいケドやめられない
やめたらなにもない
でもうまくしかない これしかない
やめない やめられない
もはやスキかもわからナイ
フッテコイ フッテコイ
ココデ ソレヲ マッテイル
(公演パンフレットより引用)

男性ダンサーのソロ作品で、登場人物は作家です。
原稿用紙に必死に文章を書いていて、ふとアイデアが浮かんだ瞬間にアイデアの内容とリンクしている曲とともに華麗にそして滑稽に踊っては書いていくという繰り返しです。
そして、書いているうちに腕が勝手に動き出します。書きなぐるように筆が進んでいくとともに照明が落ちていき、ぱっと照明が点くと机で突っ伏している作家。ふと目が覚めると「夢だった」と気づく。そして、傍らにある電話が鳴って取ってみると、それは嬉しいお知らせで何度もおじぎをしていると照明が暗くなっていきます。
そして、照明が点くとまた机に突っ伏して寝ており、はっと気づくと「ああ、夢だった」。電話が鳴って・・・という繰り返しが何度か続き、最後はどこからともなく聞こえてくる女性たちの笑い声がしてきてうるさいなと怒りながら出て行くというところで、このシーンはおしまいです。

何度か最後のほうで続くのが正直しつこいなと感じたのと、この笑い声は何の意味があるんだろうと思いながらすっきりしない感じで終わりました。

Room4 「ふたつの主役の対話」

わたしとわたし
たわしとたわし
昼は知らんぷりで
夕方には思いが募る

そうやってまた・・・
今夜わたしが訪ねてくるのです。
(公演パンフレットより引用)

今までとの作品とは一線を画す感じでがらりと様相が変わります。無音の中で、巧みに四肢を操りながら踊る男女。今まで踊っていたダンサーさんよりもよりしなやかな身体つきをしていて、一つ一つの動作に引きこまれます。
最後の方では、女性が黒いシャツ、男性が黒いパンツを脱いでお互いに交換をして着たあと、男性が口紅を塗り、女性がネクタイを締めるというアベコベな動作をするシーンがあります。ここがよくわからなかったですが、全体を通して不思議な感じでした。

Room5 「Live is」

部屋は誰よりも知っている。
笑い声、ため息、脱ぎっぱなしの服、くしゃくしゃの泣き顔、
怒ると物にあたること、すぐ失くすリップクリーム、だらしなくあいた口・・・

まいにちここで おわらせて
まいにちここではじめていく
(公演パンフレットより引用)

まさに説明どおりのストーリーが流れるようにダンスで綴られていきます。住人である女性を中心に、周りのダンサーは部屋の物になったり、友人になったり、恋人になったり。
途中、友人たちとおしゃべりしているシーンでは、どこかで聞いたような笑い声が発せられ、突如登場するのが、先ほどのRoom3で出てきた作家。笑い声がうるさいと講義に来たのです。ここで、先ほどの笑い声の正体がようやく判明しました。

締めくくり

コンテンポラリーダンスというのは、動きと音、表情だけでストーリーを追っていくので捉え方はそれぞれです。
見る側には想像力が必要ですが、こういうダンスドラマもおもしろいと感じました。

また照明にとっても、コンテンポラリーダンスはプランのしがいがありそうです。いつか機会があったらやってみたいです。

公式サイト:パフォーマンスユニットTWT



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