そらいろくらげが浮き輪で海に浮いているイラスト

悩み多き小劇場での公演

劇団名: チリアクターズ
公演名: 第14回公演 『雨の濡らした夕月夜 〜彩り続ける者達の傘〜』
仕込み日:2016年8月31日
公演日:2016年9月1日〜4日
劇場: 参宮橋トランスミッション

今年二度目となる、芝居のプランとオペです。
今回の劇団は初めてなのですが、小田原の劇団というのと、去年の黄金町パフィー通りという作品で関わった方々と一部繋がっているため、アウェイのようなアウェイじゃないような感じです。

劇場は、参宮橋にあるトランスミッションという小劇場。小劇場での本番はまだ片手で数えるくらいの経験しかないくらげですが、ホールや劇場と違った独特の雰囲気があるので好きです。ホールに比べると不便なところも多いのですが、そこを逆手に取っていかに活かすかが課題になります。

今回の仕込み図

芝居のプランだとなぜか自分の名前を英語表記にしてしまうという謎。
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機材はDFとT-1とPAR64と36、それとソースフォーが26度。DFはG球とバイポスト型電球タイプが10台づつ、T-1は10台ですが、ソースフォーは劇場のタッパも間口も奥行きもないにもかかわらず26度という挟角先球で1台しかないという謎仕様。
いろいろ考えたあげく、アルミで切り出した雨模様の種板を入れて使いました。これがスモークを炊くといい効果明かりになりました。
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今回は演出照明以外はなるべく色味を抑えたかったので、初めてLEEフィルターを使用しました。仕込み日の数日前にとある販売店で購入し、仕込み日2日前の夜中に開封したところ全然違う商品が入っていて赤くらげに変身したのはここだけの話です。なんとなりましたが。
LEEフィルターはポリカラーのように青が70番代と決まっているわけではないので、自分でプラン書いたにも関わらず「えっとこれどういう色だっけ」と仕込み中は混乱しました。

Goboは一昔前、ITOやソースフォーなどのエリスポが全盛期になる前によくやっていた、フレネルレンズスポットのレンズを外して黒いアルミで作ったアメーバ模様を出すやつです。そこで初めて知ったのですが、一昔前のDFは機材の前面を開けるとレンズが悟空の輪っかみたいなので押さえられていて簡単に外せたのですが、新しいタイプだとしっかり金具とネジで固定されているんですね。

このネジを3箇所外せばレンズと網が外れます。おかげで、6台分のレンズを外すのに時間がかかってしまいました。

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仕込み

2名で照明を仕込んだのですが、思ったよりも時間が掛かりました。劇場が10時入りというのもあるのですが、前述のとおりレンズ外しに時間がかかったのと、あと回路を事前に決めておかなかったことが原因です。

回路表はあるのですが、回路の設置場所をちゃんと把握しておかなかったので、コードの引き回しに時間がかかってしまったのです。一旦休憩を挟んで回路を決めて劇場前にある中華屋さんでおいしい豚ロース丼をしっかり食べて元気になったら、さくさくと作業が進みました。やっぱり、事前の回路決めとお肉食べるのは大事です。

調光卓はETCのSmart Fade。

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こういうフェーダー名記入プレートがない調光卓の場合、ビニテよりもやっぱりパーマセルとかドラフティングテープのほうが書きやすいなと思いました。

ビニテはこんな感じでテカるので見にくいです。
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リハーサル

この作品は、街の外れにある「稲荷荘」という名の創作活動をするためのシェアハウスに暮らす人々の話です。舞台はずっと稲荷荘の中だけで進行していきますが、外はずっと雨が降っており、あることを境に雰囲気が徐々に変わっていき、手遅れな状態になった後にパッと空が晴れて幕が閉じます。

演出家がはっきりと「ここではこういう明かりがほしい」という注文をしてくれるので、こちらとしても明かりを作りやすかったです。くらげの場合、今までかんたんな注文だけで「照明はおまかせ」という状況が多かったので、明確な注文してくれる方が一緒に作っていっているという感じがします。

本番

本番は、木曜日が1回、金曜日と土曜日が2回、日曜日が1回の計6回です。

この劇場は、仕込み図を見てもらえば分かる通り、舞台に対して客席が上手寄りにあるのですが、通常では下手側に寄っていて上手側が通路になっています。そのため、この公演では客席を上手側に動かしています。そうすると、ブース下の照明置き場が通路になり、ブースへ登る階段が撤去されるのです。
階段が撤去されるとどうなるか。開場前からブースに軟禁状態になるのです。上演時間は100分。客入れ客出しの時間を含めると約2時間30分以上動けなくなります。
そこで、毎回水分をできるだけ絞って本番に臨んでいます。

明かりは本番ごとに少々修正を加えています。やっていって見える違和感もあるから。
そして、土曜日になってところどころ台詞も変わりました。

前までは、ゲネプロをやったら変えていけないという変な固定観念を持っていましたが、変えて良くなることもあるんだなと知りました。

千秋楽の大失態

そんなこんなで千秋楽。大失態やらかしました。

前述のとおり、本番1時間前くらいから水分摂取を控えているのですが、千秋楽ということで油断しました。水分を控えているとどうしても調子悪くなるので、ちょっと多めに水分を摂取。開場前から何度もトイレに行ったのですが、開場してから膀胱にだいぶ水分が溜まっているのを感知しました。

これはやばいどうする?我慢するか?

いやしかし、このまま我慢して本番中に行きたくなるよりマシだ。そう判断したくらげは、近くで客席整理している役者に声を掛けました。
階段を出すわけにも行かないのでなんとか降りようとしましたが、お客さんが見守る中、けっきょくは役者に肩車してもらい何とか降りて地上一回外にあるトイレへ駆け込むくらげ。すっきりして戻ってきたあとは、今度はブースへ登るという難関が待っています。

登りは箱馬を用意してもらい、何とか自力でよじ登りブースへと帰還。ふと我に返り、肩車してもらったはいいけど役者さんが怪我しなくてよかったと安堵したのでした。

これが小劇場の洗礼か。

締めくくり

いろいろありましたが、やっていて楽しくてやりがいのある劇団さんでした。

もし機会があれば、また一緒に仕事させていただきたいです。

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