壮観で大仕掛けが詰まった時代劇【真田十勇士】

今日の舞台
真田十勇士@新国立劇場中ホール

現在、大河ドラマで一躍有名になっている真田家。大河ドラマは全然観ていないので真田家についてはあまりよく知らないのですが、今回真田十勇士という舞台を観てきました。この作品は、3年前が初演で、今回は映画上映と同時に再演されます。

あらすじ

紀州(現在の和歌山県)九度山、抜け忍びの猿飛佐助【中村勘九郎】は、真田幸村【加藤雅也】と出会う。幸村は天下に知られる名将だが、関が原で西軍に与したため、九度山で隠遁生活を送っていた。ところが、実際の幸村は、芯には光るものがあるものの、無口で平凡な武将にしか見えない。幸村大活躍のエピソードは、「噂話に尾ひれが付いたものか、偶然が重なったに過ぎない」と言う。己の虚像と実像のギャップに悩み、名誉を保ったまま、命を落すことまで考える幸村。その話を聞いた佐助は俄然、目を輝かせた。
「オイラの嘘で、あんたを本物の立派な武将に仕立て上げてみせようじゃないか!」

押しかけ家臣となった佐助は、幸村を本物の「天下の名将」にすべく、いわば<真田幸村をプロデュースする>ために策を考える。まずは、頼りになる仲間を探し、かつての忍び仲間・霧隠才蔵【加藤和樹】と再会する。容姿端麗で頭の切れる才蔵だが、山賊に身をやつしていたところを佐助に誘われ、「本物の英雄づくり」という世の中を相手にした大博打を仕掛けようとする考えに共鳴し、幸村の家臣になることを承知する。才蔵の屈強な2人の手下、三好清海【駿河太郎】と三好伊三【荒井敦史】も行動をともにする。

やがて、関が原などで戦経験豊富な強者・由利鎌之助【丸山敦史】、仕官先を探して諸国を旅する武芸者・筧十蔵【高橋光臣】など、新たな仲間が加わっていく。そんな中、佐助と才蔵は新たな企てを思いつく。幸村の存在をより神秘的なものにして世間に売り込むため、一騎当千の勇者たちを揃えて、世の中を震え上がらせようと…。仲間は十人、思った通り、「真田十勇士」の存在は一気に噂として広まった。

豊臣と徳川が一触即発となる中、九度山に意外な人物、淀殿が訪ねてきた。幸村は若かりし頃、淀殿を慕っており、今なお純粋な思いを抱いていた。佐助たちが考えた「虚像を真実として貫き通す」という企てに本腰を入れて乗ろうと決めた瞬間だった。十勇士たちも賛成し、幸村の意を汲んで大阪方に味方することが決まった。「真田十勇士」たちは、いよいよ大坂城に入場し、慶長19年(1614年)、遂に「大阪冬の陣」の幕が切って落されようとしていた…。

幸村は本当に大坂に味方するのか? 諸説が飛び交う中、最後まで決断を渋っていた。そんな中、昔の佐助とよく似たお調子者の根津甚八【村井良大】をはじめ、幸村の忠実な家臣・海野六郎【栗山 航】、そして、幸村の長男で幸村を信じて疑わない実直な息子の大助【望月 歩】、大助に付き従う家来・望月六郎【青木 健】らが加わり、ようやく10人が揃い、名実ともに「真田十勇士」が誕生したのだった。

豊臣と徳川が一触即発となる中、九度山に意外な人物、淀殿が訪ねてきた。佐助たちが考えた「虚像を真実として貫き通す」という企てに本腰を入れて乗ろうと決めた瞬間だった。十勇士たちも賛成し、幸村の意を汲んで大阪方に味方することが決まった。「真田十勇士」たちは、いよいよ大坂城に入場し、慶長19年(1614年)、遂に「大阪冬の陣」の幕が切って落されようとしていた…。
(公式サイトより一部抜粋)

感想

大規模な商業演劇だと、どうしても舞台装置や照明に目が行ってしまいます。

舞台装置

セットは、ゴツゴツとした岩を模した装置がプロセニアムを囲むようにそびえています。
舞台上の装置は、これまた石垣のような岩と崖を模した横長の箱状になっていて高さが異なるものが6台あり、縦横無尽に動いて場面転換します。セットというセットはそれだけ。あとは薄い布状の幕と黒い紗幕が時に暗転幕となり、時にスクリーンに変化します。

そして、なんといっても見どころはプロジェクションマッピング。オープニングではまるでテレビのように役者紹介時に名前が字幕で表示され、ときにはセットとして大活躍します。
今までなら、屋敷ならでかい瓦屋根や壁や扉などのセットがでーんと登場していましたが、岩状のセットを袖にやり、舞台を横半分に切るように降りている白いスクリーンに屋根と部屋の遠景を投影するだけで、そこは屋敷として成立してしまうのです。

また、岩の装置も回転させれば裏は白地になっており、ここに映像を照射することもできます。もはや、映像のための装置といった感じです。

また、大阪の陣での各武将たちと淀殿との打ち合わせシーンでは、海の見える屋敷が映しだされ、やがて盆が回りだすと映像も一緒に景色が回転します。これもまた、今までセットを回転させていたのが、映像を回すことで大掛かりな回転装置を作ることなく再現できてしまうのです。

それからもう一つの見どころは、ワイヤーアクション。忍びの者たちがワイヤーに吊るされた状態で上空から登場し、上手へ下手へと自由自在に飛び回り、ときには逆さまになりながら立ち回りを演じます。
ワイヤーを使いこなしている役者さんも素晴らしいのですが、スタッフとのコンビネーションも素晴らしいので、ぜひとも袖でのスタッフワークを見てみたいものです。

照明・音響

1階席だったので、客席の出入りはちょうど調光卓の設置してある客席一番後ろのところを通っていました。ちらっと見たけど調光卓の種類はわからず。その他にもいろんな機材が置いてありました。おそらく隣は映像だと思われます。

想像通り、照明はほぼムービングとLED PAR、ソースフォーという構成でした。ムービングライトは何度か客席を煽る明かりがあったのですが、1階席後方だったためくらげは足にしか当たらず。せっかくだからムービングライト浴びてみたかったです。

音響はものすごいド迫力な音響効果でした。特にテーマとなっている曲がめっちゃテクノ系のかっこいい曲なのですが、客席全体的にドーンと来るのです。それはもう、音圧を感じるくらい。でも、スピーカーはほとんど目立つところにないので、どれだけスピーカーを積み上げているのかわかりません。アクション満載なのでSEも多く、オペレーターさん大変なんだろうなと思います。

役者

装置や照明音響以上に、役者さんたちも素晴らしいです。舞台を縦横無尽に駆け回る、勘九郎さん演じる猿飛佐助、端正でクールな表情がたまらない、加藤和樹さん演じる霧隠才蔵、鍛え上げられた端正な身体でアクションをこなす、篠田麻里子さん演じる火垂、さすが風格が違う、加藤雅也さん演じる真田幸村、どこか大人の色気すら感じる浅野ゆう子さん演じる淀殿などなど、真田十勇士はもちろんのこと、豊臣勢や徳川方に付く忍びたちなど見どころは満載です。

特に、最後の方のとあるシーンでは号泣していました。もう、泣かせるのがうまいんですよ。そのあとすぐに、「あはは」となるのですが。

演出

堤幸彦という映画監督ならではの発想が盛り沢山で、映像シーンでよく見られる見せ方が満載でした。特に盆を回して背景や役者を360度見せたり、テレビ番組の字幕のような効果を出したりなどというのは堤さんだからこその発想だと思います。
そこに舞台ならではという効果もプラスされていて、最新のテクノロジーを使えばここまでできるんだということをつくづく実感しました。

締めくくり

例年以上に真田家が注目されている今年は、ぜひ真田十勇士を観て、技術のすばらしさを感じながらド派手なエンターテイメント作品を楽しんでください。



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