客席で聴く朗読リサイタル

今日の舞台
タッシ・アーツ  『シリーズ 極上の「語り」と「音楽」で味わう午後  シューマン 追憶のトロイメライ』
@浜離宮朝日ホール

仕事では何度もリサイタルに携わっていますが、自分でチケットを取ってクラシックホールで音楽を聴くというのはこれがくらげにとって初めてのクラシックコンサートです。

このリサイタルは、くらげが代務の仕事でお世話になっている音楽ホールで何度か上演されているシリーズです。
出演者は、朗読者が元NHKアナウンサーの松平定知氏、同じく元NHKアナウンサーの好本恵氏のお二人。そして、ピアノ演奏は松本和将氏。
音楽家の生涯を書簡を通じて綴るストーリーです。合間には、その音楽家の作曲した曲の演奏が入ります。

今回の作品は、昨年くらげが初めてこのシリーズに関わることになったいわばデビュー作品です。
別のホールで上演するにあたり、他のホールではどんな感じなのか、そしてちゃんと客席で聴いてみたいと思い、極上の語りと音楽を味わってみることにしました。

客席を見渡すと、客の殆どが中高年の方々で埋め尽くされています。
どうやら、クラシック業界は中高年によって支えられているようです。

あらすじ

もし、シューマンとクララが出会っていなかったら・・・

恐らく彼は、名を遺すほどの作曲家にはなっていなかったでしょう。
それほどまでに、シューマンの作品は、クララとの愛の力が作用して、昇華されました。

特に、その出会いから結婚までに至る10年間に、
彼は『ダヴィッド同盟舞曲集』『謝肉祭』『幻想小曲集』『子供の情景』『クライスレリアーナ』と、
立て続けにピアノ作品を発表し、そのどれもが、
彼の全作品中、今日でも頻繁に演奏される名曲ばかりです。

本日は、ピアノ作品として結晶したシューマンとクララの純愛煌めく小宇宙に皆さまをお連れいたします。
(公演パンフレットより引用)

クララは、ドイツの女流ピアニストで作曲家です。
厳格な父に幼いころから音楽家としての教育を受け、ヨーロッパ各地で演奏をしていました。

クララが11歳の頃に、ロベルト・シューマンが父のフリードリヒの元に弟子入りし、やがてクララとロベルトは互いに惹かれ合うようになっていきます。
この二人の愛を互いにしたためた手紙のやり取りを中心に、構成された物語です。

感想

客席うるさい

それにしても、中高年が多いため客席は咳する人の多いこと。このところ急に寒くなったせいで風邪引いたのか、激しい咳が聞こえてきます。
くらげの斜め前の女性も、咳が止まらなくなっていました。
あと、紙とか鈴とか音するもので時々ざわつく感じがするのです。もう、気になることばかり。

互いに惹かれ合う二人

物語は、トロイメライの演奏から始まり、二人がお互いを意識していく手紙のやり取りから始まります。
朗読の合間には、クララが作曲した主題を元にシューマンが作曲した『クララ・ヴィークによる10の即興曲』が松本氏によって演奏されます。

やがてロベルトがクララに結婚を申し込むものの、父に交際を認めてもらえずに苦しむ二人。こともあろうか、父フリードリヒは二人の愛を妨害すべく罵詈像音を浴びせたり、なるべく会わせないようにたびたびの演奏旅行でクララを連れ出そうとします。

クライスレリアーナ

ここで演奏される曲は、『クライスレリアーナ』。この曲は、ちょうどクララとの結婚が認められずに悩んでいた頃に作曲された作品です。
動的と静的な8曲で構成された曲集で、今回はその中から「第1曲 激しく動いて」「第4曲 極めて遅く」「第7曲 極めて速く」の3曲を演奏します。

そうした背景もあって、冒頭から激しい動きのある音の渦に巻き込まれます。それはまるで、荒れ狂う波のように襲い来るクララへの止めどない愛と結婚を認めてもらえない苦しい思いが入り混じっているようにも思えます。
2曲目以降、やがて激しい波は引いていき、一転して穏やかな曲調へと変化します。まるで、ロベルトに寄り添うクララをやさしく見守っているようでもあります。
そして、7曲目ではまた冒頭の主題が戻ってきます。冒頭ほどの激しさはありませんが、そこにはクララへの愛を貫き、そして師匠であるフリードリヒと決別しようとする決意が込められているようでもあります。

この演奏はやはり腕のあるピアニストではないと難しいと思います。松本氏の演奏には、激しさと優しく穏やかさが弾いているときの表情にも現れていて、まるで二人の魂が乗り移ったようにも思えてきます。
この演奏を、前回は調光室のモニターで聴いていたのですが、それでも惹きつけられるものがあり、できれば客席に座り生で聴いてみたいと思っていました。
この演奏を聴けただけで、もうお腹いっぱいなくらいです。

フリードリヒとの決別

何度も穏便に交渉する二人ですが、フリードリヒとの和解はもはやできないと悟った二人は、訴訟を起こします。
一度目の審理はフリードリヒが欠席し、二度目の審理ではあることないことを裁判長に訴える父を見て、クララは父への哀れみを覚えます。そして、二人は裁判に勝利し、晴れてクララはクララ・シューマンとなるのです。

子供の情景

最後に演奏される曲は、幻想曲 ハ長調 作品17と、子どもの情景 作品15より「第13曲  詩人のお話」「第7曲 トロイメライ(夢)」
この子供の情景という作品集の中でも、特にトロイメライは誰もが知っている有名な曲です。

”子供の情景”ということで、子どもたちのための作品集だと思われがちですが、正しくは大人が見た子どもの遊んでいる風景を描いたものであり、その「子ども」とは、幼き日のクララの姿を思い浮かべて作られた作品なのです。( -`ω-)どや!

ということを、朗読後のトークセッションで松本氏が話しているのを聞いて、初めて知りました。

締めくくり

自分が関わった本番をこうして客として観るのは初めての経験ですが、より深く理解することができました。
いいホールで、じっくりピアノや語りを味わうというのは贅沢な時間です。
客層見ていると、若い方がぜんぜんいないのがとても残念に思えます。

なかなか、コンサートホールでクラシックを聴くという機会はないかもしれませんが、やはり音の良いホールで聴くというのは体験しておいて損はありません。
なので、くらげももう少し、クラシックコンサートを聴きにいくようにしてみたいです。

2 Comments

ゆうき

松平さんですからね、年齢層も高くなりそうですね。

僕はクラシックコンサートは聴きにいったことありません。
クラシックを聴きに行くだなんて、くらげさんも大人ですね!

それにしても、サイドバーの「人気記事」が、CADとか照明関連なのが面白いですね!

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そらいろくらげ

いらっしゃいませー。

音楽ホールで仕事することがなかったら、クラシックなんて興味を持たなかったかもしれません。

なるほどたしかに、松平さんだったら年配の方が多いですよね。

検索ワード見ていると、ベクターワークスの代わりに使えるフリーソフトというのがかなり上位に上がっています。
ベクター高いですしね。
あ、サイドバーには出てきていませんが、立川駅からららぽーとまで歩く記事を書いたので、「立川駅からIKEA歩く」とか「立川駅からららぽーと歩く」なんて言うキーワードも多くて記事もよく読まれていますよ。

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