そらいろくらげが浮き輪で海に浮いているイラスト

重くて切ないタイムトラベラー自供型サスペンス舞台劇

今日の舞台
ボクラ団義 『今だけが戻らない』@CBGK シブゲキ!

今年4月、「セピア色の照明」というツイッターで流れてきた感想を見て気になり、初めてシアターKASSAIでボクラ団義を観劇。内容は、スキー場を舞台にした密室でのサスペンス舞台劇でした。
2度めとなる今回は、渋谷のシブゲキでタイムトラベラー自供型サスペンス舞台劇です。なんのこっちゃ。

あらすじ

取り戻したのは、二度と戻らない筈の「過去」だった。

そこで見たのは、やたらと遠い「今」だった。

警視庁捜査一課内にある【特命捜査対策室】そこは、過去に起きた事件の内、犯人が未だ「逮捕」または「特定」されていない、いわゆる【未解決事件】を専門に捜査する部署である。

その部署に一人の男が現れる。男の名前は【渡部浩一(わたべ こういち)】。渡部が、訪れて早々に語る。
「五年前の事件の真相を知っている」と。未だ解決されていない、五年前に起きた【連続殺人事件】の真相を知るという渡部の言動に大きな反応を見せる特命捜査対策室の面々であったが、捜査員の一人【瀬戸沼陽(せとぬま よう)】は突っかかる。

「五年間解決できていない事件の真相を何故知っているか」そして、「そもそもその事件は既に重要参考人として【倉下保(くらした たもつ)】という男が全国指名手配されている。その中、お前の言う【真相】とは何だ」と。

瀬戸沼の問いに渡部は答える。「とあるきっかけから【タイムマシーン】に乗った」そして「そのタイムマシーンでタイムトラベルした先で、五年前の【あの事件】の真相を見てきた」と。
唖然とする面々に渡部は続ける。どうやら「その事件の犯人は自分です」と。

ボクラ団義が1年ぶりに送る!本公演第十八弾は「タイムスリップし終わった男」目線の自供型サスペンス!!

「過去の連続殺人事件」をきっかけに、激しい後悔があった筈の男が体験した「タイムトラベル」は何故か一筋縄ではいかないことばかり?助けたい人間が助けられないばかりじゃない。気が付いたら全然違う事件の真っ只中にも。知らない事件で何をする?

長く未解決だった事件、現在起きた新たな事件、そして「追い続けた者たち」と「悲しみ続けた誰かたち」が男の話によって交錯する!!果たして男が体験したタイムトラベルの【真相】とは!?
「置かれ続けた【一輪の菊】」が全てを物語る!?

ボクラ団義が送る!タイムトラベラー自供型サスペンス舞台劇!!

ボクラ団義公式サイトより引用)

感想

シブゲキの客席は、椅子はふかふかしていてものすごく座り心地がいいのですが、やたら前後の間隔がせまいため、男性は脚が窮屈なくらい。おかげで、観劇中に何度か後ろの人の足がくらげの座っている座席に当たって衝撃を感じていました。

舞台上には、半円状の大きな装置、そして上手と下手には階段と2階部分のある装置です。
このセンターの回転する装置は、本番での舞台転換で重要な役割を果たしています。

「後悔したことはありませんか?」

この言葉を謎の男から掛けられ、タイムマシーンに乗った渡部浩一。
彼は、5年前に起きた連続殺人事件の関係者です。
そして、タイムマシーンに乗って5年前の事件の真相を知ったという浩一は、特命捜査対策室で事件の全容を語ります。そして、自分が犯人なので逮捕してほしいと訴えるのです。

しかし、事件は5年前だけでなく彼の父親が関わった10年前、20年前の事件の真相にも迫っていくことになります。
過去の事件と、被害者たち、そして事件に関わった者たちが次々と登場しては事件の真相に迫ろうとしますが、なかなか核心部分が見えてきません。

そして、休憩前に浮上した、まだ登場していない一人の人物の過去がプロジェクターでの字幕でよって語られます。
突如出てきたこの人物は今後ストーリーにどう関わるのか、全く予想すらできないストーリー展開に、皆目真相どころか真犯人さえ見当がつきません。

休憩中、開場時に配布されているパンフには載っていない、登場人物に関するプロフィール情報が配られました。
この情報を見ながらトイレに並び、並んでいる間に頭の中を整理します。

休憩後、徐々に事件の真相が見え始めてきます。
真相が判明するとともに、タイムマシーンの正体、タイムマシーンに乗ることを勧めてきた謎の男の正体、10年前、20年前の殺人事件の現場となった高尾にある大学の合宿所にいた辻堂守という男の正体、科捜研研究員たちの正体が暴かれていきます。
事件の真相を握るのは、休憩前に語られた一人の人物、真壁啓。この人物が、5年前、そして10年前と20年前の事件に関わっていたことが判明します。

そして、5年前の被害者のうちの一人で浩一に殺されたと思われた相良愛生が、実は生きていることが判明。しかし、その彼女に迫りくる危険な影。3件の事件の真犯人が、相良愛生を殺そうと近づいてきます。
ようやく、事件の真相と新犯人の正体に気づいた刑事たち。

既のところで駆けつけた刑事との乱闘の結果、真犯人を取り押さえることに成功。そして、戦後最悪の殺人事件は幕を下ろします。

最期に、5年前と同じように合宿所に集まった大学の演劇サークルの仲間たちが楽しそうに話している様子が現れました。これは実は、愛生たちがタイムマシーンの正体である「犯罪者の行動予測を自分のことのように体験できる装置」で見ている幻です。決して取り戻すことのできない過去を取り戻すかのように、泣きながら見守る愛生たち。

そして、舞台の幕が閉じました。

真相を知るにつれ、なんとも言えない重い気持ちになり、そしてラストのシーンでさらに切なくなる。
そんな舞台でした。



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