そらいろくらげが浮き輪で海に浮いているイラスト

クラウドソーシングで受注した案件で失敗したこと

2016年はWebデザイナーとしても照明家としても変化の年で、フリーランスとして活動していく中でいろんな失敗を重ねながら経験を積んでいった一年でした。

4月にWeb制作会社のアルバイトを辞めてからは、Webの仕事を獲得するアテがなかったため、クラウドソーシングで仕事を獲得するべく活動をしていました。

今回は、クラウドソーシングで獲得したWebデザインの案件で経験した失敗談をご紹介します。

クラウドソーシングでの仕事の獲得方法

クラウドソーシングでは、案件の種類がコンペ方式とプロジェクト方式の2種類あります。

コンペ方式は、その名の通りコンペです。クライアントからの依頼に対し、直接作品を提出します。
案件依頼の募集期間が終了すると、提出された中から、作品が選ばれて報酬が支払われます。

プロジェクト方式は、見積もりや進行の方法などを含めた提案を行い、その中からクライアントが提案を選定します。

当初は、コーディングに自信がなかったこともありコンペ方式での提案を主に選んでいました。
コンペ方式でのWebデザイン単価は、トップページで3万円台とけっこうお安めです。それでも、実績と経験を積めるならとせっせと応募していましたが、時間がかかる割に選ばれないと一円にもなりません。

ライティング案件からWebデザイン案件に

このままでは、生活すら危うくなると危機感を覚えたくらげ。
定期収入を増やすために、プロジェクト方式のライティング案件に応募します。

その案件は、ライターが書いた記事をHTMLとCSSで装飾して記事投稿する内容だったのですが、月に何万円かは稼げそうな感じでした。
その際、クライアントからWebデザインの相談を受けたため、別の既存サイトのリニューアルデザインを受注することになりました。

Webサイトのリニューアル案件がスタート

リニューアルするサイトは、特定のサービスを比較しているアフィリエイトサイトです。

案件のディレクションとコーディングはクライアント側が行い、くらげはサイトのデザインだけ行います。
費用に関しては、こちらの言い値で出してくれるとのことだったので、相場を調査した上でちょっとだけ安めの値段で出しました。

メッセージのやりとりは、クラウドソーシングの機能を使わず、利便性の高いチャットワークを使用します。

デザインリニューアルということで、トップページと下層ページの2ページのみのデザインだと勝手に思ってしまい、詳細な打ち合わせや契約書の作成などは一切行わずに案件がスタート。

いきなり長い下層ページからスタート

新規でもリニューアルでも、まず最初に作成するのはトップページからデザインしていきます。
しかし、先方から最初に直したいと提示されたページは、非常に長い下層ページでした。

ここで若干「あれ?」とも思ったのですが、このページを作ってしまえば、あとはパーツやトーンなどをトップページと別の下層ページに反映すればよいと考えてまずはPC版のデザインを作成しました。
サイトで扱っているサービスは、くらげ自身は使ったことのないものでしたが、イラストを用いた独自の世界観があったので、先方のイメージに近づけるようにして作成しました。

PC版のデザインはほぼ一発OKとなり、ここでデザインの方向性も決まったため、続いてスマートフォン版の作成に入ります。

スマートフォン版で雲行きが怪しくなる

スマートフォン版に入った途端、いきなり雲行きが怪しくなりました。

しかし、本来ならディレクターが作成するべきサイトの仕様書及び枠組みの書かれているワイヤーフレームはありません。
双方で考えている仕様が食い違い、態度を急変させるクライアント。

しかし、いまさら「ワイヤーフレームがないから」とも言えません。
ここで案件がご破産になってしまえば、今までの苦労は水の泡。すでに、生活はギリギリの状態です。

なんとか先方の意向に近づける形で、スマートフォン版の作成が終わりました。

くらげの失敗ポイント

  • 案件に取り掛かる前に詳細な要件定義を行わなかった
    Web制作案件に入る前には、必ず要件定義を行います。要件定義は、「なぜリニューアルするのか」など、基本的な質問から始まり、デザインから仕様までを決めていきます。
    今回、数ページのリニューアルだからと省略してしまったことが、仕様に関する意見が食い違う要因となりました。
  • ワイヤーフレームがないことを伝えられなかった
    本来は、ディレクターが作成すべきワイヤーフレームですが、なければデザイナー側で作成します。もちろん、ディレクションすることにもなるので、別途費用です。
    ここを、最初のうちにうまく詰められなかったのが余計問題をややこしくしました。

果てしなく長い下層ページ

次に依頼されたのは、別の下層ページ2ページ分。どのページも内容が最初に作ったものと違うため、新たにパーツを作らないといけません。
何よりも、くらげを悩ませたのは通常の10倍はあるページの長さです。

下層ページをPhotoshopで作成する際、通常のサイトであれば2,000px程度の長さです。どれだけ長い下層ページでも、7,000px程度。
ところが、今回作っているページはPC版でも30,000pxを軽く超える長さです。

Photoshopでは、30,000pxを超えると拡張子が.psdではなくなり、ビッグデータ形式の.psbになります。
Web制作で使っているMac miniはメモリを16GB積んでいますが、それでもHDDのため動作が非常に遅くなります。開くだけで5分掛かり、ちょっとパーツを動かすだけでも虹色くるくるが出て作業が2分ほど中断されるほどです。

途中からは、SSDでメモリ8GB積んでいるMac Book Air2013で作業していました。
それでも、ファンが何度か回るほど負担がかかっていました。

修正の嵐

PC版はまだそれほど修正はなかったのですが、ひどかったのはスマフォ版です。
一度の提出で、5箇所以上の修正が来ます。しかも、「ここは縦ではなく横にしてほしい」「この部分をこっちへ」などという、簡単には修正できない変更指示が来るのです。

デザインというのは、1pxの余白さえ考え抜いた上で成り立っているため、ジェンガのように崩れないように変更するだけで時間がかかります。
これには精神的に参りました。

デザインを提出したあとは、チャットワークを見るのが非常に恐ろしかったです。

くらげの失敗ポイント

  • 修正回数の制限をしなかった
    そもそも、最初にきちんと要件定義をしっかり詰めた上でワイヤーフレームを元にデザインを行えば、修正は頻繁に発生しません。
    とは言え、クライアントはデザインが上がってみて初めて「やっぱりここはこうしたい」という欲が出てきてしまうもの。多少なら対応はしますが、何度も付き合ってしまうとキリがありません。
    そのためにも、ある程度修正に関しては制限しておいたほうが制作側としては消耗しないのです。ここも、最初のうちに決めておくべき点です。
  • ページの長さ制限をしなかった
    7,000pxを超えてしまうと、もはや同じページというよりは数ページがくっついていると考えたほうがいいです。
    下層ページに関しては、ページ数で料金を計算していたため損しています。
    ページの長さに関しても7,000px以上は別ページと換算とするべきだと思いました。

やっとトップページのデザインに

ココらへんまで来ると、ほぼ先方の考えているサイトの方向性は見えてきます。

まずは、ワイヤーフレームをこちらで作成。ツールは、Adobe XDです。
デザインは、下層で使用したデザイン要素を残しつつ、競合サイトとの差別化を図るためにちょっと攻めたデザインをしてみました。

このトップページに関しては、それほど修正もなく終了。
ここでそろそろ終わりも見えてきた頃だと思ったら、実はまだ終わりは見えていなかったのでした。

今度は別のトップページ作成

ここまできて、ようやくサイトの全体像が見えてきました。

前回作ったのは、総合トップページです。
そして、次に作るのはこのサイトの3つの企画に関するトップページです。

おそらく、先方も最初から考えていたわけではなく、サイトリニューアルをしながら途中から考えたような気配を感じます。
とは言え、ある程度作成するページは確認しないと、作っていて訳がわからなくなってきます。

くらげの失敗ポイント

  • 作成するページが何ページあるか確認をしなかった

3つのトップページの下層ページ作成

このあたりから、また双方の考えているイメージが食い違い始めます。
先方の出してきた案がコーダーさんにとって負担の掛かりそうなJavaScriptを組む仕様だったので、さりげなく回避したデザインにしたのですが、「これではこっちが考えていたイメージと違う」となり、何度もデザイン修正が発生しました。

くらげの失敗ポイント

  • 仕様の提案にコーダーを巻き込めなかった
    先方がJacaScriptを組む提案をしてきた際に、コーダーを巻き込んで説得できれば面倒にならなかったなと思いました。

12月にサイト公開

デザイン自体は、11月には終了。あとは、コーディングと一部システムの組み込みが終われば新サイトが公開となります。
先方からは、12月頭になって「アコーディオンメニューの中身って作りましたっけ?」という、何を今さらな連絡と、「もうじき公開」という連絡は来ました。

しかし、その後連絡はいっさいなく、気になってサイトを見たらいつの間にか公開となっていて、音沙汰がないまま案件は終了しました。

せめて社交辞令でもいいから、最後に何か一言あってもいいのにと思ったのが正直な気持ちです。
初めての案件としてがんばってきただけに、切ない幕切れです。

初めての案件を終えてみての感想

今回、しっかり打ち合わせをしなかったこと、途中で進め方に疑問を持ったけど先方に伝えられなかったのは、なんとしても収入を得るためにこの仕事を落としたくなかったという状況に陥っていたからでした。
そこまで追い詰められていたので、冷静に判断できない状態でした。

また、一番の問題点は先方のディレクターがWeb制作ほぼ未経験だったということです。
おかげで、ディレクターがやるべき仕事のほとんどをこっちに丸投げされるという事態になり、結果的にほぼ赤字状態です。時給に換算したら悲惨なものです。

また、コーダーとシステムエンジニアも同じくクラウドソーシングで探したフリーランサーだったため、うまく意思疎通ができませんでした。
できることなら制作一式請け負ってしまい、自分で捌けない分を外注したほうがやりやすいです。

まとめ

フリーランスとしてやっていく上で、自分の身を守るのは自分しかいません。
デザイナーはデザイン技術だけではなく、案件を管理するディレクション技術や管理能力、交渉術も必要になってきます。

また、クラウドソーシングを使っていくには、案件を獲得しても安心してはいけません。
まずは冷静に判断して、クライアントを見抜くということも大事なスキルです。

今回は、支払いに関しては問題ありませんでしたが、中には悪質なクライアントも潜んでいます。
実際、この案件の前にモラルに問題のあるクライアントに遭遇しています。

今回クラウドソーシングで仕事をして失敗したことを踏まえて、今後のために注意すべき点をまとめてみました。

  • 案件に入る前にしっかりと細かいところまでしっかり詰めておく
  • できることなら、ディレクションからコーディング、システムまで一式を請け負う
  • 自分の身を守るために契約書を作成する
  • ちょっとでもおかしい、無理だと思ったら思い切って辞退する
  • 疑問に思ったことは、必ず確認する
  • さりげなく指導権を取る



Massage
  1. みかんうさぎ より:

    こんにちは。
    状況は違うけど、舞台や小屋付きの仕事にも
    通じる話だなぁと読んでいて感じました。
    お客様の話をちゃんと聞いて、打ち合わせをきっちりやって、
    台本しっかりもらって、自分ができることとできないこと言って、
    お金の問題も最初の段階で交渉して、追加料金もちゃんと話し合う。
    自分に自信がないと、どうしても物を言えないんだよねぇ。
    経験値や場数を積むしかないんだよね。頑張れ!

    1. そらいろくらげ より:

      いらっしゃいませー。

      どんな仕事にも通じますね。
      自信がないと言えなくなるので、まずは経験ですよね。
      がんばります!

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