そらいろくらげが浮き輪で海に浮いているイラスト

大学本館の教室で静かに起こるホラー話

今日の舞台
(劇)ヤリナゲ 『モニカの話』@横浜STスポット

ヤリナゲは、今回初めて観劇する劇団です。

会場のSTスポットは、ビルの地下にあるシンプルな小劇場です。
内容はホラーということなので、あのシンプルな劇場でどうなるのか楽しみです。

あらすじ

「K大学の演劇サークル。大学本館で稽古をしている。
この施設の地下には戦時中の実験施設が残っているらしい。
モニカという女性が人体実験を受けたという。
夜になると地下からモニカの声が聞こえる。」

(劇)ヤリナゲ 次回公演より引用

感想

舞台装置は、学校などによくある小さなテーブルが付いたパイプ椅子が8脚あるのみ。
他には幕も一切ありません。壁は、劇場の造りそのままの白い壁で、奥には出はけで使う入り口が上手と下手に2つ。床も、劇場そのままのパンチカーペットです。

シンプルなハーモニカのBGMとともに客電が落ちて、辺りは真っ暗闇となりました。
やがて、一人の登場人物とともに教室の電気が点きます。

照明やっているにも関わらず、あえて”電気”と言ったのは、スポットライトではなく天井に、2台の蛍光灯が吊られているからです。
舞台上の蛍光灯と客席上部にある前明かりのみで、終演まで進行していきます。

最初に登場したのは、演劇集団モニカの旗揚げから参加しているOGのカツキ。早く来て、着替えてから稽古前にご飯食べるところあたりは、劇団などでもよく見る光景だなと思います。
その後、就活中のハラダ、客演のツチ、クボ、アイカワ、ツチなど個性的なメンバーが登場します。

演出のヤナギはバイトが長引いたため遅れて来るとの連絡があり、それぞれアップしたりしながら演出の到着を待ちます。
しばらくして、遅れてヤナギが登場し、『ワーニャ伯父さん』の稽古が始まります。

ここまでは、よくある劇団といった感じの光景です。
やがて、静かに少しづつ劇団内の人間関係が見えてきます。

ヤナギとカツキとハラダのモニカ劇団員たち、カツキとクボ、アイカワとツチなどそれぞれ複雑に絡み合ってきます。
見ていて、リアルに起きているんじゃないかと思うくらい作り込まれていて、本番2週間前なのにモニカはどうなってしまうんだろうとハラハラしてしまうほどです。

ところで、この大学本館にはある噂があります。
大学本館の中央階段の地下では、戦時中に人体実験が行われていたらしい。それからというもの、中央階段の下には白い服を来た女性が現れ、近づくとふっと血の付いた手で頬を撫でられてどこかへ連れ去られるというもの。

やがて、”噂”と似たようなことが次々と起こり、一人また一人と劇団員が消えていくのです。
赤い手とともに一人消え、突如電気が消えたと思ったら、明るくなってみるとまた一人消えている。
決して、それっぽいようなBGMやSEは流れません。ただ静かに、起きているのです。

校舎内で何が起きているのか理解できずに恐怖する当事者の劇団員たちを見ているはずなのに、逆にそれがさらに怖さが増して感じられます。
おかげで、一箇所思い切り「ビクっ」っとしてしまうところがあって恥ずかしくなりました。無音の中なのでよけいに目立つのです。

最期までハラハラドキドキする展開が続き、どうなってしまうんだろうと手に汗を握って食い入るように見ていました。

しかし、結局オチはどう解釈していいのかわかりませんでした。一見すると、「な〜んだ、そうだったんだ」という安易なオチにも見えます。
大風呂敷を広げておきながら、最後の最後で安易なオチにする安っぽい作品みたいな方法を、非常に細かな人間関係を描く演出家がするとも思えません。

ただ、あとから考えてみると、カツキが一人残って椅子を戻している表情や姿に、今回のこの一連の心境が現れているのかなと感じました。

締めくくり

非常に細かいところまで作り込まれた群像劇で、とても引き込まれました。
脚本・演出の越寛生氏の作品をまた見てみたいので、次回公演もぜひ観劇しようと思います。

でも、怖いのはもうイヤです。
観劇後、あまりにハラハラドキドキしすぎてぐったりし、電車に乗る前にファーストキッチンでしばらくポテト食べながら回復を待つくらい怖いのはキライです。

今度は怖くない作品だといいです。

劇団サイト:(劇)ヤリナゲ



Massage
  1. 匿名 より:

    4行目
    ヤリニゲになっておりまする。

    1. そらいろくらげ より:

      わー失礼いたしました!
      ご指摘ありがとうございます。

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