そらいろくらげが浮き輪で海に浮いているイラスト

梟雄と右筆と飛脚のお話【ボクラ団義vol.19 飛ば鳥】

今日の舞台
企画演劇集団ボクラ団義 『飛ばぬ鳥なら落ちもせぬ 〜梟雄と呼ばれた男 右筆と呼ばれた男』
@吉祥寺シアター

2014年4月4日(火)〜16日(日)

初めてくらげがボクラ団義を観るようになって3回目の公演となる今回は、時代劇です。
今まで2回とも現代劇のサスペンスだったので、なんだか全然想像がつかない分、楽しみです。

あらすじ

 時は16世紀後半、場所は日本。後世からは『戦国時代』と呼ばれた時代。その時代で覇者となったあの【織田信長】からも「悪人」呼ばわりをされた戦国武将がいた。【松永久秀】である。
 彼は戦乱の世で裏切りに裏切りを重ね、あの織田信長をも、二度裏切った。自分の目的の為ならば手段を選ばないその姿勢は「悪鳥」と呼ばれる鳥、【梟(フクロウ)】から、後年「乱世の梟雄(きょうゆう)」と呼ばれた。

 しかし西暦1577年(天正五年)、彼がかつての主・織田信長の軍勢により城を囲まれ、その生涯を終えようとしている時、その松永久秀の行動に異を唱える男がいた。その男とは、ある時期より松永の書いた【手紙】を運び続けた一人の「飛脚」だった。そしてそこには、松永久秀の手紙を横で書き続けた一人の「右筆」と、松永を説得する為に城を訪れた何人かの人間がいた。
 その場に更に現れた、【時の運命を操る男】……。

 ボクラ団義が送る!三年ぶり、三作目の新作時代劇!!

 乱世の梟雄と呼ばれた【松永久秀】その「梟」が空に散る日、彼に関わる者たちは何を見たのか、何を思ったのか。
そこにあったのは、久秀の言葉を綴り続けた右筆と、その手紙を運び続けた男の物語だった。

 時の流れを超え今も残る「戦国の手紙」が、正に時を超えて今巻き起こす!

ボクラ団義が送る、10年目公演第一弾!
「聞いたままを書くのがそなたの仕事 そのまま書くか決めるのもそなたの仕事」

戦国の世と時の流れを、飛脚のごとく駆け巡る!ボクラ団義流、戦国スペクタクル舞台劇!!
(劇団公式サイト・作品紹介ページより抜粋)

感想

セットは2階建てで全体に黒く塗られており、金色で雲のような装飾が施されています。2階部分は奥に襖があり、1階正面にもまた襖が一対。上手と下手にはそれぞれ階段があります。
この階段が自由自在に舞台上を動いているのですが、手動なので若干見ていてはらはらします。

物語の舞台は、西暦1570年金ケ崎の戦い、1577年信貴山城(しぎさんじょう)の戦い、2017年ゲーム会社HOMAREI、1557年三好長慶の天下の4つの時代をまたがります。
鍵となる人物は、三好長慶の右筆である松永久秀と、松永に仕える右筆の楠木正虎。そして忍びの出身で松永久秀に仕える飛脚、二曲輪猪助、小香花、十四坊。そして謎の茶釜を持つ謎の男。

1570年、松永久秀に仕える飛脚、二曲輪猪助、小香花、十四坊は、松永久秀の右筆、楠木正虎の命で織田信長の窮地を救う文を懐に入れて織田信長の元へ向かいます。
それから7年後。窮地を救ったはずの松永久秀は、二度の裏切りを重ねた結果、織田信長軍勢に囲まれて城が落ちようとしています。

今にも落ちようとする城の中では、楠木正虎に対して運んだ文の中身について問い質します。
そこへ、城を取り囲む織田信長軍勢の1人である筒井順慶の家臣、島左近が松永久秀の説得のために案内役の忍び、望月兵右衛門、杉谷彩芽とともに正虎のもとへやってきます。

そして楠木正虎は、飛脚3人衆と島左近、案内役の忍びたちに、主の松永久秀に右筆として仕えることになった経緯を語るところから、物語が始まります。

と、そこへ急遽現れたのが謎の幻術士、果心居士と修林尼。ふと気づけば周りの時間が止まり、やがて時が復活すると飛脚3人衆はその場にいなかったことになっており、島左近たちへ語る楠木正虎の話を聞く傍ら、幻術士の手によって正虎と久秀が出会った20年前、1557年へと飛ばされるのです。

ここで、オープニングアクトが始まります。
毎回観ていて思うのが、ボクラ団義は一貫して映像的な作品の作りだなと思うのです。

ギターがかき鳴らすメロディがかっこいいテーマ曲とともに、登場人物が全員登場。合間に舞台上で縦横無尽に繰り広げられる殺陣と、派手に動くムービングライトとLED PAR。
そして、スクリーンとして白い幕に登場人物紹介とストーリーの概要が映し出されます。

場面は現代へ飛びます。
ここで登場するのが、ゲーム会社HOMAREIの企画開発部部長の水前寺、プロデューサーの細川、ライターの太田の3人。悪名高き松永久秀の扱いがゲーム内ではあまりにひどいため、太田が細川に対して抗議し、歴史が好きなったきっかけとなる、自分の祖母の家の蔵で見つかったという古い手紙と鉄の欠片を細川と水前寺に見せます。

すると、現代にも謎の幻術士、果心居士が登場。「手紙」「松永久秀」というキーワードで繋がった3人は、果心居士の幻術によって松永久秀の生きていた1557年に飛ばされるのです。

1557年は、三好長慶が天下だった頃の時代です。
ここで、健全だった頃の三好長慶と正室・時、その娘で久秀の正室・勝、三好4兄弟のうちの次男・実休、三男・安宅冬康、四男で脳筋と呼ばれている十河一存も登場し、三好家全盛期から衰退するまでの流れを、HOMAREI社員たちは、当時の人物として存在しながら当時を経験していきます。
また、同じくこの時代に飛ばされた飛脚たちも、20年前の松永久秀に飛脚として仕え、本当の松永久秀の姿について、20年後に松永久秀から預かった最後の文の意味について知っていくこととなります。

当時から悪鳥として知られている梟の名を取って、「梟雄」と呼ばれていた松永久秀。しかし実は織田信長の前時代に天下を取った三好長慶の忠実な家臣として、再度長慶に天下を取らせるために動く実直な人物でした。
しかし、長慶は細川晴元に家臣だった父を殺されたうえに領地さえ奪われたため、復讐と領地奪回のためだけに生きていた人物でした。細川晴元と将軍を京都から追い出して天下統一を成し遂げたあものの、弟の十河一存、三好実休の死により覇気を失い、城へ引きこもってしまいます。

あの手この手でどうにかもう一度三好の天下を取ろうと画策する久秀。しかし1567年、長慶は三好家の拡大を憂い、弟・安宅冬康に自害を命じ、嫡男・義興を忍びに殺しを命じます。
そして、自身も服薬自殺を図り、三好家は衰退への道を進むのです。

主である長慶を失った久秀は、三好家当主となった十河一存の息子・三好義継とともに三好家を離反。織田信長に仕えますが、二度の謀反を起こします。
そして、1577年・信貴山城の戦いへとなるのです。

このときにキーワードとなるのが、「古典妙平蜘蛛」という大和国・興福寺に古くからあった茶釜です。
この茶釜には過去を取り戻す力があると噂となっており、松永久秀に憧れていた興福寺の若い行者、風太が献上しようとしたところ、それを聞きつけた松永久秀の使者が訪れ、松永久秀の手へと渡りました。
古典妙平蜘蛛に対する噂は、信長のもとにまで届きます。城を包囲した際、信長からの平蜘蛛を差し出せという使者からの伝えを断り、「城は落ちぬ」という言葉を残し、正室・勝とともに平蜘蛛に爆薬を詰め込んで自爆するのです。

タイトルにある、「飛ばぬ鳥なら落ちもせぬ」というのは、自身を梟ではなく「飛ばぬ鳥」である「ニワトリ」に例えていたため、「落ちもしない」という意味です。

2時間40分という大長編ですが、内容盛りだくさんでスピード感があります。
歴史モノである上に、時代が行き来していて1回だとわからない部分もあったので、10日と14日の2回観ています。2回とも違った視点で楽しむことができました。

また、ボクラ団義の時代劇を観てみたいです。

冒頭12分ほどはこちらの映像で観ることができます。

ボクラ団義公式サイト


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