そらいろくらげが浮き輪で海に浮いているイラスト

反響板設置に関する諸問題を取り上げる

先日、初めての反響板設置のための袖幕たくし上げ作業を行いました。

たくし上げ作業とは、その名の通り袖幕をたくし上げる作業です。
垂らした状態のままだと、一番上に飛ばしても側面反射板を設置するときに袖幕と干渉してしまうため、袖幕を半分くらいの高さになるまでたくし上げる必要があるのです。

前回のお話:反響板を設置するための袖幕たくし上げをする

どこでも行われている設置のための事前作業

この反響板設置のための事前作業は、ほぼ全国の小規模から中規模のホールでも必ずと言っていいほど行われています。
QUADRA MIX SOUNDのブログ|反響板 袖幕

機材リストに明記されているホールもあります。

ロームシアター京都 サウスホール

朝倉市総合市民センター大ホール

また、たくし上げでも対処できず、毎回取り外しているところもあります。

中には、通常なら照明機材を常設できるはずの第1サスペンションライトに、反響板と干渉するため照明機材を吊っておくことができないホールなどもあります。

芸術劇場などの舞台の奥行きも舞台袖もフライタワーもたっぷりと広さを取っている劇場ならまだしも、文化会館や市民ホールなどの狭い舞台上に無理やり反響板が詰め込まれているホールだと、どうしたって問題は生じてしまいます。

そういった反響板を設置する上で浮上する問題をどう対処するかは、ホールや劇場を管理しているスタッフたちのスキルによって賄われているのが現状です。
また、反響板を設置するための作業時間もまったく考慮されていません。
反響板設置のための事前作業も含めると、反響板の方式に関わらず設置完了までに30分以上は掛かります。

本当にこのままでいいの?

今まで、「そういうものなのだ」という認識でいました。それが当たり前だと。

でも、よーく考えてみてください。いろいろな利用者に利用してもらうため多目的に対応できる舞台機構にした結果、本来の舞台の使い方に支障が出るようでは、本末転倒じゃないかと思うのです。
このまま、反響板を設置する上で浮上する問題の対処を、ホールや劇場を管理しているスタッフたちのスキルだけに任せておいてよいものなのでしょうか。

舞台設備施工管理メーカーとして代表的な森平舞台機構株式会社三精輸送機カヤバ システムマシナリー株式会社も音響反射板の仕様などの記載はありますが、音響反射板収納時もしくは使用時のデメリットについては記載されていません。
メーカーとしても、現場で発生する問題についてもっとホール・劇場運営者や建築デザイナーに対して提言してほしいところですが、恐らくメーカー側でも把握できていないのが現状なのでしょう。

実際に、和歌山県では、こういった問題が起きています。
毎日新聞 |新和歌山市民会館 建設計画 小ホール設計に異論 演劇・演舞団体「反響板、利用に支障」 /和歌山

本当は全国規模でホールや劇場の反響板設置に関する諸問題を調査したいところですが、ただでさえいろいろなしがらみの多い舞台業界のこと。ただのちっちゃくて奇妙な青いくらげではどうしようもできません。

せめて、こうして記事に書いて「反響板のためにこういうことが起きているんだよ」ということが知れ渡ってくれたらいいなという思いで書いてみました。

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  1. ゆうき より:

    反響板組むのは面倒くさいですよねー。
    15分程度で組めるタイプから30分近くかかるものまで多様にあると思います。
    ここで現場スタッフの負担も問題なのですが、お客様視点として大きな問題なのが「反響板を組む時間を主催者の借りてる時間に行っても良いのか」という点があると思います。

    都内のどこぞのホールに行ったら、午前9時からホール借りてるのに「反響板組んでる40分間は舞台立ち入り禁止。客席も」なんて小屋付きさんに言われました。

    午前区分は3時間しかないのに内40分を客席含めて立ち入り禁止とか・・・!!

    反響板問題は技術的だけではなく、ホールの運営的にもスキルが必要だなと思いました。

    1. そらいろくらげ より:

      いらっしゃいませー。

      反響板を組む時間と借りている時間も大きな問題です。

      ホールの運営スキルはあって当たり前だと思っていたのですが、都内でもそんなホールがあるんですね。
      9時から借りているのであれば、せめて前日のうちに組んでおく、無理なら客席は監視を置いた上で使わせるなど対処ができるはずですけどね。

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