そらいろくらげが浮き輪で海に浮いているイラスト

クラシックコンサートに行ってみよう

くらげは時々、室内楽向けクラシックホールで照明の仕事をしています。

小学生の頃から10年近くピアノを習っていたことはありますが、クラシックホールで仕事をするまでクラシック音楽はほとんど聴いたことがありませんでした。
でも、仕事で何度もクラシック音楽に触れているうちに、とても身近な音楽のように感じるようになりました。

今やCDやi TunesだけでなくYou tubeなどの動画でも簡単にクラシック音楽を聴くことができる時代ではありますが、やっぱり生で客席で聴いてみるのが一番です。
特に、音楽ホールのようにホール全体が反響板になっていて、残響などの音響設計がなされているホールで聴いてみると、音に包み込まれるような心地よい感覚を味わうことができます。
もちろん、くらげもリハーサルのときは必ず客席で聴くようにしています。

ところが、初めて行く人にとってはどうしても敷居が高いと感じてしまうのがクラシックコンサートです。
かく言うくらげも、初めて客としてクラシックコンサートを聴きに行ったときはやっぱり緊張しました。
その時のお話:シューボックス型コンサートホールで聴くチェロリサイタル

行ってみたいと思っても、最初は何をどうしていいのかさっぱりわからないですよね。そこで、クラシックコンサートを鑑賞するときのお作法などをくらげの視点でお伝えいたします。

こんなことに注意

基本的なマナーは、映画やお芝居、コンサートと変わりません。ただ、音響特性のあるクラシックホールだからこその注意点がいくつかあります。

  1. 服装は気負いすぎず適度にキレイめ
  2. まず、クラシックコンサートに行くにあたって悩むのが服装です。くらげが仕事しているホールでも、おしゃれに決めた紳士淑女のお客様が来られますが、ラフすぎず適度にキレイめであれば大丈夫です。
    あまりかっちりした慣れない服を着てきても、かえって窮屈になって演奏中にもぞもぞしてしまったら、おしゃれが台無しになるだけでなく周りにも迷惑がかかってしまいます。慣れている服を着たほうが、リラックスして鑑賞できます。

  3. 開演までは余裕を持って会場へ
  4. クラシックホールは非常に響きがいいため、ちょっとした物音を立てただけでも全体に響いてしまいます。
    開演5分前の1ベルが鳴ったあと、ざわざわとしていた客席はしんと静まり返り、お客さんはみな開演を待ちわびています。開演時間ギリギリに到着し、荷物を置いたりプログラムを開いたりなどというガサガサした音を立てると、すごく目立って恥ずかしい状態になります。

    また、最初から5分押し開演を設定している公演もありますが、開演時間を過ぎてからの入場は大変慌ただしい状態になります。
    会場では主催者側で遅れ客対応をあらかじめ設定しています。一番多い対応として、最初の演奏が終わって演奏者や指揮者が舞台袖に退場した際に、レセプショニスト(会場案内係)の案内の元で自席に着くことになります。

    ただし、自席の場所や状況によっては客席一番後方に設置している遅れ客対応席に着席し休憩時に自席へ移動、もしくは曲の構成によっては、一部終了まで演奏者の入退場がないため、休憩時間までロビーで待機ということもあります。

    交通機関の遅れや仕事などやむを得ない状況では仕方ありませんが、できる限り余裕を持って会場に到着し、心に余裕を持った状態で鑑賞しましょう。

  5. 大きな荷物はクロークに預ける
  6. クラシックコンサートでは、ロビーに荷物を預けるためのクロークを設置しているところがあります。足元に置いて邪魔になる荷物は、預けてしまったほうがスッキリして鑑賞できます。
    また、コートなども預けてしまった方が邪魔になりません。

  7. 咳やくしゃみはタオルで覆う
  8. 何度も述べているとおり、クラシックホールは非常に響きやすいホールです。ちょっとした咳や咳払いでも全体に響いてしまいます。ですので、もし演奏中の咳が心配なようであればタオルを用意しておいて口をタオルで覆ってしましょう。
    実際、冬のリサイタルではあっちこっちでゲホンゴホンという咳や咳払いが聞こえてきます。また、この間観に行った芝居でも隣の観客がずっと野太い声でゴホンゴホン言っていて非常に気になりました。咳が出るのは仕方ないので、せめて気を使ってください。

  9. 傘や杖は座席の下に寝かせる
  10. 立てかけていた傘や杖が本番中に倒れると、非常に響きます。観客だけでなく演奏者もたいそう驚くことと思います。念のため、傘や杖は座席の下に寝かせておきましょう。

  11. 開演前に補聴器の装着を確認
  12. 以前、本番中に謎のキーンというハウリング音がしたことがありました。本番中にスタッフやレセプショニストで原因を探った結果、謎の音は補聴器のハウリングでした。
    補聴器と耳の間に隙間があると、補聴器で増幅された音が補聴器のマイクが拾いハウリングを起こすためです。このとき、補聴器の音量を上げていればいるほどハウリング音が発生します。
    もし、補聴器をお使いの方がクラシックコンサートに行かれる際は、開演前に正しく装着されているかをご確認ください。

  13. 携帯電話の電源は切る!!
  14. 当たり前のことではありますが、必ずスマートフォン、携帯電話の電源は切りましょう。クラシックホールでは、携帯電話抑制装置という携帯電話とスマートフォンに対して妨害電波を発生させて圏外にする装置を導入しているところが多くあります。
    しかし、この装置を入れていても万全ではないのが現状です。ふとしたスキに電波を受信してしまうことがあるのです。また、アラームなどを設定していた場合、演奏中に鳴り響いてしまうことがあります。たとえバイブレーション設定していたとしても、振動は十分周囲に伝わります。面倒でも必ず切りましょう。

  15. わからないことや何かあったらレセプショニストへ
  16. 客席の案内には、レセプショニストという会場案内のプロフェッショナルがいます。トイレの場所、わからないことはレセプショニストに声をかければ対応してくれます。
    レセプショニストの方々は非常に優しいお姉様方なので、ご安心ください。

クラシックコンサートの楽しみ方

  1. プログラムノートを読む
  2. プログラムには、曲名と作者名だけでなく、音楽ライターによる曲の解説が載っています。
    開場中に読んでおいて解説を思い返しながら聴くのもよし、あえて見ないでおいて、休憩中や終演後に読むのもよし。解説を見るのと見ないのでは曲に対する理解力が全然違います。

  3. 開場中、休憩中にバーカウンターで一杯
  4. 開場中と休憩中には、ロビーのバーカウンターでドリンクを販売しています。
    ワインなどのアルコールも販売していますので、早めに来て開場中に飲んだり、休憩中に1部の演奏を思い返しながらワインを飲んで浸るのもいいですね。ただし、飲みすぎると開演中にトイレに行きたくなる危険性がありますので、ほどほどに。

  5. 拍手は演奏後、周りが拍手したら
  6. クラシックコンサートで悩みがちなのが、拍手のタイミングです。演奏後は演奏が終わってワンテンポ置いてから。楽章間は拍手はしません。
    ほとんどの場合、先陣を切って拍手する方がいらっしゃいますので、合わせて拍手すれば問題ありません。

    また、演奏者は曲間で水分補給や一呼吸置くために一度舞台袖へと退場します。登場時と退場時は惜しみない拍手を送りましょう。

  7. 気に入ったアーティストのCDを買ってサインを貰う
  8. コンサートによっては、開場中や休憩中にCDを販売しており、演奏終了後にCD購入の方限定でサインを頂けることがあります。
    演奏がよかった、印象に残ったというときに買ってみて、さらにサインまでいただいたらいい思い出になること間違いなしです。

    ただし、一つだけ注意点があります。サイン会がホールロビーの外で行われることがあります。
    ときには長蛇の列になり、しばらく待つことになります。その間に、ホールからお客様が全員出られたらホールロビーを施錠してしまうため、クロークに預けた荷物は必ず受け取ってから並んでください。

  9. 掛け声
  10. 素晴らしい演奏だったとき、客席から「ブラヴォー!」と演奏者に対して声が掛かる時があります。でも、この掛け声は誰に対しても掛けていいのではありません。「ブラヴォー!」は男性に対しての掛け声で、女性に対しては「ブラヴァー!」、アンサンブルなどの複数の場合は「ブラヴィー!」です。
    ただ、掛け声というのはけっこうハードルが高いので、惜しみない拍手を送るだけで充分伝わります。

    手始めにどんなコンサートがいいのか

    じゃあ、実際にどんなコンサートに行ってみたらいいのか、ここでも悩むところです。
    一番いいのは、まず著名な方の演奏を聴きに行ってみるのが一番です。

    例えば、著名なピアニストだと辻井伸行氏。盲目のピアニストとして名前を知っている方も多いかと思います。それから、仲道郁代氏。枠にとらわれずいろいろな活動をされています。フジコ・ヘミング氏。以前、ドラマで取り上げられたこともあり、一躍有名になりました。上原彩子氏。日本人で初めてチャイコフスキー国際コンクールピアノ部門において優勝しています。圧倒的な演奏力です。

    あとは、比較的初心者向けにプログラムが組まれているリサイタルやコンサートを探してみるのもいいかもしれません。
    NTV『世界一有名な授業』でおなじみの青島広志氏のコンサートは、初心者でもハードルが低いです。

    締めくくり

    以上、ざっとくらげ的クラシックコンサートのお作法について書いてみました。
    この記事を読んで、少しでもクラシックコンサートに行ってみたい!と思ってくれる方がいたら、青い奇妙なクラゲが飛び上がって喜びます。

    まずは、何事も体験です。
    それでは、どうぞリラックスして名曲の数々を心ゆくまでお楽しみください。

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