そらいろくらげが浮き輪で海に浮いているイラスト

ピアノの繊細さと、調律師の技術を知る

さいたま芸術劇場で開催の、舞台技術フォーラムへ参加してきました。

今回のテーマは、『舞台で活躍するピアノの魅力を探る』~ピアニストの熱い思いを繊細に奏でるピアノを提供するために~
パネラーにピアニスト 仲道郁代氏、調律師 外山洋司氏、国立音楽大学准教授 森太郎氏を迎え、それぞれの立場からピアノのお話を伺います。

講義の内容

第一部は、ピアノの原理について。

楽器音響学、音楽音響学の研究をされている、森太郎先生が講師です。
内容は、ピアノに限らず音の数学的な説明もあり、ここでまさかのピタゴラスの名が出てきました。ピタゴラスによって発案された、ピタゴラス音律という音階があるのだそうです。
そして、音を科学的に見ることもしました。

ピアノの一つの音を鳴らし、パソコンのソフトで解析すると、実に様々な周波数の音が一音に含まれていることがわかります。
雑音が一切混じっていない純粋な一音を、”純音”と言います。ピアノの一つの音には、純音がいくつも混じり合って成り立っているのです。

さらに、温度や湿度、位置などのさまざまな条件や環境によって音は変化するため、現在聞いた音は、今しか聞くことができないのです。

第二部は、ピアノをピアニストと一心同体にする調律師のマジック
ここでは、スタインウェイを取り扱っている松尾楽器商会の外山氏が、仲道郁代氏と一緒に、調律師の仕事について説明をします。

調律師の作業

調律師は、大きくわけて三つの作業をします。

”調律” 音階をつくる。

ここで、先ほどのピタゴラス律と平均律というものが出てきたのですが、何となくしか分かりませんでした。
じっさいに音を聴き比べてみると、調律というのは、弾いたときの倍音の「うわんうわん」という音を消していく作業なのです。

”整調” タッチを整える。

鍵盤アクションの調整箇所を加減し、弾き心地を整えていく作業です。
鍵盤の深さは約1センチ、ハンマーは約5センチの動きになります。実際に仲道さんが弾いてみて、この鍵盤の深さをほんの少し浅くしてみると、違った音色に変化しました。何だか弱いような感じです。

仲道さんも、弾いていて情感が籠らないと嘆いていました。

”整音” 音色を整える。

整音作業を行わないで演奏を続けると、フェルト部分が硬くなり、音色も金属的な音になります。柔らかすぎても、音色の変化が得られません。なので、青い矢印のように針を刺して弾力を持たせます。このハンマー部分の固さを加減し、音色を揃える作業を整音と言います。
ハンマー

ピアノの内部構造

ピアノ内部

ピアノを置く位置

ピアノは、置く位置によって、音が全然違います。実際に動かしてみると、向きや角度、前後左右に位置を変えただけで響きや音色が変わってくるのです。また、床の芯があるところとないところでも変わります。
ピアノを置く位置

キャスターの向き

キャスターの向き

締めくくり

このフォーラムを通して、調律という作業について、いまいち何をどうしているのか分かっていなかったのですが、これでようやく作業内容が理解できました。

そして、ピアノという大きいけど繊細な楽器の奥深さを知ることができました。ハンマー一つとっても、あれだけ精密な造りをしていれば、フルコン一台で何千万もするの理由がよ〜くわかります。
でもって、一年ほどいた音楽ホールで教わったことをいろいろ思い出しました。

もっとピアノというものについて、小屋付きは当然のことながら利用者や建物管理者についても、知るべきだと思います。

Massage
  1. ゆうき より:

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    ふむふむ、なるほど。
    これは参加しておきたかったですねぇ。
    舞台・音響・照明に関してはみんな一生懸命やるのに、ピアノに関してはおろそかな人が多い気がするので、こういう講座に参加してみたかったです。
    ピアノのキャスター。僕も45度にしていました。

  2. そらいろくらげ より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ゆうきさん
    いらっしゃいませー。
    そうですね、ピアノについて、あまりに無知な方が多すぎます。扱う以上は、もっとピアノについて知るべきですよ。
    さすがゆうきさん。ちゃんとキャスターは45度にしていたんですね。
    さいたま芸術劇場の技術フォーラムは、毎年開催されているそうなので、来年はぜひ参加してみてください。

  3. みかんうさぎ より:

    SECRET: 0
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    こんにちは。
    うちも足は45度ですね。
    客席に対してピアノを置く角度や
    かまちからの距離は
    主催者によっていろいろですが。
    音が飛ぶ方向ってのは気にしていませんでしたが、
    その方向の部分にスタンドの花を置く主催者
    多くないですか?せっかく調律してステージの
    置き場所にこだわっても、お花のスタンドで
    音を遮ってしまっているのかと気になります。
    ところであんまり私は音の違いがわからないので、
    主催者に響きの違いをアレコレ聞かれても
    ぶっちゃけ困ることが多々…orz。
    ピアノの先生、あなたの方がよくわかるだろうに(苦笑)。
    自分は音響に向かないと内心思ってます。
    たまにイコライザーの上げ下げの手伝いしてても
    音響さん何をこだわってるのかわかんないし(爆)。
    音や響きの世界って繊細ですよね、ホント。

  4. そらいろくらげ より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    みかんうさぎさん
    いらっしゃいませー。
    音楽ホールでは、置き位置もデフォルトの位置があって、たいがい演奏者もその位置にしていました。
    ですが、それ以外のホールではキャスターの位置など、けっこう気にしないでそのままにしている小屋付きが多くいました。どの位置が一番音がよく響くとかも。それくらい、音響なら把握しておけよって思うんですけどね。
    ピアノの先生、意外と分かっていらっしゃらない方が多いんですよね。音楽ホールでは、調律を必ず入れてもらっていましたが、まず打ち合わせ時に「調律って何ですか?」と聞いてきた方がいたりとか。
    こちらが困るような態度を取られるとか。
    音の飛ぶ方向、上手に飛ぶみたいですけど、あまりわからないです。お花の位置はどうしても上手ですよね。音のことよりも、写真写りを気にされることが多いので仕方ないのかなと思います。
    音って、本当に分からないですよね。チェックしているのを聞いていても、何がどう変わったのかさっぱり。
    くらげも、うっかりミスが多いので音響には向いていません。照明はごまかしが効くので、照明でよかったと思います。

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