ピンスポットの歴史をさくっと写真で振り返る

舞台後方から眩しい光線を照射し、特定の出演者を目立たせるために使用されるピンスポットライト。
一般照明の機材と比べると、変化は著しく緩やかですが、それでも少しづつ変化していっています。

くらげの画像倉庫には、新旧のピンスポットライトの画像が何枚か入っています。
せっかくなので、画像でピンスポット・ライトの歴史をさくっと見てみようと思います。

一部の画像については、元の大きさの画像データが残っておらず保存当時の大きさで載せているため、各画像の大きさはバラバラです。

高度な技術を要するアークピン

一昔前のピンスポットは、アークピンでした。
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こちらの機材は、国産照明機材メーカー主要4社のうちの一社、松村電機製作所の所沢工場内にある資料館で撮影したものです。

その名の通り、内部のプラスとマイナスの電極にアーク棒が刺さっていて、これを接触させると発火し、点灯します。
このアーク棒の接触を、後ろのハンドルで調整しながら炊くことで、長時間炊くことができるのです。”ピンを焚く”という言葉は、このアークピンから由来しています。

また、常に後ろのバーを持ってアーク棒を繰り出さないといけないため、灯体の後ろ側で操作する、いわゆる”後ろ焚き”のスタイルです。
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本番中は常に燃焼していてアーク棒はどんどん短くなっていきます。燃え方が激しいと明るく、少ないと暗くなるため、常に電極間の微調整が必要になります。本番中にアーク棒が燃え尽きそうになると、点灯している中で高温のアーク棒を取り出し、新品と交換することもあります。そういった、アークピンを経験された諸先輩方の話を聞いていると、まるで職人技のようです。

アークピンに代わり、クセノンピンスポットが登場

初期の頃は、まだダウザーと呼ばれる3枚の羽がまだ付いておらず、上下から光を消すカッターとカメラのレンズのように絞るように消すアイリスシャッターだけでした。
クセノンピンになると、後ろでアーク棒を繰り出す必要が無いため、灯体の前側に身体を付けて操作する、”前焚き”と呼ばれるスタイルに変化します。

しかし、灯体を見ると後ろに持ち手が付いていたりして、まだ後ろ焚き対応にもなっています。実際、アークピンに慣れた方がクセノンで操作すると、前焚きができなくて後ろ焚きになるのですが、それでもぴたっと照準なしで当たるのに驚いたことがあります。
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ちょうどこの頃のタイプを、高校演劇部のときに触っています。アイリスで消すなんて高度なことはできませんので、台本で遮っていました。

同時並行で、HMIピンも登場

その頃、HMIフォロースポットも登場していました。
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資料館のHMIフォロースポット。こちらも、高校の頃に触っていますが、真ん中にカラーチェンジャーが付いていて非常に重かったのを覚えています。

よく見るピンスポット

こちらが、巷に普及している現在のクセノンピンスポットです。
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ピンスポ

松村電機といえば、サンビーム

保守点検でバラバラにされている図。
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サンビーム、外部業者さんや外注のフリーさんが見るなり「あーこれかー」と言われることがよくありました。くらげは結構好きでしたけどね。

ただ、一般的に普及しているUSHIO製のXbexと比べると、ダウザーとアイリスのストロークが短いのがちょっと操作しづらく感じました。
あと、Xebexは使用後に冷却ファンを回して冷やした後に整流器を落とさないといけませんが、サンビームは冷却が終わると勝手に整流器の電源が落ちてくれるのが管理者としては助かっていました。

黒い新型も出た

こちらが、新型のピンスポットライトです。
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フルモデルチェンジされ、だいぶ従来型とは変わった点もありますが、操作しやすいかと言ったら変わりません。前側には右手で灯体を支えるためのプレートがありますが、こちらはオプションです。しかも、薄いので手に食い込んで痛いのです。しかも、多少灯体から離れるので感覚が掴めません。

操作バー部分は金属むき出しではなくなり、ベロア仕様になりました。おかげで手がやけどしません。しかし、ガムテで目印が貼れないのが難点です。

これからのピンスポットに期待すること

このときの記事にも書きましたが、もっと使いやすくしてください。
使いにくい灯体に無理やり身体を合わせているので、1日中操作していると肩と首がやられます。もっと身体に優しく操作ができて、もっとかんたんに照準合わせられたらどんなに楽だろうと思います。

いつか、ヒューマンデザインで考えられたピンスポットが登場してくれることを切に願っています。あ、あともっと価格下げてくれないと最近のホールも劇場もお金出してくれませんから。



1 Comment

シンバル

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小劇場で、お世話になった、MIP-10は、黒歴史ですか?

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