そらいろくらげが浮き輪で海に浮いているイラスト

暮らしの中の照明設備展示会

日経が主催するライティング・フェア2015に行ってきました。

このライティング・フェアは、「Jump to the next(次のあかりの世界へジャンプ)」をテーマに、国内外から集まった200社以上の企業の展示が行われます。
近年は、LEDの発展により住宅などの建築分野でもテクノロジーが日々進化しています。今まで、住宅や建築分野の照明設備に関して全く興味がありませんでしたが、違う視点で照明というものを捉えてみたいと思い、見学することにしました。

住空間とLED

くらげが到着した時、ちょうどライティング・ステージという舞台で講演が行われていました。この時間は、『住空間におけるLED照明の今後と、健康を考慮した照明計画について』というテーマで、ライツワークス代表の山中 敏裕氏という方の講演です。

ちらっと立ち聞きしただけなのですが、気になった点を挙げてみます。

  • 各照明器具にアドレスが振られてパソコンでカンタンに各照明器具の調光を変化させることができるようになるということ。
  • これは、舞台やテレビ・アミューズメント設備などではお馴染みの設備で、DMX512という通信プロトコルによって制御しています。このDMX512を使った制御が一般的な施設や一般家庭でも普及していくということです。
    配線に関しても、電気配線の必要がなくなり、信号ケーブルのみの配線になるため、電気工事士の仕事が減るとのこと。電気工事士にとっては、耳が痛い話です。いててて。

  • ただ明るくするだけだった家庭の照明設備のLED化によってやすらぎの空間に
  • LED化によって、照明器具の省スペース化がされました。今まで照明器具を設置できなかったカーテンレールボックスの上部や、ドア枠上部、ベッド下などへの設置も可能になります。直接部屋を照らすのではなく、壁や天井を照らす間接的な照明によって、やすらぎ空間を作ることができるのです。

  • ライトトーナス値
  • ライトトーナス値とは、色によって筋肉の緊張、弛緩を数値として表した世界基準の値です。筋肉が最も弛緩した状態が23です。いろいろな人種で試験した結果、日本人は白壁に電球色を当てた色が一番安らいだ値になったとのこと。また、パステルカラーはどの人種でも一番安らぐそうです。

    このライトトーナス値というものをここで初めて知ったのですが、色を扱う仕事をしている身としては、覚えておくと役立ちそうです。

    パイフォトニクス株式会社・ホロライト

    ホロライトとは、その名の通りホログラムを照射することのできる照明器具です。ホロライトの中にも、虹を出す『ホロライト・レインボウ』、視認性の高いラインを照射する『ホロライト・ライン』、ミラーボールのようなドットを照射する『ホロライト・マル』、同じく、カッタースポットの四角い照明を出す『ホロライト・カク』、ホリゾントライトのような形だけど、5色の色がまっすぐ照射される『ホロライト』、と様々なタイプがあります。

    こういったホログラムを照射する照明機材は、舞台でもありそうで見かけません。もしかしたらムービングライトあたりで再現はできそうですが。

    『ホロライト・カク』と『ホロライト・マル』はSource Fourやムービングライトで出せますが、ホロライト・レインボウや『ホロライト』、『ホロライト・ライン』は舞台でも使ってみたいです。
    『ホロライト・ライン』に関しては、工場などでの通行路におけるガイド照明、危険地帯における境界照明などの安全補助用途として使用されているようなので、舞台袖などで使っても良さそうです。

    Panasonic / Space Player

    さすがPanasonic。ブースが一番大きいです。数ある製品の中で、一番気になったのが『Space Player
    です。さすがPanasonic。サイトがかっこいいです。

    展示照明に携わっていた身としては、こういった製品も気になります。この機材は、一口に言うとプロジェクター内蔵型照明器具です。ただ照らすだけではなく、様々なパターンの照射、文字情報の照射、そして映像の照射が可能です。天井に直付け型・配線ダクト型(ただし、調光機能付きの場合は不可)・床置き型の3つのタイプがあります。

    器具の形がよくある展示照明用の筒型のスポットライトと同様のため、違和感や存在感を感じることなく設置しておくことができます。音声の出力もでき、映像はSDカード、HDMI、無線LANでの再生が可能です。こんなに小さいのに、台形補正もできます。

    展示照明も進化しているなと実感。

    yamagiwa / system X

    展示されている製品の中で、一番目を引いたデザインのLED照明器具がこちら。system Xです。
    こういった器具自体のデザインができるのも、LEDならではでしょう。ただ照らすだけではなく、器具そのものをインテリアとして置くことができます。形も洗練されています。いやーカッコいいなー。値段が問題ですが、そのうちどこかが模倣品を出しそうな気もします。

    株式会社スタイルテック / 製品名不明

    パネルの上に半円の大きなアクリル製のボールが置いてあり、そのボールを傾ける方向によってパネルの照明が青だったり緑だったり赤だったりと変化する照明器具が展示されていました。まだ、開発中でカタログはありません。

    コードが邪魔そうだったのですが、コードレス化も検討中のとのこと。実際に製品になったらおもしろそうです。

    東芝ライテック / FORTEX

    言わずと知れた東芝です。こちらも、パナに次ぐ大きさの展示ブースには、住宅用照明、屋外・街路景観照明、施設・オフィス用照明、照明制御システム、産業用光源が展示されています。
    さらには、舞台照明も一部展示されていて、どうしてもこちらが気になってしまいます。
    FORTEXは、通常の舞台照明用スポットライトと同じ形状のLEDスポットライトで、やわらかな光を照射するフレネルレンズスポット、シャープな輪郭の光を照射する平凸レンズスポットの2種類。機材の電源投入時間・点灯時間などの情報を、対応する操作卓にアンサーバックできるRDM機能があります。
    放熱は、ファンではなく自然空冷のため、クラシックホールなどでも使用が可能です。

    東芝ライテック / LEDホリゾントライト

    舞台奥にあるホリゾント幕を照らすライトです。このLEDホリゾントライトは、日本放送協会との共同開発品らしいです。

    カラー制御ユニットという機能があります。これは、画面上でBGRモードとCMYモード、ピッカーモードそれぞれで色を指定して出力することが可能なのです。この画面は、Photoshopやお絵かきソフトにあるカラー機能そのものと同じです。カラーコードはもちろん使えませんが。より直感的明かりを作りが可能になります。
    4色タイプと5色タイプがあります。4色はR,G,B,Wですが、5色はよくわかりません。

    株式会社ステラージア / 交流革命

    巷でもてはやされているLEDですが、抱えている問題もあります。

    • 電球の寿命は長いが、基板の寿命は多少短い
    • ノイズを発生するため、AMラジオやアナログテレビに雑音が入ることがある
    • フリッカーが発生する

    以上の問題点を、LEDの駆動をACに変えることで解決することができるというのが、この会社の製品です。

    LEDは直流駆動です。なので、電化製品や照明器具などはAC(交流)をDC(直流)に変換しています。従来のDC駆動方式では、電解コンデンサーを用いていますが、この電解コンデンサーが製品の寿命を縮める原因となっています。いくらLED素子自体の寿命が長くても、点灯時の熱や周囲の温度で基板自体や駆動回路が劣化し、せっかくの長所である高寿命というメリットが活かせなくなっています。
    AC駆動では劣化しやすい部品を使用しないため、LEDのメリットを十分出すことができるのです。

    また、ACからDCに変換する過程でノイズが発生しますが、AC駆動だと変換する過程がなくなるため、ノイズの発生が抑えられます。
    LED製品はまだまだ価格が高めのため、LED照明器具やLED舞台照明機材に買い換えたにも関わらず大して長寿命ではなかったでは済みません。電球自体の交換が安易にできるわけではないため、なおさらです。

    今回の展示で見たのは、『X1』という照明器具、『Wave Dimming Control』という調光器、そしてユニットの『Wave Source Low Voltage System Line』。感じとしては、X1の用途は工場やスタジアム、体育館など作業用明かりです。調光器は、エリア分けやセンサーでの操作が可能です。調光はダイヤル式で、昔のテレビのチャンネルを回すようなカチカチという操作感。やっぱり、あくまでの作業灯としての使用を想定している感じです。

    ぜひとも、演出照明向きの器具や調光装置を開発ほしいものです。

    締めくくり

    いつもと違う視点で明かりを知るのも、また勉強になります。
    LED化によって、日々の暮らしの中にある明かりというものについての考え方も変わってきたように感じました。舞台照明や展示照明のように明かりを演出したり調光するということが、より日常的なものになったと思います。

    今までのような、夜でもギラギラした蛍光灯などの不自然な明かりに合わせるのではなく、明かりを人に合わせる。もう少し、暮らしの中の明かりについて、考えてみるのもいいかもしれません。

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