金曜の夜の集会の切ない余韻の残る話

今日の舞台
金曜の夜の集会 第6回集会『ポーラー』@小劇場 楽園

10月の芝居に出演した方の芝居を観劇するシリーズ3弾。今回は下北沢で観てきました。黄金町パフィー通りでは、パフォーマンスビジュアルとして参加した岡田裕子さんが客員教授をしている多摩美術大学の学生がカヌー隊として出演しました。そのうちの1人、三方美由紀さんが出演している、金曜の夜の集会という劇団公演です。

どうやら、野田地図系のイチオシ若手劇団と聞いていたので、期待して観劇に臨みます。

あらすじ

南極に修学旅行に来た少女たちと、再び地球にやってきた星の王子様。時間に隔てられた友情はどのように変わるのでしょうか?
(CoRich公演情報より)

感想

劇場はとても狭い空間で、舞台にドーンと大きな四角い柱が建っています。天井もとても低くて照明機材がびっしりと吊ってあるのがよく見える、いわゆるよくある小劇場です。客席は、柱を挟むように対になる感じで椅子が並べてあります。
ほぼセットと言うセットはないこの空間で、どんな芝居が繰り広げられるのか、開演前からワクワクしていました。

BGMが大きくなるとともに、舞台と客席が暗くなり、照明が入ると透明のビニール傘を持ちセーラー服とチェックのスカートを着た女性4人と防寒着を着た女性が登場。ふわりと軽く舞うように踊っていますが、ここは南極。彼女たちは先生の引率のもと、修学旅行に来ています。LED照明の白さがよけいに南極の寒さを引き立てています。

南極に存在する、23.4度に傾いた地軸。耳を傾けると、カラカラと時間の流れる音が聞こえます。この地軸を中心に、物語は進行していきます。そして、修学旅行中のちょっとした友達4人の秘密の打ち明け話から、物語は思わぬ方向へと進んでいきます。

自分は宇宙人だと打ち明けて消えてしまった友達。地軸と反対側に回り続けることにより時間軸を飛び越えて、10年前に消えた友人を探しに再び南極へ訪れた3人。南極で消えた生徒を探し続けている、10年前の先生。異星から、地球を探検に訪れてきた異星人。
一見バラバラに見えるピースが集まった時、そこには美しい友情と切ない現実が待ち構えていたのでした。

ほとんど何もない舞台を補っているのは、演劇の基礎とも言える台詞。小説のようにたくさんの言葉が台詞となって物語を紡いでいきます。野田地図を彷彿とさせる、言葉の量と質感です。
物語はテンポよく進んでいくので、息をつく暇もありません。暗転を挟まずに狭い空間をビニール傘などの小道具を用いながら効率よく使う演出はさすがです。

照明と音響もまたいいんです。照明は、LEDムービングと一般照明の使いわけがうまいなと感じました。とにかく狭い舞台で高さもないのに、ここまでの照明をつくり上げるとは驚きです。しかもこの照明さん、どうやら他の劇団のスタッフらしくプロなのかどうかもわかりません。でもこのプランは太刀打ち出来ないです。

そして音響もまた他の劇団の方だったりします。選曲もまた素晴らしくて、ラストにラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌが掛った時にはあまりにも合いすぎて、せつなすぎて泣きそうになりました。この世界を作った、作・演出の寺岡さんは天才ではないかと思いました。

観劇後は、切なくてほろ苦くてそれでも余韻に浸っていたくなる。そんなお芝居でした。
次回の集会も楽しみにしています。



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