鍋割山で鍋焼きうどんを食べたあとに、塔ノ岳と丹沢山を縦走するお話の後編です。
前回までのあらすじ。
渋沢駅から大倉までバスで出て、林道を経て急登な登山道を登ります。
ボッカで2リットルの水を背負いながらでしたが、無事に雪の積もる鍋割山山頂に到着。
これから、おいしい鍋焼きうどんを食べることにします。
前回のお話:雪の積もった鍋割山で鍋焼きうどんを食べる・鍋割山編【鍋割山〜塔ノ岳縦走】
鍋焼きうどんを注文
鍋焼きうどんは、山小屋の奥にあるカウンターで名前を書いて待ちます。
最初、どうしていいのかわからずにいたら、山小屋のご主人が教えてくれました。
奥の調理場では、山小屋の奥さんと若い男性従業員の方が、次から次へと入ってくる注文を捌きながら、鍋焼きうどんを作っています。
出来上がるまでしばらく掛かりそうだったので、山小屋の中で待ちます。
山小屋は、数台のストーブが稼働していて、やかんの水を沸かしています。そのせいか、室内はとても温かいです。
畳敷きのところには、コタツが何台か並べられて、中で食べることもできますが、中で食べている人は一人もいません。ほとんどの人は、絶景を前にうどんを食しているのです。
しばらくすると、くらげが先程抜かした歩荷をしている外国の男性が到着。
相当重たい荷物だったようで、下ろすのにも一苦労です。そして、若い男性が英語で新館の方へ案内して荷物は運ばれていきました。
やがて、くらげの鍋焼きうどんが完成。
トレーに載せられているのでカウンターで受け取ります。箸と七味とレンゲはセルフです。
トレーを持って外に出ると、まずは空いている席探し。雪のない時期にはそこら辺の草むらに座ることができるのですが、雪が積もっているこの時期は、ベンチにしか座ることができません。
なんとか空いている席を見つけて、写真撮ったりInstagramとTwitterに投稿したりしていたら、すっかり伸びました。
これが噂の鍋焼きうどんだ
それでは、鍋焼きうどんの登場です。
かぼちゃの天ぷらに、お揚げにしいたけ、なめこに卵と具だくさんです。
それでは、いただきまーす!
甘いおつゆが染み込んだ天ぷらの衣がたまりません。
お揚げもちょっと甘めですが、疲れた身体にはちょうどいいです。
そして、おつゆまですっかり飲み干して完食です。
トレーはカウンターまで戻します。
10:45 塔ノ岳へ出発
身体が温まり、すっかりお腹も満足したところで今度は塔ノ岳へ向けて出発です。
塔ノ岳へ向かうルートは、山小屋の奥にあります。すでに雪で道が埋もれていることもあり、軽アイゼンを装着して進みます。
塔ノ岳へ向かう人はほとんどいないようで、先程まで通った道と比べると雪が積もっています。
鍋山山稜から望む、小田原と相模湾。
やがて、塔ノ岳に登るメインルートである大倉尾根と、立花山荘が見えます。
やがて、金冷しという大倉尾根との分岐に出てからは、まっすぐ塔ノ岳目指して登っていきます。
時間はお昼ごろですが、すでに下山してきている人も多く見られます。
登山道は雪に埋もれて道幅が狭くなり、すれ違うのが難しいです。お互い、道を譲り合いながら進んでいきます。
山頂までの急登をやっとの思いで登りきり、やっと頂上が見えてきました。
です。
12:01 塔ノ岳山頂に到着
お昼時とあって、山頂は賑わっています。思ったよりも雪も少なく、アイゼン付けていると却って歩きにくいくらいです。
やっと富士山がお目見えしました。
ここで一休みして、今度は丹沢山へ向かおうとしたのですが、ここで問題が発生。
鍋割山からすでに風が吹いていたのですが、塔ノ岳山頂ではさらに激しい風が吹き荒んでいます。
じっとしているとどんどん体温が奪われていくので、フリースと上着を着ようとしたのですが、風が強すぎてうまく着れません。
立っているのもやっとなくらいの強さで、うっかりすると身体がぴゅーっと飛ばされてしまいそうです。
さらに、風で右目にホコリか何かが入ったらしく、痛くて涙がぼろぼろ出てきます。
このまま強い風の中を右目が痛いままで縦走を続けると、体力を奪われるだけでなく下手すると滑落もしくは遭難しかねません。
仕方ないので、ここで撤退を決意。決して無理をしないのも、山登りの掟です。
12:15 塔ノ岳を下山
痛い右目のまま、塔ノ岳を下山します。下山ルートは、バカ尾根と呼ばれる大倉尾根です。
バカみたいに長く辛いルートが続くので、トレッキングポールと膝バンドは必須です。
こんな道が延々続きます。
下り坂を駆けるように下っていくと、やがて膝が痛くてたまらなくなるので、とにかくゆっくりのんびりと道を譲りながら降りていきます。
途中途中に山小屋があるので、随時休憩を取りストレッチをして脚の負担を軽減します。
さっそく、一番目の山小屋、立花山荘で休憩。今度は立花山荘からさっき通った鍋割山稜を望みます。
ここからさらに、バカみたいに急な坂道を下り、降りるのもバカらしくなるほど長い尾根をただひたすら降りていきます。長すぎて道中はつまらなすぎて、写真を撮るのもバカらしくなってきます。
見晴らし茶屋まで来ると、ようやく眼下に広がる街が大きくなってきました。
この先、雑事場ノ平という分岐で大倉高原山の家という山小屋のあるちょっと小高いルートとそのまま下るルートがあります。
ここで、山小屋のあるルートの方へ行こうとすると、大倉バス停ならこっちのほうが早いですよと、後ろから来た人が声を掛けてくれました。
そのまま、その男性と話しながらバス停まで向かいます。
その方は、丹沢には何度も来ていて、日本100名山を登頂することを目指している方で、東北から攻めていているそうです。くらげと同じように、暑いときに登るのが苦手でこの時期の雪山が好きとのことで、同じこと考えている方は意外といるんだなと思いました。
15:20 大倉バス停に到着
話しながら降りてくると、けっこう早いものです。ゆっくり歩いたにも関わらず、地図上に記載されている時間からそんなに遅れることもなく降りてくることができました。
大倉バス停は、目の前に秦野戸川公園があり、食事のできるスペースやトイレがあります。また、トイレの前の水道には登山靴やアイゼン、ポールなどを洗える水道があり、タワシもついています。
今回は、あまり泥だらけになることはありませんが、こういう設備があるとうれしいです。
それと、大倉から小田急線の渋沢駅まではバスが1時間に2本あります。さらに土日祝日は15時台と17時台には3本、16時台には4本も出ているので、帰りの足を気にしなくていいのも魅力です。
大倉バス停時刻表
こうした便利さから、大倉は丹沢登山の主要登山口にしたいところですが、あのバカ尾根から登りたくないのでなんとか避けて次の丹沢登山に挑もうと思います。
おさらい
記録
- 開始時刻 7:43
- 終了時刻 15:20
- 所要時間 6:23"
- 距離 24.87km
- カロリー 733kcal
- 歩数 39,251歩
お疲れ様でした!
鍋焼きうどん、また食べたくなりましたね~
この寒い時期だとさぞかし美味しいかと。
鍋山山稜から見る光景はほんと素敵ですよね。
塔の岳から丹沢山は往路2時間くらいかかるのですね
いらっしゃいませー。
この時期の鍋焼きうどんは最高です。体中に染み渡ります。
それにこの時期は空気が澄んでいて遠くまで見渡せますね。
また行くなら、寒い時期ですね。