オペラで初めて内容を知った金色夜叉

今日の舞台
オペラシアターこんにゃく座『金色夜叉』@世田谷パブリックシアター

今日二本目の観劇は、友人が所属しているこんにゃく座のオペラです。こんにゃく座では、先月初めに音楽監督である林光さんを亡くされたばかりです。
失意の中、歯を食いしばりながらがんばって完成した舞台を観るのを心待ちにしていました。

今回の上演作品である金色夜叉は、名前は聞いたことがあっても内容は知りませんでした。途中で貫一とお宮と言う名前を聞いて、そう言えば聞いたことのある名前だと思い、そして熱海のシーンでようやく思い出しました。
熱海と言えば、貫一お宮像です。てっきりくらげは、貫一にお宮が捨てられたシーンだと思っていたのですが、どうやら逆でした。結婚の約束をしておきながら、富豪と結婚することになったお宮が熱海に旅行に行き、そこへ追い掛けてきた貫一と会ったときに、捨てられた貫一が嘆きながらお宮を蹴飛ばすというシーンだったのです。

舞台のセットは、客席側が八百屋舞台になっていて、奥は欄間が吊ってあり松葉目のふすまが上下に動きます。そのふすまの位置でシーンをそれぞれ表します。
この熱海のシーンでは、ふすまがセンターだけ空いていて、奥には煌煌と輝くとても大きな月が映し出されています。たぶんプロジェクターだと思うのですが、この大きな月が失意の中で歌う貫一の歌をより引き立てているのです。
なので、聞いていて心が痛みました。お宮のばかー。

貫一役は、こんにゃく座の顔でもある大石哲史さん。さすがです。
失意の中、大学を辞め一度は行方をくらましながらも、東京で高利貸しの主人の元で高利貸しとなった貫一。貫一には、同業者で彼に好意を持つ満枝がつきまといます。この満枝の色っぽさと言ったら、動じない貫一は何なんだと言うくらいです。

そして、とあるお屋敷でお宮と再会するも会話を交わすことなく別れます。
そんな状態でも、心にまだお宮のことを思っている貫一。もう、いいから忘れろよと突っ込みたくなるくらげ。

あれだけのことをしておきながら、今更になって後悔しているお宮。でもきっと、やむを得ない事情があったに違いありません。
その後、貫一は暴漢に襲われ入院。退院したと思ったら、今度は高利貸しの主人の家に怪しい老婆が訪れます。滑稽な様子とおどろおどろしい様子が交互に現れ、不気味な恐ろしさを感じました。
そして、金の恨みを晴らすべく放火され、高利貸し夫婦は死んでしまいます。跡を継いで、尚も高利貸しを続ける貫一。

そしてお宮は、貫一の旧友とばったり町中で再会し、別れた当時の貫一の様子を聞いて、さらに後悔に苦しむお宮。そして、何通も謝罪の手紙を送りますが、貫一は読むことなく火鉢で燃やしてしまいます。
そんな中、お宮が満枝とばったり会い、包丁で刺したあと自分も包丁で自害すると言う夢を見ます。

夢のあと、一人一人登場人物が出てきて、お宮が貫一に宛てた手紙の言葉を歌いながら八百屋舞台へと立っていきます。
この内容は非常に気になるところですが、何せ明治時代の言葉なものですから、意味のわからない部分もあって聞き取りづらく、わかりませんでした。

そして、幕が降りました。

結局、2人はこのあとどうなったのか、お宮の結婚は何か事情があったのかが全くわかりませんでした。あとで調べてみると、この作品は原作者が執筆途中で亡くなり、未完の作品になっているようです。
てことは、この先もずっと結末はわからないままということです。

そんな未完の作品を題材にしていながら、よくここまでまとめたものです。林光さんが亡くなっても、こんにゃく座はこれからもがんばっていってほしいです。



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