祖父母の眠る秋田へ、母と秋田へ墓参に行ってきました。
くらげの祖父母は、秋田の鹿角に眠っています。その昔、祖父は鉱山技師だったため、戦時中は日本の占領下だった朝鮮半島の鉱山で働いていました。そのときに満州で店を開いていた親類の紹介で祖母と出会い、結婚します。母や兄弟が産まれ、一家は鉱山の近くの鉱山住宅で暮らしていました。
しかし、祖父は徴兵され戦禍の激しい南方の戦地に赴き、そこの川で亡くなりました。祖母の元に送られてきたのは、骨壷に入った現地の石でした。そのため、祖父のお骨は未だフィリピンの川底に埋まっています。
祖母様たちは、祖父が徴兵されてから朝鮮から引き上げ、祖父の故郷である鹿角で帰りを待ちました。しかし、戦死の知らせを受けてからは、祖母の故郷の鹿児島などを転々とします。その後無事に終戦を迎えたものの、祖母は母が中学生だったころに亡くなり、祖父のお墓で一緒に眠っています。
鹿角は遠いこともあり、母は40年前に行って以来なかなか行けずにいました。しかし、母も70歳を越え、今のうちに行っておきたいとのことで今回鹿角への墓参が決まりました。
一日目
鹿角に向かう
8時56分に東京を出発した新幹線は、11時28分に盛岡駅に到着。
ここから在来線のJR花輪線に乗り換えるのですが、この花輪線は本数が2~3時間に1本しかないので、今回は高速バスを使います。盛岡駅で高速バスのチケットを購入し、バス乗り場へ向かいました。これを逃すと、次は1時間後になります。電車も1時間後です。
無事に盛岡を出発したバスは、しばらく一般道を走ったあと東北道へ入りました。
岩手山が間近に見えます。
路面は、震災の影響を受けてあちこちにひびやうねりが入り、ずっとがたがた道が続きます。こんなところにも、震災の影響を感じることができました。
13時07分。バスは鹿角花輪駅へ到着しました。
ちなみに、この日の鹿角は9月半ばにも関わらず35度という気温。猛暑です。
駅前でお昼ごはんを食べたあとは、墓参に向かいます。母は場所を覚えていないため、叔父叔母に聞いて送ってもらった手書きの地図が頼りです。
実は以前、ここへは4年ほど前に秋田旅行をしたときに来たことがあります。そのとき、この場所を散策しました。あのとき歩いた道を、また辿ります。
そして着いた場所は、米代川沿いのひっそりとした墓地にありました。同じ高杉姓の多い地域のため、一緒に送ってもらった写真と照らし合わせます。
何度も確認して、ようやく祖父母たちのお墓と確認できました。
ああ、やっと来れた。墓前にお酒を供え、手を合わせます。本当は水を掛けて磨いてあげたいのですが、近くにお寺がないため、できませんでした。
そして、そのあとは近くに住む親戚の家を目指します。こちらも道がわからないので手書きの地図と、母のおぼろげな記憶が頼りです。
家を尋ねると、おばあさんが出たのでご挨拶。おばあさんは秋田弁で話すため、くらげはほとんど聞き取れません。話しの端々で聞える単語を頼りに何とか話しを合わせます。
ちゃんと会話しているくらげ母にあとで「秋田弁わかった?」と聞くと、くらげ母はインスピレーションで話したそうです。
予定を切り上げホテルへ向かう
このあと、予定では史跡の尾去沢鉱山へ行くことになっています。祖父はここで働いたことがなかったのですが、母たちが祖父の帰りを待つ間に、一時期鉱山住宅へ住んでいたこともあってぜひ行ってみたかったのです。
ちなみに、現在は閉山しているため鉱山住宅もなくなり、鉱山施設や住宅は廃墟となっています。
ところが。この暑さの中で歩き回ったくらげと母は、もうすでにぐったり気味です。今さら鉱山へ行く気にもなれず、このままタクシーでホテルに向かうことにしました。
ホテルでゆったり温泉を満喫
10分ほど揺られて、ホテルへと到着。着くまでの間、ずっと母は運転手さんに、ここに来た理由やここに1年だけ住んでいたことや祖父のことなどを延々と話していました。きっとうれしいんだろうな。
こちらが、ホテルの部屋です。
山の中腹を走るのが、東北道です。
先にお風呂に入り、のんびりと汗を流します。先客はおばさま2名だけで、ほぼ貸し切り状態です。お湯は、無味無臭透明のアルカリ性単純泉。でも、アルカリ性のおかげで、しっとりつるつるします。
少し熱めだったので、あまり長居できず、10分ほどで上がりました。夕飯は18時30分にしたので、それまでテレビを見ながらごろごろ。
お待ちかねの夕食
そして、ようやく食事の時間となりました。お食事は、一度フロントまで戻り、エレベーターで2階に上ったお食事どころです。
じゅんさい、いぶりがっこ、丸いのわかんない。グラスはマルメロ酒。大きい器はお刺身。
しゃぶしゃぶのたれ、ポン酢と豆乳。左は釜飯。
小鉢とか。
しゃぶしゃぶ。
お刺身。鯛の昆布〆、鮭、甘海老。
岩魚の塩焼き。こちらはちょっと冷めていたのが残念。
やっぱこれでしょ。鹿角の地酒、千歳盛の冷です。
名前忘れたけど、歯ざわりがよかったです。
きりたんぽ。しらたき煮たのがおいしかった。
てんぷら。胃がもたれて、半分残しちゃった。
。
〆はデザート。甘くておいしかった。
二日目
ホテルを満喫
朝起きたら、庭園を散歩しようとの母の提案で、浴衣のままホテルの庭園を散策することにしました。
ロビーから見える池。
魚が泳いでいます。
小道を歩きます。
小さな蕗が生えています。
藤の実。
秋田名産のでっかい蕗。日当たりいいところでは、もっと大きくなるみたいです。
今度は、朝風呂に向かいます。早朝の大浴場は、誰もいなくて貸し切り状態です。お湯は昨日よりも熱くてほんのり硫黄臭がしました。朝のお湯は濃いみたいです。
そのあとは、好奇心旺盛な母とホテル内を探検。このホテルはものすごく広くて、本館の方にはボーリング場、カラオケルーム、バー、ゲームセンターなどアミューズメント施設が充実しています。そして、上の方には結婚式場や茶室も完備しています。
朝食はバイキングなので、好きな物をどっさり。ご飯はお粥にしました。
部屋に帰ってごろごろしながらのんびり支度をして、9時前に部屋を出ました。
湯瀬温泉駅で電車を待つ
今日は、花輪線で駅まで出ます。電車の時間は9時43分。駅までは送迎車で送ってもらえます。
余裕を持ってチェックアウトし、余裕を持って駅に到着。
駅の回りは、閑散としています。駅舎は、JR職員はおらず民間の方に駅業務を委託しているので、おばさんが切符を売っています。そのままくらげ母とおばさんは、延々としゃべり続けています。
駅構内。
鹿角の名産が飾られています。
こんなケヤキの木も。
花輪方面。
盛岡方面。
対面ホーム。かつては、上りと下りの交換場所だったようです。
そして、9時43分発、盛岡行きの電車が来ました。架線のないディーゼル車ですよ。
花輪線で盛岡まで
どこまでも山です。
たまに民家。
すすきの野原。
途中駅で、上りと下りの交換をします。
続いて、田園風景。
10時58分。好摩駅到着。
ここから、IGR銀河鉄道線に入ります。ここは、JRから引き継いだ三セクの鉄道です。複線の電化路線ですが、この列車からにょきにょきとパンタグラフが生えるなんてことはなく、ディーゼルで走っていました。
周りはやっぱり田園風景。
盛岡といえば冷麺
11時25分。盛岡駅到着。長かった。ちょうどお昼の時間なので、駅前でご飯を食べます。
ここはやっぱり、冷麺です。
お昼を食べたあとは、ちょっと雲行きが怪しくなってきましたが、盛岡観光をします。行き先は、南昌荘という明治時代に建てられた邸宅です。
南昌荘を見学
こちらが南昌荘です。
南昌荘は、盛岡出身の実業家瀬川氏が1885年頃に邸宅として建築しました。
120年間の激動の時代に建物所有者がめまぐるしく変わり、現在では盛岡市と岩手生協が管理運営して、保存されています。
中はこんな感じ。
こんな廊下がうちにもほしいです。縁側でお茶飲んだり、スイカ食べたり、ひなたぼっこしながらごろごろしたいです。
外は、立派な日本庭園が広がります。
こんなランプが置いてありました。
こんな立派な扉が部屋の壁にありました。
天井には、レトロな照明。
東京に戻る
新幹線の切符を買い空席を調べると、10分後に出る新幹線のはやてはほぼ満席でしたが、こまちに2席の空席を発見。これで、一安心。改札を入り、ホームへ向かいます。
ところがホームを間違え、さまよった結果発車時刻までは、あと1分というギリギリの時間になってしまいました。今いる位置ははやての真ん中付近。乗り込むのは、こまちです。盛岡ではやてと連結するこまちは、はやての後方にいます。連結しているので、はやてからこまちへの移動はできません。
ホームに鳴り渡る発車ベル。くらげに着いて来れない母。これを逃すと、次は1時間後。必死になって母が走って追いついた結果、なんとか無事に乗車することができました。
締めくくり
鹿角は四方を山に囲まれていて、関東からはかなり遠い地です。ようやく今回念願叶って母を連れて行くことができましたが、かなりの弾丸旅行になってしまいました。ただ一つ、尾去沢鉱山を見学できなかったことだけが心残りですが、それでも無事に墓参りできてよかったです。
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ゆうきさん
いらっしゃいませ~。
も、僻地のため本当に遠いんですよ。一本逃すと何時間も遅くなるので、弾丸スケジュールになります。
書くことと写真が多すぎて2日間で前半後半と分けてありますので、どうぞごゆっくりお読みくださーい。
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こんにちは!
秋田にお墓参りなんですね。遠いからなかなか行けなくて大変ですね。
秋田県というとこは全く知らないとこです。
どんなとこなのか!
あ、次回に続いた!
今日はここだけ読んでまた来ます!