これを持っていれば現場で役に立つ!舞台スタッフの七つ道具

舞台の現場で必要な工具や道具はある程度決まっていますが、人それぞれ持つものは違います。他の人がどんな工具を持っているかとじっくり見る機会というのは時間のある現場以外ではなかなかありません。

そこで、Twitterで舞台スタッフの方々にどんな工具や道具を使っているのか聞いてみたところ、いろいろな工具や道具が集まりました。

ではさっそくTwitterで集められた、現場で役立つ工具や道具をご紹介したいと思います。

セクション別七つ道具

まずは、各セクション別の七つ道具。舞台監督、音響、照明、ステージそれぞれ微妙に持つものが違っています。

舞台監督

舞台監督は大道具を兼ねている方もいるので、ドライバー、インパクト、メジャーなどの工具を持っている方が多くいました。


暗視モニターや演出卓は小劇場で重宝しそうです。ここまで取り揃えている舞台監督さんはなかなかいないのではないでしょうか。

こちらは4尺脚立。脚が伸縮式だと段差のあるところにも対応できます。

暗視モニターセットはどういうものをお使いかはわかりませんでした。

こういうコンパクトな折りたたみ机は演出卓だけでなく、袖の小道具置きとしても使えて便利ですね。

バッグはこちら。コヅチの黒獅子ミニです。黒地に赤が効いていてかっこいいですね。浅いので台本を入れるのは不向きですが、小さい割には手を入れやすいのだそう。

ビニテホルダーはこちら。最近同じような形状でワイヤーを使って自作しているものを多く見かけますが、輪っか部分を潰すだけで出し入れできるのはいいですね。

カッターはタジマのドライバー。

ドライバーカッターを装着するためのホルスター。これは便利そう。

こういうバケツに貸出用工具を放り込んでおくというのはいいアイデアですね。

裏の動線明かり用に調光できる電源ケーブルを使えば、劇場やホールの調光卓に噛ませなくても調光可能です。

音響

音響さんはミキサー卓で名称を書き込むためのテープやペンが多く、工具はコンパクトなものが多かったです。

ドラフティングテープは紙製の低粘着テープです。主にフェーダーの名称を書いたりするのに使います。ビニテに比べるとだいぶ高価ですが、ベージュのつや消しなので表面がテカらず見やすいのが特徴です。

スリオンテックのつや消しは、その名の通り表面がマットなので使いみちがいろいろあります。布に貼っても目立たず、光るものを隠すのに貼ったりするのにも使えて便利です。

音響機器には特殊ドライバーが必要なものもあるので、特殊ドライバー付きのドライバーセットは必需品です。

マグネットクリップは何でも固定できて便利です。音響さんはヘッドフォンをかけるにも使うそう。

マルチ定規は折りたたみの定規で、伸ばせば30センチまで計測できます。また、折りたたみ部分には角度を出せる目盛りが付いています。

ヴィクトリノックスはサイバーツールです。

透明幅広ビニールテープはリノリウムの固定などにも使いますね。

PUライナーはグリップ力を高めた合皮グローブです。手の甲はメッシュになっていて洗濯することもできます。

照明

照明はドライバー、革手袋、ペン、ライト、カッター、ビニテ、ペンチあたりが定番です。


マッキーはノック式を使っているそうです。


水性ペンは仕込み図に回路を書き込むときに使うのだそう。


ピンで使うものを取り揃えています。


バインド線も必須です。小さく丸めたものを入れておくとすぐに取り出して使えます。チョコも大事です。


仕込み図は首から下げるだけでなく、マグネットクリップを取り外しできるようにしておくと便利です。

シュートの指示でレーザーポインターを使うというのはいいアイデアですね。こういうペン型のレーザーポインターを持っておくとじゃまになりません。

DMXターミネーターはDMX機材を持ち込むときはあるといいですね。

大道具

大道具さんは大工道具を持っている方が多く、持つ工具量も他のセクションと比べて多いです。

ピンバイスはプラスチックに穴を開ける工具で、ドリルよりも細かい穴を開けるときに使われます。

ラチェットドライバーは握り直さなくても手首の反動だけでネジ締めができるドライバーです。

結束バンドも何かと欠かせないツールです。

7寸釘抜き。ガチ袋に入る長さです。

こちらはヒラタの平バール。ヒラタはプロユーザーに絶大な人気を誇るブランドです。確かにこのバールはよく見かけますね。

こちらがかじ寅。かじ寅は東京の小金井市にあるバール屋さんです。未だに職人が一本一本焼入れをしている希少な金物屋さんで、解体現場などで愛用されています。

尺貫法が使われている舞台では尺表示の目盛りが付いたメジャーが使われています。

ミニ曲尺は持ち運びにジャマにならなくていいですね。

チョークラインは舞台前から舞台奥までの舞台のセンターラインを取るときに使います。手巻きは時間がかかるので自動巻きをおすすめします。

赤い芯のシャープペンシルは印を付けるときなど黒より目立つのでいいですね。

コンパクトな折りたたみのこぎりは、収納に困らずさっと取り出せて便利ですね。

こういう手のひらサイズのメモ帳があるとさっとメモが撮れて便利ですね。

こちらの工具の内訳は、なぐり、釘抜き(大・小)、ラチェット、カッター数本、ハサミ数本、電動ドリル、尺目盛りメジャー、ビニテ(オレンジ・ピンク・赤・黄色・緑・空色・白・青・透明・灰・黒)、養生テープ(緑・黒・白)、ガムテ(茶・黒)、マッキー(細・太)数本、プロッキー数本、革手袋・釘(2寸・1寸)、結束バンド、バインド線、ヘッドフォン、テスタ、音響用変換コネクタ数本。まるでドラえもんのポケットのように何でも出てきそうです。

美術

こちらは展示会系の木工現場で使われるツール。

バネクランプは接着したものを挟んで固まるまで固定したり、大道具を挟んだり、袖幕を挟んで引っ張ったりと何にでも役に立つツールです。

インテリアバールは主に家の内装などに使われるバールで、傷つきにくい構造になっています。

こちらはシノ付きカッター。「シノ」とは番線をねじって締めるのに使われる工具で、細長くなっているので穴あけやボルトの穴調整などにも使えます。「バンガチ」とも言います。

ステージ

黒子やステージ要員はかゆいところに手が届いてさっと取り出せるものを持っていることが多いです。

こういう伸縮するコンパクトなウェストポーチに最低限のものを入れておけば、ごそごそ探すこともなくさっと取り出せます。

黒い布で自分が使いやすい収納袋を作ってしまうというのもいいですね。

何はなくともまずはヘルメット。

ステージ要員(ステハン)は暗い中で転換に出たり出演者の動きを補助したりします。瞳孔調整で暗転前にサングラスを掛けておけば暗い中でもすぐに見ることができますし、SSの眩しい光を遮ることも可能です。スポーツ用ならツルがしっかりしていて安定した掛け心地です。

表方

制作やレセプショニストなど、表周りのスタッフの七つ道具はこちら。

野外現場の七つ道具

続いて、野外現場。ホールや劇場と違い、空調や照明のない野外現場で必要なのはインフラ整備です。

夜間に照明機材を撤収してしまうと、真っ暗な中で積み込み作業をすることになります。そんなときに役に立つのが、充電式投光器です。

劇場・ホールスタッフの七つ道具

続いて、ホール・劇場スタッフ。大きな工具などはホールや劇場にあるものを使うので、最低限の工具や道具を持ち歩くという感じです。

音響

こういう小さめのカッターマットに蓄光テープや各色のビニールテープを貼っておくと、バミリが必要なときにすぐに切って使うことができます。

折りたたみハサミはかさばらず便利そうですね。

ネジザウルスは、ネジ山がなめてしまったネジや錆びついたネジを緩めるのに使います。

バッグはこちら。文具メーカーリフトラブのキャリングポーチです。ショルダーとしても、ベルト通しに工具用ベルトを付けてウェストポーチとしても使用できます。

舞台機構

レーザーポインターは、タッパ決めのときに「あの文字幕」という感じで吊り物を指すときに使用します。

カッターはNTカッター、ライトはLEDLENSERです。

ポーチはこちら。マチがないのでたくさんは入らなそうです。

照明

服を買ったときにもらう不織布のショッピングバッグや、こういうバッグがあるとなんでも放り込んでおけるし、前明かりの色を入れて移動するにも便利です。

道具・工具別七つ道具

続いて、道具・工具別の紹介です。愛用しているメーカーなどを紹介してもらいました。それぞれこだわりが感じられます。

ペン

マッキー

ペンはどんな現場でも必ず必要になる必須アイテム。ビニテや図面に書き込んだりと大活躍です。

一番使われていたのは、やはりマッキー。

色は赤や黒が圧倒的でしたが、あまり使われない紫色だと失くしてもすぐに見つかりそうです。

キャップを失くしやすいこともあって、ノック式を使っている方も。さっと押し出して書けるので便利です。

サクラネームツインペン

細い方で書くときにマッキーはすぐにかすれますが、サクラネームツインペンは長持ちします。

水性ペン

水性ペンは仕込み図や台本に書き込むときににじみません。

こちらは紙用マッキーの青。赤や青は印刷で使われがちな色なので、区別するために青を使用すれば見づらくならず、台本に書いても裏写りしません。

プロッキーも定番ですね。

パイロット フリクションボール

おなじみの消せるペンです。台本に書き込むように青があると便利です。

定番の黒も。

ペンホルダー

ペンを持ち歩くときはペンホルダーがあると、さっと取り出せて失くすこともなくなります。
くらげは革製のペンストラップに小さなカラビナでマグネットクリップを付けて仕込み図を挟めるようにしています。

こちらは手作り。これはぜひマネしたいですね。

袖で使う導線明かり

真っ暗な舞台では出演者が装置や照明器具に当たらないように、導線に明かりを仕込んでおきます。

こちらは釣りで使用するルミライトです。発光時間は10〜12時間程度ですが、冷凍庫で凍らせて内部の化学反応を止めてしまえば3日間くらいは使用できます。

こちらは自転車の尾灯。パイプなどに取り付けられるようになっているので、SSに付けることもできます。

袖などの足元に置くために使うケミカルライト。

ベルクロ(マジックテープ)

ケーブル類をまとめたりなどいろいろ役に立つアイテムです。大きめの一巻き分をもっておけば現場でなくしてもすぐに付けられます。
こちらのベルクロ、英語のアマゾンサイトでは8,000件ものレビューが付いていました。

グローブホルダー

作業皮手袋をポケットに突っ込むだけではすぐに失くしてしまいます。こういうグローブホルダーがあるともっと便利です。

カッター

必ずと言って挙げられていたのはカッター。何はなくとも現場では使用頻度の多い工具です。

オルファ

誰もが知っている黄色いカッター、オルファ。中でもおすすめは大型でお尻に爪のついたタイプです。爪があると、カーペットの縁を押さえる、パネルに穴を開けるなど切る以外の用途にも使えます。

こちらはねじロック式のOL型。

こちらはスライドロック式のAL型。

NTカッター

NTカッターは刃を何枚も入れられる連装ができることと、本体がアルミの金型鋳造(ダイキャスト)のため丈夫で叩けることなどの利点があります。

ペンチ

正直なところ、ペンチなんてどれでもいいと思っていたのですが、このツイートには目からウロコでした。

こちらがフジ矢のペンチ。Amazonで買えますが、じっくり手にとって刃を透かしながら選びたいです。

メジャー

長さや距離を測るのに欠かせない工具、メジャー。一番多く使われているのが、総合ツールメーカーのタジマ。尺貫法の使われている舞台では、尺目盛りメジャーが必須です。

こちらは2m。

一番多く使われている、5m。

少し長めの5.5m。

大きなホールや劇場で必要になる10m。

マルチツール

工具の中でよく挙げられたのが、マルチツール。一つ持っておけば便利なツールです。
メーカーはヴィクトリノックス、ガーバー、レザーマンに分かれています。

こちらがチャキーンと心地の良いガーバー。デザインがギミック感満載でかっこいいですね。

レザーマンはWAVE。

レザーマンユーザーによるおすすめ、新発売のFree P4も気になるところ。
FREE P4|LEATHERMAN

ヴィクトリノックスならサイバーツール。

ライト

暗くなる舞台では安全に作業するためにも作業用の携帯できるライトは必須です。ハンディライト、ヘッドライト、ネックライトなどいろいろ種類がありますが、それぞれ一長一短なので組み合わせて使うのがおすすめです。

こちらは軍でも使われている強力なタイプ。大きな劇場やホールを使うときは強力タイプのほうが安心かもしれません。

ヘッドライトは、登山で使われているペツルのティカ。点滅や赤モードに入らずに点灯・消灯ができます。また、ボタンを長押しすると減光もできるので便利です。色は何色か黒以外を選ぶのがポイント。黒だと外しておいたときに見失います。

ドイツ・ゾリンゲンを本拠地とするツヴァイブルダー・オプトエレクトロニクス社のLEDライト、LEDLENSER。配光のワイド、スポットを瞬時に切り替えられる「フォーカスコントロール」技術に長けたメーカーで、舞台でもよく使われています。

1000ルーメンの明るいタイプは大きな劇場で使えます。

今回ツイートには登場しませんでしたが、パナソニックのネックライトもよく使われています。手元を照らすのにいい明るさで、シリコン素材で軽いので首に負担がかかりません。

テスター・チェッカー

電気や通信機器を扱っているため、テスターやチェッカーは必須です。

こちらはT型コネクタを改造した導通チェッカーです。中にボタン電池を使った回路が入っていて、照明機材をつないで赤ランプが点灯すれば球は切れていないことが分かるようになっています。
T型なので、小劇場などで使えば便利そうですね。

ムービングライトを使用する現場ではRDMテスターがあると便利です。
ジャンプスタート (Jump-Start)|アーティスティックライセンス

三和電気計器の手帳型テスター。三和はホームセンターでも置いているメーカーで、たとえ壊れてもすぐに同じものが手に入ることと手を出しやすい価格帯という安心感があります。くらげも三和を使っています。手帳型は腰道具にも忍ばせられるサイズで持ち運びも便利です。

レーザー距離計

距離を測るレーザーは、舞台からスピーカーまでの距離や、タッパ設定できない電動バトンでバトンのタッパを測ったりするのに使います。

ラチェット板レンチ

板レンチはコンパクトに数サイズ収まっているのが便利です。また、薄いので狭いところにも使えます。

リーズロック

リーズロックはワイヤーを固定する金具です。ワイヤーを通して簡単に固定できるので、吊り物に適しています。重量物には向いていないのでパネルなどは難しいと思いますが、薄い布や軽いパネルなら対応可能です。

マグネット付き目玉クリップ

マグネットが付いていていれば、進行表や仕込み図を貼ることができます。また、バインド線や紐をつけて袖幕を引っ張ったりすることができます。

チョコ

言うまでもありません。小劇場などで客席に面したブースではガサゴソ音が出ないように個包装じゃないチョコが望ましいです。ただし夏の現場で一体化しないように注意しましょう。

M&Mなら手が汚れません。

S字フック

こういう大きめのものだと、用途が広がります。インカムパックやヘッドセット、ヘッドフォンを掛けてもいいかもしれませんね。

クイックスチール

クイックスチールはエポキシパテとも言い、15分で硬化して金属の硬さになり加工もできる万能パテです。鋼材、銅、アルミニウム、鋳物、ステンレススチール、亜鉛メッキスチール、真ちゅう、青銅、金、銀、エポキシメタル、ガラス、プラスチック、グラスファイバー、エポキシファイバー製品、PVC、コンクリート、セラミックス、煉瓦、タイル、磁気製品などあらゆる硬い材質の物にくっつきます。また、耐熱温度260度で水中でも使えます。応急処置にぴったりのグッズです。

ハエたたき

ハエたたきは、反響板の裏、パネルの裏などの手を入れにくい場所に配線を通すのに使います。先端に切れ込みを入れておけば、ケーブルを引っ掛けることができます。

こちらのハエたたきは先がシリコン製なのでケーブルに優しく、伸縮式なので長さを変えることができます。

ストップウォッチアプリ

きっかけを取るのに欠かせない大切なツールです。スマフォアプリだと、ボタンと表示が大きくて、暗いところでも見やすいという利点があります。

中には自分が使いやすいアプリを作っている方も。まだ審査には通っていないそうです。

表示が見やすくてスタート&ストップ、リセットボタンを押しやすいストップウォッチアプリを探してみました。iPhoneユーザーなのでiosのみです。

Stopwatch Analogue+Digital

Stopwatch Analogue+Digital
開発元:Cognisoft ApS
無料
posted withアプリーチ

タイムがアナログとデジタルの両方表示されます。ボタンが大きくて目立つので押し間違いもありません。

ストップウォッチ

ストップウォッチ
開発元:Tim O’s Studios, LLC
無料
posted withアプリーチ

とにかく数字が大きく表示されます。スタート&ストップとリセットボタンのみでシンプルな表示です。ただちょっと広告と位置が近いので押し間違えそうなところがあるので要注意です。

締めくくり

思った以上にいろんな工具や道具が集まりました。ご協力いただいた皆さまには感謝の気持ちでいっぱいです。
この記事をきっかけに、くらげも工具とポーチを一新しようかなと思っています。

皆様からいただいたツイートはすべてToggeterにまとめています。
舞台スタッフ七つ道具|Toggeter

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