照明演出には欠かせない、クセノンピンスポットについて考えてみました。
毎回、現場でクセノンピンスポットを操作していて、何でこの使いにくい形にオペレーターが合わせなければならないのかと思います。
無理やり体勢を合わせていると、現場が終わったあとに背中と肩と首がおかしくなります。
普通のスポットライトは日々進化していて、LED化も著しく進んでいるというのに、ピンスポットライトだけは形状や機能が進化しているとは思えません。
ようやくウシオが新型と出したとはいえ、根本的な使いづらさは一切変わっていません。
この際、使いこなせてこそプロだという話は置いておいて、くらげによるピンスポット考について語ります。
目次
長らく進化のなかったピンスポットがようやくフルモデルチェンジ
クセノンピンスポットは、一時期松村電気製作所でサンビームという種類のピンスポットを出していたこともありましたが、現在は生産中止になり国内のピンスポットはほぼウシオライティングのXebexシリーズのSUPERSOLのみとなっています。
形状や機能については、長年マイナーチェンジしかされていなかったのですが、近年になってようやくフルモデルチェンジされました。
(ウシオライティング株式会社 製品紹介ページより画像引用)
フルモデルチェンジ後は、全体が黒のつや消しブラックになり、レバー操作部にはやけど防止の為ベロア生地が貼られています。本体後部には点灯時間積算計が標準装備され、管理側は助かります。
また、レンズ側前面には、操作用のプレートが装備されています。
クセノンランプから放射される熱や整流器の騒音もだいぶ抑えられて、長時間の操作での苦痛が軽減されました。
また、3kwピンは軽量化のためボディがアルミニウム製になり、操作性も増しました。
操作性は変わらず
フルモデルチェンジする際に扱いやすさ、メンテナンス性を徹底的に追求したとのことですが、根本的な操作性については一切改善されていません。
今までのクセノンピンスポットと、フルモデルチェンジされたタイプを比べてみました。
フルモデルチェンジするならここ!!
カラーチェンジャーはいらない
まず、カラーチェンジャーは全く使用する機会がありません。にも関わらず未だにカラーチェンジャーは標準装備です。
どのホールでも、ピンスポット納入時に段ボールを開封することなく倉庫の片隅に追いやられて、埃をかぶっているのが現状です。
照準器を標準装備に
まず、目標を外さずにきれいにフォローすることが大前提です。そのために、オペレーターはバインド線や、白ガムテなど様々なものを使って照準を作ります。
また最近では、サバイバルゲームで使用するモデルガンに装着するダットサイトという照準器を使用しています。
そのままでは使用できないので、モデルガン用のレールやステーを装着し、マグネットを付けるなどの改良を加えた上で使用しています。
この照準器をピンスポットライト本体に標準装備してほしいのです。
今ではAmazonで安く手に入るほど普及している照準器が、ピンスポットに標準装備されていないこと自体が不思議でなりません。
照準器が装備されていれば、オペレーターは照準器を持って来る必要がなくなり、荷物が減ります。
また、時間のない現場でも、照準器を装着して調整する時間を省くことができるのです。
カラーフィルターを仮固定
ライブやコンサートでは、右手に何枚ものカラーフィルターを持ち、キッカケで瞬時に色を変えています。そのため、ガイドレールで固定するのではなく、バインド線で仮止めできるようにしています。
このカラーフィルター止めに付いても、フックのようなすぐに色替えできる仕様のものを標準装備してほしいです。
操作バーの標準装備
今回のフルモデルチェンジで、前面にフロントフォローフックという手を入れて本体を固定するためのプレートが装着されました。
しかし、このプレートは非常に薄いため持っているとすぐに手が痛くなります。また、装着位置が下側で本体のバランスが取れないため、ほとんど使っていません。
それよりも、前方の先端にハンドルを付けてほしいです。その方が、色替えもしながら持つことができます。
整流器の自動停止
松村電気製作所のサンビームは、ピンスポットを落とした後の冷却が終わると、自動停止してくれました。
バラシが終わって閉館間際の点検では、どうしてもバタバタしてしまって整流器の電源を落とし忘れてしまうことがあるのです。
レバー位置の変更
それから、シャッターやダウザーなどのレバー位置は、灯体真上のランプ側にある必要はないと思うのです。
あの位置にあるから、長時間焚いていると体勢がきつくなります。
あの位置にあるのは、アークピンで後ろ焚きしていたときの名残だと思います。今は前焚きしかしないのだから、前焚きの姿勢で楽に操作できる位置にあった方が、オペレーターとしては楽です。
3kWピンスポットの本体前面にマグネット装着できる
3kWピンは、軽量化のためアルミボディで構成されています。そのため、進行表を見るためのマグネットクリップや照準が装着できるようにステンレスもしくは鉄板を貼ってほしいのです。
ウシオライティングへのお願い
実際に、長時間操作するオペレーターとして操作してみてください。
そうすれば、改善点がまだまだ見えてくるはずです。
舞台照明にも、人間工学に基づいたユニバーサルデザインが必要です。このまま使いにくい機材や環境に無理やり合わせていては、身体を壊すだけです。
ウシオライティングには、もう一度フルモデルチェンジして、オペレーターに優しいピンスポットを開発してほしいです。
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こんにちは。最近くらげさんの画力が
とても上達していて、うらやましいです(笑)。
ピンスポもうまくかけてますね。
ピンに対する不満点。よくわかります。
デジタルの時代なんだから、
パソコンやモニターで追尾可能な
ピンが出りゃいいのに…
とか思っちゃいますよ(笑)。
いやもう灯体すべて電動になって、
シュートもすべて自動化しないかなと(笑)。
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みかんうさぎさん
絵が上達するよう、なるべく毎日描くようにしています。
このピンスポは、睡眠時間を削って3日掛けて描きました。でも、睡眠時間削ったらけっこうきつかった(笑)
もうね、あんな無骨で使いにくいピンスポットで身体に負担掛けたり、重たい棒を持って突いたり引っ掛けて動かしたりというアナログ仕事はもう止めにしたいです。
クラシックホールのときは、リモコンスポットを導入していたので楽チンでした。そのうち、改修と一緒にリモコンスポット導入という動きがどこの公共ホールでも起こればいいんですけどね。