第2回 舞台照明家同士でZoomお話し会(中編)

舞台照明家同士のZoomお話し会、今回は中編です。引き続き、助成金について。助成金の書類をどうやって理解するかについて話しています。

前回のお話:第2回 舞台照明家同士でZoomお話し会(前編)

助成金って本当にもらえるの?

中佐:助成金に応募しても、どうせ落ちちゃうしなーって思う気持ちはわかるんですよね。自分でやってる空間企画でも助成金の応募をしたんですけど全部落ち続けてきたから、そこでもらえないっていうのは「やるなよお前」って言われてるような気がしちゃって、なんかどんどん逆にへこむから出さないみたいに思っていましたね今までは。本当にお金に困るまでは。

岩城:そうですね、助成金って落ちちゃうってケースがあるから、そこが話をわかりにくくしているよね。道路だったら、予算が通らなかったから道路作るのやめますってなる。でも、演劇や舞台作品の場合は助成金が通らなくても予算でやるので公演中止にはならないからね。

僕ね、2月に一つ公演が中止になっているんですよ。実はこれ、ほぼ助成金だけでできている公演でした。公演中止になったのでお客さんは一人も来ていないんだけど、ゲネプロはやったのでギャラはほぼ満額出たんですよ。まったくチケット代は入ってきていないんだけど、一旦は事業として公共性が高いと判定されたから。言ってみれば、「誰も通らないけど道路を作ることは決まっていた」という感じ。実際には多くの関係者がゲネプロを見に来たんだけど、一般には公開しなかった。

松本(永):ちょっと関係のない話ですけど、数年前にLEDの電球が出始めていた頃に店舗照明の仕事をしようとして、自分の会社で商工会議所の助成金を申請したことがあるんですよ。実際は通ったけれど、一部に「ここの部分は認められませんよ」っていうのがあって、実はそこが一番キモになる部分だったのでやめちゃったんですよね。

今回の持続化給付金の場合はハードルが低くて出せばもらいやすいんですけど、もらえない癖がついてしまっている人にとって、持続化給付金ですらさっき中佐さんが言ってたみたいに「どうせもらえないんじゃないか」みたいに思っちゃうじゃないですか。最初の助成金のときに商工会議所の人と相談ししたときに思ったんですけど、書類を作る技術というのがめちゃくちゃでかいなと。それが身に付くと、この助成金は誰にあげたがっているのかがわかるんですよね。それを解説してくれて、もらえない範囲のことはちゃんと書かないで、必要なことをしっかり書くとけっこう通るんですよね。よっぽど抽選とかコンペみたいなもらえる人数が限られているもの以外はもらえる確率はけっこう上がるだろうなという気はしていますね。

すごくハードルの低い持続化給付金ですら、申告したことがないからわからないから絶対出さないって言う人を、さっき言った彼女らが指導して取らせてあげたり、岩城さんが言っていたように可能性のある人にまず知ってもらうというようにハードルを下げてあげるという活動がすごく必要だなと思います。未だに生活保護を揶揄する人がたくさんいるように、お上から何かもらうことによくわからない罪悪感みたいなの持ってる人ってたくさんいると思う。そこをいかに下げて、自分のやっていることがほんのちょっぴりかもしれないけど公共性があって自慰的なものではなく、人と繋がりながら社会を動かしてるんだって思えるようになるということを、岩城さんはそういうハードルと闘いながら人に伝えていくのかなと思います。

岩城:あいちトリエンナーレのときも言われたロジックが、「そんなことに使う金があるんだったら」って言い方したじゃないですか。文化芸術にお金を出すとその分何かにお金が出なくなるっていう認識ですよね。でもそれ結論としては間違ってるんですよ。少なくとも国家予算に関しては、一定の予算があってそれをどう分けるかっていう話じゃないんです。国家予算というのは額が決まっていないので。地方自治体はちょっと違うんですけど。国の場合は日本円を発行できるので実は全然パイの大きさが決まっていなくて、いくらでも増やせるんですね。国家予算の収入と支出って30年ぐらいずっと赤字なんですよ。だからそもそもパイを分け合うってことにすらなってないので、仮に自分が助成金をもらったからといって他に何かが減るわけじゃない。これ大事な認識だと思うのでそこの説明をしなきゃいけない。でもこれね、理屈も難しいので伝わるかな。

松本(永):そのへんはカウンターとして、そういう問い合わせがあった時にそういう答えを用意しておけばいいと思います。

中佐:今の言葉だけで大丈夫です。「君がもらったからといって国家予算が減るわけじゃない」と、それをはっきり言ってもらうだけでも十分です。

岩城:そうか、別に理屈まで説明しなくてもいいんだね。事実として、実際はそうなんだよってことだけでいいのかな。

松本(永):突っ込みたいときに突っ込んできたら返せばいいんだから、多くの人に大事なことが伝わるだけでいいんじゃないかと思いますね。

(ここで現場を抜け出した伊藤馨氏が登場)

岩城:あ、伊藤馨さんの状況が安定したみたいですね。

今後の観劇の形

伊藤:今、「アートにエールを!」の仕事していて。あ、年内の仕事はとうとう全部飛びました。

松本(永):年内まで来ましたか。

伊藤:そうです。12月いっぱいまでは公共系の仕事は全部飛びました。子供絡みの仕事があったので、飛んだのかなって気がする。ちょっと態勢がどうしても立て直せないっていうか。だから次年度以降をどうしていこうかなってこれからなっていくんじゃないかと思います。厳しいですね。

松本(永):なんか前回(注:前回のZoomお話し会)でワークショップがどうのって言っていたのは馨さんだっけ。

伊藤:ワークショップ自体はやれることにはなっています。ただ、コロナの状況次第では中止になるかもしれないので、全然見通し立たないかな。舞台の方はどっちかと言うとレギュレーションが厳しい現場が多くて、それくらいでやめるっていうところのハードルが低いところでやめるってところを受けていたから、この手の事態には弱いなって感じです。

岩城:なるほど。「アートにエールを!」もそうなんだけど、新しい発信、新しい形式には予算が付きやすいんだけど僕がやってきたような絶滅危惧種みたいになってる古い照明のやり方ね、観客が間近で見てないとダメみたいなものはもう滅びちゃうのかなという危惧を持っているんですけど。

伊藤:僕は意外とそうでもないんじゃないかなって思っていて。自分の現場は飛んでいるんですけど、観客に覚悟を求めるようになっていくので、それはいいことじゃないかと思う。「作品を見るってことはそういう(感染症の)リスクを必ずあなたも負いますよ」っていう同意しないと見られないというのは、演劇的には最終的にいいことなんだと思う。ここのところ、テレビを見るみたいに演劇を観に来る人も多かったから、そういう人たちに「そんなんじゃダメだよ。ちゃんと一緒に作品を作るところに来ないと見られないよ」っていうハードルを作ることになると思うし、それがちゃんと観客がに広まっていけば戻ってくるんじゃないかな。

岩城:なるほど。それは非常に勇気づけられる考えですね。

伊藤:僕は仲間たちとなんとかやっていこうって話をしている。あと、お客さんたちも「やってください」「なんとかして観に行きます」っていう人が多いんですよね。だから、たぶんそういう線が出来上がるんじゃないかな。文化庁の出している助成金の指針が3/4なのか2/3になるのかわからないけど、僕たちスタッフが事業を続けていくための指針が先週出たので、7月半ばまでには確定すると思うんですけど、それ次第って思ってる。

助成金の書類は理解が難しい

岩城:助成金の補助率のことですね。ICT、要するにネット関係ですね。ICTを活用した場合は3/4出るけど、通常の場合は2/3。ただし、コロナ対策の場合は定額で出ます。いやもうこれだけでもわかりにくいんだけど、これ考える人が頭良すぎるんだよ。

伊藤:いやこれね、フォーマットが芸文振(注:芸術文化振興基金)の助成にコロナ対策乗っけただけだからこうなっちゃったんですよ。一番近い制度設計をそのまま使っちゃったんですよ。でも、速度を優先したらそうなるんじゃないかなと思うので、動いたことは良かったと思う。あとは劇場サイド側の詩森さん(注:詩森ろば @shimorix)とかいろいろな人が動いてくれたのでそういうのが良かったんだと思う。またここからどうしていきたいか、もっと詰めていったらいいと思う。

岩城:いちおう、今週(注:7月第一週)に概要が出るっていうのが一番新しい情報で、7月7日くらいに申請の受付が始まるというのがもっぱら噂されています。

松本(永):そうなると、岩城さんのような読み解ける人がどれだけ解説してあげられるかにかかっている気がしますね。あのままだと普通の人には読めないと思う。

松本(謙):さっき永さんが言った書類とか手続きもう全然わからないっていうのは、俺とかそういう人なのですごくよくわかる話なんですよ。俺も持続化給付金もなんか手続きするの無理だなと思ってました。大阪では制作の尾崎商店さんってところが確定申告して給付金をもらうための講習会みたいなのやったりしてます。

でもさっき言っていた岩城さんの「頭良すぎる」というのはすごくよく分かります。人間って自分に向いていない仕事はやれないじゃないですか。役所の人たちって書類とか手続きとかやってて苦にならないから仕事ができるんですよね。だからそれが苦になる人の気持ちをわかって作れないんだと思うんですよね。

岩城:そうなんですよ。そこなんですよね、どうしたらいいのか。僕ががんばるしかないよね。

パワポレベルの解説がほしい

中佐:書類の何をしてはいけないとか、私は全然読み解けなくて、受かったはいいけど人に読んでもらって説明してもらう感じだから、パワーポイントで「お金が欲しい。何をしよう」みたいなくらい噛み砕いてやってくれる人がいたらすごい助かるなと思う。

岩城:やっぱり、パワーポイントかね。

松本(永):パワポレベルだと思います。ああいう情報量じゃないと頭で理解できないんですよね。私なんかそこそこ読むの得意なんだけど、実際に作ってみたらわかる人にはツッコミどころ満載だったみたい。雇用調整助成金も出したんですけど、初期の頃と比べると書類が1/10くらいに書類が減ってすごく簡単になったんですよ。だけど、随所随所に引っ掛けどころがあって、簡単になってもまだかなり読み解いた上で過去の事例を調べないとひっかけ部分がわからないという感じで。それを、同業者である照明さんが言ってくれるとわかるんですよ。

中佐:知っている言葉で説明して欲しい。

松本(永):そうそう、分かる言葉っていうところが大事。だから岩城さんに解説してもらえるのは舞台スタッフにとってすごくありがたいことだと思うんですよね。だから管理職に入ってずっと管理をしている人はだんだん言葉が変わってきちゃうんで。だからそこは期待しています。何か手伝えることがあったら手伝います。

中佐:何か手伝えることがあったら手伝います。

松本(永):書類のチェックとかひっかけ部分があったらモニターします。

岩城:僕自身は書類読み解いたりするのは得意だと思っていますけど、一番大きい問題は僕自身助成金の申請の経験がないんですよ。一個もやったことがないの。だから中佐さんや永さんに教えてもらわないといけないですね。

中佐:勉強会しましょう。

松本(永):あ、勉強会いいですね。そこで引っ掛けどころがリアルタイムで「え、そこでひっかかるの?」って感じでわかる気がする。

岩城:僕は今週に文化庁から助成金の概要が出たら、文化庁が言っている4つぼ助成金の中の1つだけ、「最大20万」というのだけを解説しようと思っているんですよ。

支援内容が4つあって、1番の「標準的な取組を行うフリーランス等向け」というのだけやろうと思って。2番以降は普通のフリーはあまり該当しないだろうと思っていて。ただこれ給付金じゃないので、何に使うかを書かないといけないんですね。そして使ったあとは何に使ったかを書いて領収書を出して初めて成立するのであって、ただお金をくれるってわけじゃないからここが難しいんですよね。

松本(永):これぜひやってほしいですね。たぶん穴埋め的なものが作れると思うんですよ。「あなたの目的は何ですか」というのがあって答えによっては「こういうものを用意しないといけない」と言う感じのを作れそうな気がして。全部を理解してもらって届けるというのは至難の技だと思うので、最低限誰でも使えるかもしれないひな形作りみたいになってくるんじゃないかと思う。

くらげ:チャートみたいな。

松本(永):そう、チャートみたいな感じ。マニュアルはパワポレベルの文字数にしておけば行けそうな気がします。ただ個人的な味を出そうとするのはダメなんで、大まかなひな形を作るのは可能な気がしています。

中佐:絶対ほしい答えってあるんですよね。審査側も。

松本(永):書いてほしいことって絶対あって、どういうことが向こうにとって受け入れやすいかっていうポイントは必ずあるので、それは編み出せそうな気がします。

くらげ:映像の解説だけでなくて、画像でチャートみたいに図式化すればより見やすいのかなって思います。

中佐:チャットで申請書等の様式が発表されるのでしょうかって。

岩城:そうですね、申請書の様式等も発表されるという噂です。正式発表じゃないですけど。僕も初めてなので。てかひどいよね、助成金申請したことのない人間が解説しようとしているんだから無謀もいいところだよね。でもそれくらい差し迫っているので。3割位は僕の情熱なんだけどね。

松本(永):いやでも本当にやってくれて助かる人は間違いなくたくさんいるのでありがたいです。もらわず嫌いの人が多いと思っているので、その人がちょっとやる気を出すだけでぜんぜん違うと思います。

助成金をもらうことは悪いことじゃない

岩城:助成金をもらうっていうのはそこに国の予算を使わせるっていうことなので、私たちがやってることの価値を認めさせるということの一環なんですよね。助成金を取るっていうのは業界のためになるというのは言ったほうがいいかもしれないですね。

松本(永):それ言ったほうがいい。そう思っていない人も多いんで。

中佐:思っていないです。そこまで想像できないですね。

松本(永):だからみんな1人1人が「実はこんなことをやってるんだ」っていうアピールするって言わないと。それこそ一人一票じゃないけれど、こたくさんの人が名乗りを上げて、結果的にもらえる人が少なかったとしてもたくさん名乗りを上げたほうがあとから絶対いい効果が出るのではないでしょうか。

松本(謙):徳島でフードストレージ(注:無料食料庫のこと。子ども食堂などで食料を提供している)やってる人を Twitter でフォローしてるんですけど、その人が「緊急小口資金の貸付20万を絶対みんな取れ!」って言い続けているんです。「それを利用する人が多いことが伝われば、そんだけ困ってるんだってことが行政に伝わる。無利子で借りて返せるんやから何もリスクない。もう絶対これだけは申し込めって言い続けている。」と。それはすごいよくわかりましたね。

岩城:それ文化庁も言ってましたね。文化庁を呼んで説明を聞く会に出てきたんですけど、たくさん申し込んでくれた方が必要性が伝わるんですよね。役所としてもそれで自分のところの予算が翌年もキープされるので、それはいいことなんですよね。担当の役所って実は味方だから、そこはどんどん味方にしていかなくてはいけないんですよね。仲間割れしている場合じゃないですよ。

中佐:ちょっと前にいろんなところが署名をたくさんやっていたじゃないですか。その署名をしたからこの予算が通ったのかなって思いました。

岩城:それはそうだと思いますね。直接的には国会で通ったわけだけど、国会議員が何を背景にしているかと言うと世論を背景しているんでしょね。もちろんそれは自分が当選するための票かもしれないけど、世論を背景にがんばってくれたので予算が通ったということは言えると思う。

行政も舞台も縦割り

岩城:文化庁は「補償はしない」というのははっきり言っています。つまりコロナでマイナスになった分を埋めるのは文化庁はやりませんと。経産省(経済産業省)の持続化給付金及び内閣府の定額給付金が損失の穴埋めをするという趣旨で、文化庁はあくまでも新たなものに対して助成をするというものなんですという説明をされたんです。

これに対して、どうしてなのかという質問が来た場合、僕の考えた答えが「セクションが違う」ということ。例えば、スピーカーケーブルの立ち上げの介錯をしてと言われたとき、音響さんがいれば音響さんがやるじゃないですか。だから損失の補填は文化庁がやることじゃないんですよね。要は縦割りということなんだけど。そういう意味では僕らの仕事は縦割りだよね。照明機材は他のセクションの人は絶対に触れないじゃない。そういう意味では考え方は意外と役所の仕事と似ているのかもしれない。

松本(謙):縦割りの無意味さとかを今感じていて。コロナで中止になった近畿2府5県のリストを作ったんですよ。対策っていうのは府県でやっているじゃないですか。でも笑い話になっていたけど、大阪府と兵庫県の往来禁止とか意味わからないんですよね。近畿2府5県ぐらいは少なくともひとかたまりですわ。中止になった公演も、団体は関西やけど夏の東京公演が全部中止になったとか、そういうことが起きてるから縦割りやっていても見えてこないなってことをすごく感じました。

岩城:人が役割に囚われすぎているというのは確かに問題で、「それは自分の仕事じゃない」とか「それは俺の仕事だ」みたいに囚われすぎても良くないと僕もずっとそう思ってきたんですが、ちょっと最近気がついたのはある程度役目を割ってあげないと自分の仕事がなくなっちゃう人がいるんですよね。マルチプレイヤーのような人は何でもやればいいんですけど、それによってやることを奪われる人がいるんですよね。

それを海外に行って気付いたんですけど、基本的にシュートはずっと自分でやっていたんですね。一台残らずフォーカスは自分で触らないと気が済まなかったので、全部脚立に乗ったりタワーに乗ったりブリッジに乗ったりしてやっていたんだけど、どこかの国で「機材に触れるのはうちのスタッフだけで、それは彼らの仕事なんだからお前はデザイナーなんだから下で指示していればいいんだ」と言われたときに、「うーん」と唸ったね、そのときは。縦割りってほどではないにしろ、何か役目というのがないと困る人もいるんだよね。

松本(永):ヨーロッパに行っても、人の仕事を取るということはダメなことなので自分の職能以外のことをできてもやっちゃいけないというのを厳格に言われますよね。それで言うと日本は縦割りじゃない国で、デザイナーとテクニシャンでやることは全く違うし何もかも違うんだけどね。私も外国に行って知りました。

岩城:日本でも僕たちからは見えないところで役目を与えられないと困っている人はいるのかな。見えないからと言ってないと思っちゃいけないのかなと思いました。

窮状に陥らないと表には伝わらない

くらげ:そういう意味では、裏方とか舞台スタッフって表に出ちゃいけないから発言しない人たちってのがあまりにも多すぎたんじゃないかなって思います。ノウハウもとにかく自分たちの中だけに収めて、何をしているかさえ出さないから、こうやって今窮状に陥ってる状態になって初めてようやくそういう人たちがいるんだなっていうのが見えてきたって言う感じですよね。そういう意味ではもっと出していかなきゃいけない部分もあるんじゃないかなってのが今回ちょっと感じました。

松本(永):ちょっと話がずれるんですけど、三味線の大手が廃業しましたよね。新聞やネットにも出たんですけど。

そこが日本最大の三味線メーカーで、昔は1万丁だったのが、最近だと年に4〜500丁とどんどん減り続けていて、それがこのコロナで全然発注がなくなって6月に閉めることを決めたら追加注文が出たので8月まで伸びたって話を聞きました。ただここがなくなると、あらゆる邦楽関係の奏者が困るんじゃないかと言われているんだけど、今はそれを支えることすらできていない状態。今まで邦楽や日本舞踊に携わってきたのに初めて聞いたんですよね。本当に窮状に陥るまで表に伝わらないというのが、さっきくらげさんが言っていたようなことに繋がるのかなと。

城:まさしくそういうところこそ、行政の力で救っていかないと行けないんじゃないかって思いますね。

松本(永):それと同じように僕らの舞台の仕事も公共性があると思うし、大阪市が維新(維新の会)になってから文楽やなんかを「あんなのはいらない。自分たちのチケット代で食えないのなんかなくなっちゃえばいい」と言う流れになっている。すっと受け継いできたものに対して冷たくないかなって思いますね。でもそれがまかり通るような流れに世の中がどんどんなっていますよね。

岩城:言うべきことを言うようにしていかないといけないですね。

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お話はまだまだ続きますが、今回はここまで。続きは後編でお楽しみください。

第2回 舞台照明家同士でZoomお話し会(後編)

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