秩父地方は山に囲まれているため1日の寒暖の差が大きい土地で、氷柱ができる条件に適した土地です。その厳しい寒さと自然を利用して、毎年秩父地方三箇所で氷柱(つらら)を見せるイベントが開催されています。それが、「秩父三大氷柱(ちちぶさんだいひょうちゅう)」です。
秩父三大氷柱は、「秩父市大滝・三十槌(みそつち)の氷柱」、「小鹿野町・尾ノ内渓谷の氷柱」、「横瀬町・あしがくぼの氷柱」で1月から2月にかけて開催されていて、各氷柱とも期間中にライトアップやイベント等が行われています。
今回、この秩父三大氷柱をカブで見に行ってみたので、ご紹介します。
あしがくぼの氷柱
あしがくぼの氷柱は、横瀬町の西武鉄道芦ケ久保駅近くの山林に沢水をスプリンクラーなどで散水して凍らせ、徐々につくり上げています。線路のすぐ近くなので、電車の窓から見ることもできます。
三大氷柱の中で一番アクセスがよく、西武秩父線芦ヶ久保駅から徒歩10分ほどで到着します。
駐車場は道の駅あしがくぼの第2駐車場が使われていますが、砂利道で路面が不安定なのでバイクは要注意です。道の駅あしがくぼからもすぐなので、バイクの方は道の駅のバイク置き場に停めたほうが無難です。トイレも道の駅で済ませておきましょう。
チケットを買ってしばらく進むと、西武鉄道の線路前に入口があります。目の前に現れた氷柱は思っていた以上に神秘的で、しばらく圧倒されていました。
山の斜面全体が荘厳な氷に覆われていて、まるで氷の世界に迷い込んだかのようです。
順路通りに進んでいくと、斜面の上に休憩所があって、無料の甘酒が振る舞われています。ドラム缶を利用した薪ストーブも焚かれているので、冷えた身体を温めながら氷の芸術を眺めることができます。
場所 | あしがくぼの氷柱 |
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営業時間 | 【月曜日~金曜日】午前9時~午後4時 【土日祝日】午前9時~午後4時(一部予約制) |
入場料金 | ☀日中 400円(中学生以上) ★ライトアップ 500円(中学生以上)300円(小学生) |
駐車場 | 道の駅果樹公園あしがくぼ 第二駐車場100台 |
住所 | 埼玉県秩父郡横瀬町大字芦ヶ久保 |
サイト | あしがくぼの氷柱|歩楽里よこぜ |
三十槌の氷柱
三十槌(みそつち)の氷柱(つらら)」は、大滝地区にある荒川沿いの崖に形成されています。岩清水が凍ってできた天然ゾーンと崖に流した水が凍った人工ゾーンがあり、川の向こう岸から鑑賞できます。
駐車場はキャンプ場の駐車場を利用します。ウッドルーフ奥秩父オートキャンプ場と槌打キャンプ場の二箇所ありますが、ウッドルーフ奥秩父オートキャンプ場は会場まで徒歩3分なのに対して槌打キャンプ場は徒歩8分掛かるので、ウッドルーフの駐車場のほうが近いです。
ただ、あまり広くないのでバイク専用スペースは2台くらいしか停められません。混んでいるときは駐車場の誘導係に従ってください。
公共交通機関を使う場合は、秩父鉄道三峰口から西武観光バス20分、三十槌停留所で下車し徒歩ですぐの場所です。
駐車場から下っていくとチケット売り場があり、さらに下ると会場に着きます。
岩から湧き出る清水でつくり出された天然氷柱ゾーン。
崖に流した水でつくり出された人工ゾーン。
駐車場にはカフェスペースや売店もあり、店の前には焚き火があるので、暖まることができます。
三十槌の氷柱では平日でも夜間ライトアップを開催しています。ただし昼間でも非常に冷え込むので、夜間は完全防寒装備で行ったほうが良さそうです。
場所 | 三十槌の氷柱 |
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営業時間 | 2022年1月7日(金)から 2月23日(水・祝日) 8:30~17:00(ライトアップ時は平日19:00,土日祝祭日は20:00まで) (氷の状況により終了が早まる場合があります。) |
入場料金 | 一人 200円(中学生以上) |
駐車場 | 普通車 500円/バイク 200円 |
住所 | 〒369-1901 埼玉県秩父市大滝4066-2 |
サイト | 三十槌の氷柱|ウッドルーフ奥秩父オートキャンプ場 |
尾ノ内氷柱
三十槌の氷柱は、尾ノ内渓谷の自然を利用し、両神山を源流とした尾ノ内沢から500mもパイプを引いて人工的に作りあげられた氷柱です。現地に架かるつり橋からは氷柱の間を流れ落ちる滝も見られます。
秩父三大氷柱の中で一番アクセスが悪く、群馬県境に近いため秩父市内中心部からでも1時間くらいかかります。公共交通機関ではアクセスしづらいため、車やバイクは必須です。また開催時間も16時までと短いため、一日で3箇所周るときには要注意です。
くらげは間に合わなかったので、翌日の午前中に訪れました。
駐車場は国道299号線から林道八日見線に入った場所にあります。かなり急な道を登っていくので、大型車の方は要注意です。バイク駐輪場は駐車場の奥にあります。5台くらい停められそうなスペースです。
会場は駐車場の先にあります。途中のチケット売り場でチケットを買って進みます。
途中には竹でつくられた灯籠が設置されています。これは夜間ライトアップのときに見るときれいなんだろうな。
吊橋の前の広場。
このように散水しているので、すくすくと氷柱が育っています。
氷の結晶。
これが吊橋。
それでは渡ります。
けっこう足元は怖いです。
滝は凍っていませんでした。
絶えずパイプからは水が放出されています。
なんかクラゲっぽいのがいますね。
ライトアップしているのはLED PARという種類のライトです。これで色を変えたりしながら照らすことができます。
写真は撮り忘れましたが、ここでもドラム缶の薪ストーブが焚かれていて、暖まることができます。ただ、コロナの影響で飲食は販売されていませんでした。
焚き火に当たりながら地元の方に話を伺ったところ、ここ尾ノ内では過去にマイナス17度くらいまで気温が下がることがあるそうです。その時はさすがに滝も凍ったとのこと。ここ数年は温暖化のせいかそこまで気温が下がることはないそうです。
また、雪が降ったときは国道から会場まで除雪作業を行うそうなので、スタッドレスタイヤを履いていれば来れるとのことでした。
場所 | 尾ノ内氷柱 |
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営業時間 | 2022年1月9日(日)から2022年2月27日(日) 午前8時から午後4時 ライトアップ 土曜日、日曜日のみ日没から午後8時 |
入場料金 | 1人 400円(中学生以上) |
駐車場 | 無料 |
住所 | 埼玉県秩父郡小鹿野町河原沢996-1 |
サイト | 尾ノ内氷柱|西秩父商工会 |
ひさつき氷柱
尾ノ内氷柱に向かう途中の国道299号線沿いで見つけたのが、「ひさつき氷柱」です。小鹿野町三山の久月地区の住民の方々が人工的につくり出しています。
何本も立っているノボリが目印です。駐車場はありますが、誘導係や案内係は一切いません。駐車場内の小屋の壁にある料金箱に環境協力金を入れます。提示されている金額はありません。
ちょうど同じようにノボリに釣られて来た老夫婦が「ここはなんだろう」と言いながら様子を見に行きましたが、すぐに戻ってくるとカメラを持ってまた向かっていきました。
こちらがひさつき氷柱。
立派な氷柱が育っています。
カメラを構える老夫婦。二人して夢中で撮っていました。熊鈴を装備していたので、もしかしたら登山の帰りに立ち寄ったのかも知れません。
規模は小さくライトアップなどはやっていませんが、人がぜんぜんおらず向こう岸に渡って氷柱の近くまで寄れるので、結構穴場かもしれません。
場所 | ひさつき氷柱 |
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入場料金 | 環境協力金として有志で |
駐車場 | 無料 |
住所 | 〒368-0112 埼玉県 秩父郡 小鹿野町 三山 |
締めくくり
今回、一日で秩父三大氷柱を周る予定でした。しかし芦ヶ久保に着いたのが12時だったので、三十槌から尾ノ内へ行ったときには開催時間内にたどり着けませんでした。意外と秩父地方は広いんです。それぞれの会場を移動するのに、1時間はかかります。
たまたま宿泊を取っていたのもあったので翌日に周ることができましたが、一日で周るなら早い時間帯から周ったほうがよさそうです。
路面の状況も心配でしたが、どの会場も路面は乾いていて、凍結箇所はありませんでした。ただし、朝早い時間帯となると三十槌や尾ノ内辺りは凍結の可能性もありますので、十分注意してください。
それと、各会場とも昼間でもかなり冷え込みます。おそらく夜は氷点下まで冷え込むと思うので、夜間ライトアップを鑑賞するときはしっかりと防寒対策をしてください。
秩父は 広い ただ 楽しい🕺(笑)。