富士山の山梨県側、北麓には富士山や火山の溶岩流がせき止められてできた富士五湖があります。富士五湖は、「河口湖」「本栖湖」「精進湖」「西湖」「山中湖」という5つの湖の総称で、富士箱根伊豆国立公園に指定されています。
富士五湖の周辺は豊かな自然に恵まれて、キャンプや釣り、登山などのアウトドアスポットとしても人気のエリアです。
富士五湖を一筆書きで巡るには、国道413号線で山梨県道志村を経由、もしくは国道138号線で静岡県御殿場市を経由して山中湖をスタート地点にするルートと、国道356号線精進ブルーラインで精進湖をスタート地点とするルートがあります。
精進湖から巡るコースはリトルカブのときに周ったことがあります。
リトルカブで富士五湖を巡るツーリング
今回は同じルートをスーパーカブC125で巡っていくことにします。
国道20号線と358号線で精進湖に向かうよ
まずは国道20号線で甲府まで向かいます。家を出たのは、7時過ぎ。ラッシュを乗り越え、甲府市内までやってきました。
国道358号線に入りには、ニトリ甲府店の近くにある中小河原交差点を左折します。しかし、うっかり見落としてしまったくらげは、なんとそのまま中央自動車道双葉SA近くまで走り続けてしまうのです。
ここでようやくおかしいことに気づいて10km近くを引き返し、国道358号線精進湖ブルーラインに入ったのは12時過ぎになってしまいました。
前回、リトルカブのときは5時前に出て13時過ぎには巡り終えたので、C125だったら朝遅く出ても余裕で夕方までに回れるんじゃないかと思っていたのですが、さすがにここで12時を超えてしまうと夕方まで間に合うのか心配になってきます。
国道358号線を進んでいくと、やがて丘陵地帯に差し掛かります。丘陵地帯はちょうどももの開花時期だったこともあり、一面を濃いピンク色の花が染めていました。
やがて山奥に進むにつれて徐々に勾配はきつくなっていきますが、さすが125ccともなるとリトルカブと比べると余裕で進んでいきます。
小さな精進湖を巡るよ
精進湖は富士五湖の中で一番小さい湖です。その景観は東洋のスイスと呼ばれ、一人の英国人により明治時代から避暑地として海外に紹介されてきました。また、関東随一のヘラブナ釣りの名所で、シーズン中はたくさんの釣り客が訪れます。
その昔、現在の青木ヶ原の地に剗の海(せのうみ)という大きな湖がありました。今から約1200年前、西暦864年に起きた富士山の噴火(貞観大噴火)で流れ出た溶岩流によって大部分が埋め立てられ、そのときにできたのが、西湖と精進湖です。
流れ出た溶岩流の上に出来たのが青木ヶ原樹海で、この青木ヶ原の溶岩流は磁性鉱物を含んでいるために磁石がきかない「緑の魔境」と呼ばれています。
358号線から一番近い北岸から見た精進湖。冷たい風が吹き荒れていて湖面が波立っています。ここからは富士山がほんの一部しか見えません。
西側の富士山が見える場所まで移動しました。てっぺんは雲隠れしています。
精進湖の西岸を半周します。周囲はたった5kmしかないため、歩いても30分ほどで周れそうです。近くにはキャンプ場もあって、テントを張っている姿が見えました。この時期はまだ寒そうです。
そのまま国道139号線に出て、次は本栖湖を目指します。
本栖湖で富士山が見えるところを探すよ
本栖湖といえば、「ゆるキャン△」で一躍有名になった湖です。くらげが前回訪れたのは、まだアニメ化はされていない時期。アニメ化されて一気に本栖湖のキャンプ場が有名になり、今では冬でも付近のキャンプ場は大賑わいと聞きました。
本栖湖駐車場には売店があるので、ここで軽食を買ってのんびりすることもできます。周囲にはコンビニがないので貴重な存在です。
ここは本栖湖駐車場からすぐの東岸。この付近は比較的人も少なくて静かです。ここの駐車場は広くて停めやすいのですが、富士山は見ることができません。
こちらは、遊覧船のもぐらん。潜水艦の形をしていますが、その名の通り潜りません。営業日は土日祝日のみです。現在はコロナの影響で運休中。
続いて、本栖湖駐車場から県道709号本栖湖畔線を左回りでぐるっと一周してみようと思います。しかし、ゲートが閉められて道路が閉鎖されていました。冬季閉鎖かなと思って調べてみましたが、山梨県の道路規制情報を見ても閉鎖情報は書いてありませんでした。
仕方ないので、反対側の身延方面から周ります。こちらの身延方面は「ゆるキャン△」でおなじみの浩庵キャンプ場がある場所です。やはりアニメの影響は多大に出ていて、キャンプ場の駐車場にはたくさんの車が停まっています。キャンプ場内は色とりどりのテントが所狭しと並んでいて、満員状態でした。コミックだけのときは全然人がいなかったのに、アニメ化の影響恐るべし。
浩庵キャンプ場の方からぐるっと半周周ってみて、ようやく富士山が見えるスポットにたどり着けました。ここは本栖湖の西側です。
富士山も無事に拝めたので、次の湖に向かいます。西湖までは国道139号線で一度精進湖まで戻り、そのまま河口湖方面を進んでいきます。
精進湖東側、358号線との交差点を過ぎたところに、「赤池」という不思議な池があります。普段は枯渇していますが、大雨が降ると出現する一時的湖沼で、これまで40年間で出現が報告されたのは数回しかありません。
この日は、この赤池の存在を知らずに通り過ぎてしまいました。
静かな西湖を巡るよ
西湖は、西湖は精進湖と同じ、貞観の噴火によって流れ出た大量の溶岩の流れによって剗の海が分断されて生まれました。周囲は10.5kmで、富士五湖では精進湖に次いで小さい湖です。
大きな観光地化が西側が青木ヶ原樹海に隣接していて国道からも離れているため、周囲はとても静かです。
西湖の周辺には溶岩でできた洞窟がたくさんあり、蝙蝠穴や竜宮洞穴は国の天然記念物に指定されています。「フジマリモ」の群生地として有名で、ヒメマス釣りの名所として多くの釣り客が訪れます。
また、2010年12月に、国内唯一の生息地だった秋田県の田沢湖で、70年前に開発による水質の激変で絶滅したとされる日本固有の淡水魚「クニマス」の生息が西湖で確認されました。
西湖の根場浜にある町営駐車場から富士山を一望できます。
根場浜は西湖の西岸に位置していて、湖に細く突き出ている浜です。
岸の突端では数名の釣り客がのんびりと糸を垂らしていました。
夕暮れの河口湖でたそがれるよ
根場浜から西湖をぐるりと一周して県道710号線から139号線に戻り、河口湖を目指します。
河口湖はもともと山中湖、忍野八海とつながっていて、「宇津湖」と呼ばれていました。
延暦19年(西暦800年)、富士山の噴火による溶岩流が大量に流れ込み、宇津湖が現在の山中湖と「古忍野湖」に別れました。「古忍野湖」は徐々に水が干上がって忍野盆地となり、河口湖は溶岩流によって湖から流れ出していた川がせき止められて、現在の大きさになりました。
富士五湖の中では古くから観光地として開発され、ホテルなどの立ち並んでいます。湖の中央に鵜の島と呼ばれる小さな島があり、水の神の「豊玉姫命」や「弁天様」が祭られています。
以前はわかさぎ釣りが有名でしたが、最近はバスフィッシングのメッカとして多くの釣り客が訪れています。また、湖畔の桜や「大石公園」と「八木崎公園」のラベンダーなど季節の花々が目を楽しませてくれます。
時間はすでに17時過ぎ。ちょうど夕暮れ時の河口湖と富士山を眺めることができます。しかし、北側の富士山が見える絶景ポイントの場所にはまったくと言っていいほど駐車場がありません。
ぐるりと一周しながら駐車場を探していると、ようやく河川沿いに停められそうなところを見つけました。
夕暮れに染まる富士山と河口湖大橋。
河口湖大橋を渡って富士吉田方面に向かいます。この橋は開通当時は有料道路でしたが、2005年に無料化されました。富士山をほぼ正面に見ながら渡ることができます。
ほうとう不動でほうとうを食べるよ
河口湖の周囲は他の湖と比べて大きく観光地化されているので、食べるところと泊まるところには不自由しません。特に河口湖周辺はほうとうの激戦区。有名ほうとう店が何店舗も支店を構えています。
数あるほうとう店の中で、今回選んだのは「ほうとう不動 東恋路店」です。「ほうとう不動」はほうとう小作」と同じく何店舗も支店を構える有名店です。くらげはまだ、小作でしかほうとうを食べたことがなかったので今回は不動を選んでみました。
「ほうとう不動」は河口湖の周りだけで4店舗ありますが、「ほうとう不動 東恋路店」はちょっと変わった店構えをしているのです。
こちらがその店舗。雲のような不思議な形をしています。こんな建物、入ってみたくないわけがありません。
中はこんな感じ。思った以上に広いです。
間接照明がおしゃれな雰囲気を醸し出しています。まるでカフェかレストランです。
こんなおしゃれな雰囲気なので、店内BGMもおしゃれな曲がかかっていそうですが、BGMは民謡です。
メニューは至ってシンプル。
馬刺しを頼みました。半解凍状態なので、口に入れるとふんわりと溶けていきます。
ほうとうのメニューは一種類のみ。小作と比べて野菜しか入っていなくて汁もあっさりしていますが、くらげはこっちのほうが好みでした。
ちなみにお会計は現金のみ。このとき、うっかり現金を入れておくのを忘れていて、慌てて近くのコンビニまで降ろしに行きました。ふだんキャッシュレスに慣れてしまっていると、現金を入れておくのを忘れます。
場所 | ほうとう不動 東恋路店 |
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営業時間 | 午前11時 〜 午後8時 |
駐車場 | あり |
住所 | 山梨県南都留郡富士河口湖町船津東恋路2458 |
サイト | ほうとう不動 |
真っ暗闇の山中湖を眺めるよ
続いて、5つ目の山中湖に向かいます。
山中湖は面積が6.78平方キロメートルと富士五湖の中で最も大きい湖です。標高1,000mの高い位置にあるため夏は避暑地として人気で、別荘や企業の保養所や大学のセミナーハウスが立ち並ぶリゾート地として有名です。
グランドや体育館、テニスコートを保有する民宿や旅館もあるため、シーズン中は合宿をする学生たちで賑わいます。
また、白鳥が飛来する最南端の地で、白鳥が冬になるとコハクチョウやオオハクチョウが飛来し、優雅に湖面を泳いでいます。
今年の冬に、飛来した白鳥を見に行った様子をブログに書いています。
飛来している白鳥を見るために、スーパーカブC125で山中湖に行ってみた
早めに給油をしておこうとエネオスのセルフを探して富士吉田の街をウロウロしていたら、山中湖に着いたのは20時近くになってしまいました。
すでに辺りは真っ暗。山中湖も観光地化されているので、夜景が眺められるかなと思っていたのですが、思った以上に寂しい夜景でした。
さて、すっかり遅くなってしまったので国道413号線で帰ります。
締めくくり
リトルカブのときは、ただ富士五湖を巡りながら走るだけだったのでそれほど時間がかかりませんでしたが、富士五湖を巡りながらそれなりに観光をしようとするとそれなりに時間がかかることが、今回巡ってみてよくわかりました。
それくらい、富士五湖の周りには大自然と魅力的な観光スポットがいっぱいあります。
今度は富士五湖で釣りやキャンプなどのレジャーを楽しんでみるのもいいかもしれません。
おさらい
走行距離=301km
おばんです 今回はかなりのロングランでしたね。自分は山中湖畔に飲料水を引き取りに行ってた時期もあり 中々の遠さを感じております。昔 カブ仲間と山中湖畔に ほうとうを食べに行きましたが 肉が無いのをブーたれた事を思い出します(笑)。富士五湖は景観が違う湖で 飽きないですが やはり 仕事のイメージ上 山中湖推しになる私です 完全にひいきです(笑)。水が良いから わりと豆腐屋さんが多い気がします。 次回は豆腐屋巡りも中々楽しいかと思います。 但し帰り道 お土産📦買った場合 リーンウィズでバイク寝かさずに走らないと 豆腐が原型とどめないかも(笑)。では 次回も楽しみにしてます。
いのぶーさん
いらっしゃいませー。
このコースを以前リトルカブで走ったのだから、驚きです。
山中湖の豆腐屋さん、ぜんぜん見たことないですね。今度探してみます。