埼玉県の秩父地域には大規模なコンクリートダムが何箇所もあります。
埼玉に流れる荒川・利根川は、台風などの大雨が降るたびに反乱を繰り返されてきました。昭和22年に関東地方や東北地方に甚大な浸水被害をもたらしたカスリーン台風の襲来をきっかけに国は河川改訂改修計画に乗り出し、荒川水系と利根川水系に大規模なダムが次々に作られていきました。
今では、ダムの造形美と四季折々の景色を楽しむことのできるフォトジェニックな観光スポットとして多くの観光客が訪れています。
そんな大規模ダムの影でひっそりと山の中に佇むダムが、寄居町と本庄市にあります。観光地化されていないため訪れる人はダムマニアくらい地味なダムですが、のんびり釣りができたり散歩できる憩いの場になっています。
今回は、地味ダム3箇所をスーパーカブC125で巡ってみようと思います。
玉淀ダムを鑑賞するよ
玉淀ダムは、一級河川・荒川水系荒川に建設された高さ32メートルの重力式コンクリートダムです。1962年(昭和37年)に着工し、1964年(昭和39年)に完成しました。
かんがい・発電を目的とする埼玉県営の多目的ダムで、通常時はゲートを下ろして発電用水と農業用水を取水しています。
洪水調節機能はなく、洪水時にはゲートを開放してそのまま放流します。
埼玉のダムの中では一番アクセスが良い場所で、東京方面からだと関越道の花園ICを降りて国道140号線を走り、皆野寄居バイパス入り口すぐのところにあります。
もちろんくらげはカブなので、早朝に出発してトコトコと下道で来ましたが。
ダムは皆野寄居バイパスの末野大橋の真下近くにひっそりとあり、駐車場は2台ほど停められます。
ダムを管理している東京発電株式会社 埼玉事業所の建物を超えたところに東屋があり、そこからダムを眺めることができます。
洪水吐はゲート式になっていて、放流時にゲートが空いて放流されます。
末野大橋も間近で見られます。
ダムの堤頂は橋がかかっていて、渡ることができますが、徒歩のみです。堤頂へアクセスするには、東京発電の敷地をぐるっと回っていきます。
堤頂まで見学通路ができていて、間近に設備を見学することができます。
ちょうど取水口に溜まったゴミを機械がかき集めているところを見ることができました。奥の水色のロボットアームが取水口のフィルターに溜まったゴミをすくい取り、ベルトコンベアーに乗せます。
ゴミが堰き止められています。
こちらが取水口。このすぐ裏に発電施設があります。
反対側まで歩いてみます。
ダム湖は玉淀湖といいます。とても静かな雰囲気です。
反対側から眺めてみました。
地味だけど、思った以上に間近に設備を眺めることができて、楽しめるダムでした。
場所 | 玉淀ダム |
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ダム型式 | 重力式コンクリートダム |
河川名/水系名 | 荒川/荒川水系 |
堤頂長 | 110.0m |
堤高 | 32.0m |
ダム湖 | 玉淀湖 | 用途 | かんがい・発電 |
管理 | 埼玉県 |
駐車場 | あり 2台 |
住所 | 埼玉県大里郡寄居町大字末野 |
サイト | 【ダム】 玉淀ダム〔寄居町〕|埼玉県 |
円良田ダムを鑑賞するよ
続いて、円良田(つぶらた)ダムに向かいます。玉淀ダムから円良田ダムまでは、県道349号線を走って10分くらいで到着します。
円良田ダムは台形状に土を形成して作られたアースダムで、農業の灌漑用の溜池として作られました。昭和17年に着工し、昭和30年に完成しました。
ダム湖は円良田湖といい、埼玉県大里郡寄居町と児玉郡美里町の町界に位置しています。
円良田湖の周囲は周囲4.3kmで、春には周囲に植えられた1,500本のソメイヨシノが湖をピンク色に染めます。また、ヘラブナやワカサギ釣りも有名で、休日は多くの釣り客で賑わいます。
こちらが堤頂に繋がる橋。歴史を感じる橋です。
こちらが堤頂。車や人が通れます。
堤頂から見た下流側。下流側は第二駐車場になっています。
橋の下に放水路が通っています。
円良田ダムの洪水吐は自由越流方式です。一定以上の水位になると洪水吐を超えて、放流路に水が流れる仕組みになっています。
湖に突き出すようにして、建物が建っています。湖面は水位が上がれば自然に放流されるため、建物の床が浸水することはありません。
奥の赤い屋根が取水口です。
ここには、他にダムにないゆっくりとした時間が流れているように感じます。第一駐車場には売店があり、近くの農家が収穫した野菜が売られていて、この時期には安価で山菜も手に入れることができます。
山菜を見ていたら、売店の方がコーヒーを淹れてくれました。「東京からバイクで下道を走ってきた」というと驚かれていて、まるで地方の山奥にあるダムに来たような感覚を覚えました。
コーヒーをいただいたあと、片手で握れないほどの太さに束ねられたフキとワラビを買って円良田湖をあとにしました。
場所 | アースダム |
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ダム型式 | アースダム |
河川名/水系名 | 逆川/荒川水系 |
堤頂長 | 138.0m |
堤高 | 21.0m |
ダム湖 | 円良田湖 | 用途 | かんがい |
管理 | 埼玉県 |
駐車場 | あり 第1から第6まであるけどほぼ釣り客優先 |
住所 | 大里郡寄居町大字末野 |
サイト | 円良田湖|よりいで遊ぶ |
間瀬ダムを鑑賞するよ
間瀬ダムは日本で最古の農業専用の重力式コンクリートダムで、ダムの堰堤と堰堤の上を通っているコンクリート製の橋は、国の登録有形文化財になっています。1928年に着工し、1937年に完成しました。
洪水吐は自由越流式で、天端の下にある越流ゲートから下流へと放水されています。
ダム湖の間瀬湖はヘラブナ釣りが有名で、平日でも多くの釣り客が釣り糸を垂らしています。また、湖の周囲にはソメイヨシノが植えられているため、春になると花見客が訪れます。
間瀬ダムまでは、県道287号児玉長瀞線で向かいますが、長瀞方面の途中からと間瀬峠付近は、ローリング族防止のため二輪車通行止めになっています。
今回、くらげは円良田湖から県道349号広木折原線を北上し、国道254号線と県道175号線を経由して間瀬湖に向かいました。いつか、通行止めが解除されることを願います。
こちらが間瀬ダムの堤頂。以前は一般車両も通行できましたが、建造物保護のため、現在は関係者車両しか通行できません。
レトロな橋の欄干が歴史を感じます。
この建物は管理棟です。近代的なダムの無機質な管理棟と比べて、デザインがおしゃれです。自然と調和しているようにも感じます。
こちらが間瀬湖。のんびりと釣り人が釣り糸を垂らしています。
釣り用の貸しボートもあります。
下流側。下流側からは下からダムを眺められる場所がありますが、今回は立ち寄るのを忘れてしまいました。
場所 | 間瀬ダム |
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ダム型式 | 重力式コンクリート |
河川名/水系名 | 間瀬川/利根川水系 |
堤頂長 | 126.0m |
堤高 | 27.5m |
ダム湖 | 間瀬湖 | 用途 | かんがい |
管理 | 埼玉県 |
駐車場 | あり 下流にある間瀬堰堤用駐車場を利用(5〜6台) |
住所 | 埼玉県本庄市児玉町小平 |
サイト | 間瀬湖|本庄市観光協会 |
お昼ご飯はお蕎麦屋さんでいただくよ
3つのダムを回ったところで、ちょうどお昼の時間になりました。これからお昼ご飯を食べに、県道44号秩父児玉線に向かいます。
今回立ち寄るお店は、本庄市の県道44号秩父児玉線沿いにある、『ふれあいの里 いずみ亭』です。地元や観光客に人気のお蕎麦屋さんで、平日でもランチ客で賑わっています。
メニューはこんな感じ。
注文したのは、ざるそばと野菜天ぷら(小)です。あ、天ぷらを撮り忘れた。
天ぷらはこの時期、山菜が入っているのを期待しましたが、普通の野菜天ぷらでした。でも、かき揚げの玉ねぎが甘くておいしかったです。お店で天ぷらを食べると高確率でお腹を壊しますが、こちらの天ぷらは軽くて胃もたれしませんでした。
外には、たくさんの鯉のぼりが気持ちよさそうに泳いでいる姿が見えます。
カブと鯉のぼり。
場所 | ふれあいの里 いずみ亭 |
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営業時間 | AM11:00~PM3:00(平日) AM11:00~PM7:00(土・日・祝日) |
駐車場 | あり |
住所 | 〒367-0253 埼玉県本庄市児玉町河内209-1 |
サイト | 純 手打ちそば・うどんのお店 ふれあいの里いずみ亭 |
締めくくり
今回、小さなダムを3箇所周ってみたら、大規模ダムにはない魅力がぎっしりと詰まっていました。大規模ダムに比べるととても地味な存在ですが、その土地に馴染んでいて地域の人たちの憩いの場になっています。
また季節を変えて巡ってみるのも違った魅力を感じることができるかもしれません。その時は、ダムの俯瞰写真をちゃんと撮り忘れないようにしようと思います。
おさらい
走行距離=215km
毎度 地味ダムの旅 中々おつなネーミングですね。やはり若い時分 峠と言えば 走りに行くとこでしたね。当時から間瀬峠は2輪車通行止めでしたが 大垂水も通年125以下通行止めが解除になったので そろそろ解除してもいいような お堅い方々は頑固ですからね😅。ソバ屋さんのメニューに気になるものが きんぴら蕎麦って やはり群馬県近いから影響受けてるんでしょうね。群馬県の人はけんちん汁にうどん付けて食べ 更に追いきんぴらを入れて食べるとか。その蕎麦版なんですかね。家庭で出来そうだけど 結構興味ってか食べたい😋 食いしん坊の私です(笑)。
いのぶーさん
けんちん汁と追いきんぴら、おいしそうですね!今度家でもやってみます。
二輪車通行止めは最近、少しづつ解除が増えてきているので、永久的ではないと思いますが、遠くでけたたましいエンジン音が鳴り響いていたのでまだまだこの辺りは先かもしれません。