渡瀬遊水地をレンタサイクルでサイクリング

渡良瀬遊水地は、関東平野のほぼど真ん中に位置していて、栃木県、群馬県、茨城県、埼玉県の4県境をまたいでいる、ハート型の遊水地です。正式名称は谷中湖といいます。
広大な自然に囲まれていて、熱気球、スカイダイビングなどのスカイスポーツ、カヌー、ヨットなどのウォータースポーツやサイクリング、釣りなどを楽しむことができます。

今回は、渡良瀬遊水地で自転車を借りて、一周してみることにしました。

渡良瀬遊水地ってどんなところ?

渡瀬柚須市の総面積は3,300ヘクタール、洪水調節容量1億7680万立方メートル、外周30kmの日本最大級の遊水地です。渡良瀬川、思川、巴波川の3河川が流れ込んでいて、大雨で川が増水したときに一時的に貯め込んで洪水を防ぐ役割を持っています。また、洪水調節だけでなく、首都圏への都市用水の役割も果たしています。

遊水地の周囲は南北に約9キロメートル、東西に約6キロメートル、周囲の長さが約30キロメートルで堤防や台地により囲まれていて、本州以南最大の湿地にチュウヒをはじめとする絶滅危惧種183種を含む貴重な動植物が生息・生育する「自然の宝庫」となっています。
2012年7月には、渡国際的に重要な湿地の基準に該当したとして、ラムサール条約に登録されました。

渡良瀬遊水地の歴史

渡良瀬遊水地を散策する前に、まず遊水地が誕生するきっかけとなった歴史についてご紹介します。

明治時代、足尾銅山の銅産出量が飛躍的に伸びた結果、精錬のための木材乱伐、精錬所からの有害ガスの排出、山火事などによって山の保水力が低下。たびたび渡良瀬川の下流域の村々では洪水が頻発した結果、足尾銅山から流れ出た鉱毒によって作物が枯れ、豊富な魚介類が死滅するという被害が下流域にも拡大していきます。
そこで、被害を受けた栃木県谷中村の住民たちは、栃木県議会議員の田中正造とともに反対運動を起こしますが、なかなか聞き入れてもらえず被害は広がっていく一方でした。

明治36年(1903)、政府は洪水と鉱毒被害の対策という名目で、反対運動の強かった谷中村の堤内地を遊水地とすることを決定します。明治39年(1906)7月、谷中村は藤岡町と合併となって廃村になります。

その後、昭和10年、13年、22年と大洪水が発生したのを機に渡良瀬遊水地の調節池化事業が、1963(昭和38)年から1997(平成9)年にかけて行われました。

 計画当初は円形でしたが谷中村遺跡の保存運動が高まり、昭和47年(1972)に旧谷中村の役場、雷電神社、延命院などを残すことで貯水池の建設工事開始。こうして平成2年(1990)に現在のハート型の谷中湖(渡良瀬遊水地)が完成しました。

旧谷中村はちょうどハート型の凹んだ辺りに当たり、現在では谷中村史跡保全ゾーンとして残されています。

なお、今回は時間の都合上、訪れていません。

渡良瀬遊水地で自転車を借りるよ

さて、歴史を学んだところでさっそく自転車を借りて遊水地を一周することにします。

レンタサイクルは渡良瀬遊水地の周りに4箇所あります。
渡良瀬遊水地レンタサイクル総合案内

今回は、「谷中湖子供広場レンタルサイクルセンター」で借りることにします。ハート型の凹んだ部分の左側付近にある、子供広場ゾーンにあります。

自転車の種類はママチャリがほとんどです。料金は、大人が4時間までは400円。一日だと600円です。子供は4時間まで200円。一日だと400円です。
お支払いは現金のみです。借りるときに、連絡先を記入します。

水色の自転車を借りて、サドルを調整したらさっそく走り出します。

ところが。ここ4年の間、ずっと原動機付き自転車にしか乗っていなかったので、いざ原動機無し自転車に乗ってみるとどうやって乗っていたのか全然思い出せないのです。

まず、足がペダルを漕いでくれないし、右手は回らないハンドルを捻ろうとします。いざ漕ぎ出しても、車体が軽すぎてフラフラするし、カブに慣れてしまったせいで右足でブレーキを踏もうとするし、左手がブレーキを掛けようとしません。

カブしか乗っていなかった弊害がこんなところに現れるとは...。

自転車で遊水地を一周するよ

レンタサイクルセンターから遊水地の周遊道路に出ると、ここからはほぼ一方通行です。基本的に反時計回りで周っていきます。

この日は5月半ばの天気がいい日だったこともあって、強い日差しが照りつけています。遊水地の周りはなぜか生臭い匂いがけっこう広がっていて、なんだろうと思っていたら、打ち上げられた魚が腐った臭いでした。

骨の魚もいます。

湖面ではSUP(Stand Up Paddle Board)を楽しんでいる人がいました。気持ちよさそう。

谷中湖展望台で遊水地を一望

谷中湖展望台まで来ました。ここは、ハートの左側のてっぺんあたり。遊水地周辺を一望することができます。

遊水地。

反対側は草原地帯です。ここら一体にはヨシズの原料となるヨシが広がっています。

遊水地を離れてちょっと寄り道

渡良瀬遊水地のすぐ近くに、栃木県栃木市・群馬県板倉町・埼玉県加須市にまたがる県境があります。三県境は全国に40箇所ほどあるそうですが、ほとんどが河川沿いだったり山頂だったりして気軽には行けません。この三県境は田んぼのあぜ道にあるので三県境の中で唯一、気軽に訪れることができる場所なのです。

せっかくなので、自転車で三県境を訪れてみることにしました。

その前に、道の駅かぞわたらせでお昼ご飯を仕入れます。

三県境は、道の駅から自転車で3分くらいの田んぼの真中にあります。

栃木市、加須市が共同で整備した遊歩道。

手作り感あふれる説明書き。

これが三県境です。一足またぎで三県を移動することができます。

三県境を思う存分移動して満足したので、渡良瀬遊水地に戻ります。

再び、遊水地周辺をサイクリングするよ

遊水地の周辺には洪水調整のための水路が張り巡らされています。外を行き来するにはこの水路を渡ります。

昔はどこにでもあった川の風景がここには残っていました。

川の近くには桑の実が色づいています。

遊水地の左岸を下っていくと、橋が見えてきました。この橋は、ハートを斜めに分断するように掛かっていて、反対側の岸とハートのてっぺんの凹み部分に行けるようになっています。

この橋を渡れば、スタート地点の子供広場まで戻れますが、くらげは一周をしたかったので通り過ぎました。

しばらく走っていると、東屋が見えてきたのでここでお昼ご飯にします。

ご飯は、三県境に行く途中に立ち寄った「道の駅かぞわたらせ」で買った助六寿司。太巻きは卵やかんぴょうの代わりに焼き肉が入っています。

なんとしても一周したい

お昼ご飯を食べたあと、レンタサイクルセンターでもらった案内図を読んでいると、どうやら一周はできないことが判明。現在くらげがいる左岸を下っていくと、ハート型をした遊水地の先端部に貯水池機構という施設があって立入禁止になっています。

ここで予定を変更。左岸は相互通行なので、一度橋まで戻って橋を渡って遊水地の右岸に向かい、外周の道から先端部に向かいます。そして、先端から左岸に周り、帰ってくることにしました。

橋は右岸と左岸をつなぐだけでなく、北にある子供広場方面にもつながっています。サイクリングコースとしては、半周して橋を渡って戻るのが一般的のようです。

遊水地を囲むように流れている水路を渡ります。

あとはひたすら、先端部分を目指して南下します。水路の対岸は流入堤になっていて、満水のときはこの堤防を越えて水路に水が溢れ出ます。2019年の台風19号のときは、水路だけでなくヨシ原などの緑地を含んだ33平方キロに及ぶ敷地に水面が広がったそうです。
【速報】令和元年 台風19号において渡良瀬遊水地等の調節池で過去最大の洪水量 約2.5億㎥を貯留しました

普段は流れが少ないせいか、藻や水草が一面に広がっています。

漁をするための小舟が何艘か浮いていましたが、何年も使われていないようでした。

容赦なく日差しが照りつけ、少しずつ消耗していく中、必死にペダルを漕ぎますが一向に先端部は見えてきません。
ようやく見えてきたと思ったら...行き止まりでした...。

自転車を返しに戻るよ

失意と猛暑の中、元来た道を引き返して遊水地に戻ります。

戻ってきました。行き止まりの門の上には、大きな猛禽類が止まっています。ここは野鳥の楽園です。

水面には何やら建物が建っていて、中には入れるようですが、どうやって入るのかは謎です。

さて、今度は遊水地の右岸を走って子供広場に戻ります。右岸はほとんど木に覆われていて、遊水地の景色は望めませんが、湿地帯がよく見えます。ここでかくれんぼしたら、絶対見つからない。

ちょっと休憩。

気付いたら、さっき通り過ぎた水門と展望台のところまで来ていて、どこかで見た景色だなと思っていたら、さっき通ったところでした。行き過ぎたー!!
最初の方は自転車を漕ぐのに必死過ぎて、この辺りの記憶がすっかり飛んでいました。

しかし、周遊路は一方通行。子供広場まで戻るには、また橋まで進まないといけません。さすがにそこまでの体力は残っていないので、一度遊水地の外に出て、さっきカブで走った道路を戻ることにしました。
原動機付き自転車で走ったところを、原動機無し自転車で走ると、なかなか前に進んでいかないような気持ちになります。

16時過ぎ。ようやく自転車を返すことができました。いやー疲れた。

締めくくり

渡良瀬遊水地は、自然を楽しむことのできる楽園です。自転車で走らなくても、お弁当を持ってきて本を読んだりしながら一日ゆっくりすることもできます。
また季節を変えて来てみるのもよさそうです。ただ、5月上旬でさえかなり暑かったので、夏に走るのはかなりきついと思います。

ただ、都内から下道で日帰りはさすがにきついので、今度来るならら泊りがけで栃木の方にも足を伸ばしてみようかなと思います。

場所 渡良瀬遊水地
営業時間 3月1日~10月31日9時30分~17時まで
11月1日~11月30日9時30分~16時30分まで
12月1日~2月末日9時30分~16時まで
定休日 月曜日(祝日の場合は翌日)
※荒天など出水状況により閉鎖
駐車場 500台
住所 栃木県栃木市藤岡町藤岡地先
サイト 渡良瀬遊水地

おさらい

1 Comment

村井 敬

毎日暑いですね。お仕事水分補給して頑張って下さい。この前のも、残念な事故がありましたね。さて、ここの3県の県境の川の所って!プレートが盗まれた所ですかね?ニュースで何回か観ました。

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