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ど迫力の風景!台風後の放流しているダムを見学してみた

季節外れの台風が日本列島を襲った6月初旬。長時間続いた大雨の影響で首都圏近郊の水瓶は水位が上昇し、雨が降った直後から放流を続けていました。
せっかくなので、普段は見ることのできない放流している風景をカメラに収めようと、神奈川県のダムを訪れてみました。

石小屋ダム

石小屋ダムは、一級水系相模川水系中津川に建設された重力式コンクリートダムです。宮ヶ瀬ダムの下流0.8kmのところにあり、正式名称は宮ヶ瀬副ダムですが石小屋ダムと呼ばれることのほうが多いです。

石小屋ダムの役割は主に3つ。1つ目は、愛川第1発電所の逆調整池。発電放流した水を一旦貯めて、中津川への安定した放流をおこなっています。2つ目は、津久井導水のための水位確保。宮ヶ瀬ダムの水を城山ダムに送るため導水のための水位を確保しています。
3つ目は、宮ヶ瀬ダムの水の勢いを弱める減勢池。宮ヶ瀬ダムからの放流水は、膨大な水のエネルギーを発生させるため、石小屋ダムで放流水の減勢を行っています。

石小屋ダムはあいかわ公園内にあり、あいかわ公園の駐車場に駐車して見学できます。

普段の石小屋ダムはとても静かで穏やかです。

放流するとこうなります。

残念ながら、宮ケ瀬ダムも台風襲来直後は放流していたようですが、この日はすでに放流を終えてしまい、見ることができませんでした。

道志ダム

道志ダムは戦後の都市の人口増加と産業の振興による水道用水、発電用水やかんがい用水を確保することを目的に、昭和30年(1955年)に完成しました。
相模ダム、宮ヶ瀬ダムと道志導水路により結ばれて、相模・城山・宮ヶ瀬の3ダムが連携して運用されています。

道志の山奥にひっそりと建っており、観光地化されていないためわざわざダム目的で訪れる人はほぼいません。
ダムの上は県道76号山北藤野線が通っており、駐車場すらないので通行のじゃまにならないよう隅っこにカブを停めて見学しました。停められる場所がまったくないので、車や大型バイクで訪れるのはやめておいたほうが無難です。

年季を感じさせる風貌です。

普段は澄んだ道志川の水が濁っています。

相模湖と相模ダム

相模湖は相模川を相模ダムによってせき止めて作られた人造湖です。横浜市・川崎市・相模原市などへの上水道、京浜工業地帯への工業用水、及び水力発電、洪水調節、灌漑用水に利用されています。
昭和39年の東京オリンピックでカヌー競技の会場になりました。現在は、神奈川県立相模湖漕艇場が設置されていて、関東におけるボート競技の一拠点になっています。

ボート乗り場の建物はどこかレトロです。建物内にはレトロなゲーム機などもあって昭和を感じます。

湖面は大雨で流されてきたゴミや流木が集まり、淀んでいました。

相模ダムは、日本で最初の多目的ダムとして誕生した重力式コンクリートダムです。
相模湖のすぐ近くにありますが、国道412号線から少し奥まったところにひっそりと建っています。すぐ近くに10台くらい停められる駐車場があるので、ゆっくりダム見学できます。

相模湖の水を放流しています。

津久井湖と城山ダム

最後は津久井湖と城山ダムです。津久井湖の奥には城山湖と本沢ダムがあり、名前が紛らわしいです。たまに津久井湖を城山湖と間違えそうになります。

津久井湖は昭和40(1965)年に建設された、城山ダムの人造湖です。津久井湖の湖畔には城山公園花の苑地と水の苑地があり、桜の名所としても有名です。
公園内は芝生の広場や水辺もあってゆっくり過ごすことができます。

城山ダムは高さ75メートルの重力式コンクリートダムです。水道用水や発電用水の確保、洪水調節のために建設され、昭和40年(1965年)に完成しました。
夜間に津久井湖(城山ダム)から城山湖(本沢ダム)から水を揚水し、昼間に水を落下させて揚水発電が行われています。

ダム天端は国道413号が通過していて、歩行者用通路もあるので歩くこともできますが、交通量が多いので要注意です。
水の苑地駐車場から歩くこともできますが、城山大橋のたもとに駐車場があるのでそちらに停めたほうが近いです。

津久井湖は水がにごり、流木などのゴミが浮かんでいます。

ダムの放流ゲート側は道路を渡ったところに展望台があるので、じっくり観察できます。

放流中。城山ダムは国道412号線であっという間に通過してしまうので、こうやって展望台からじっくり見るのは初めてです。

丹沢湖と三保ダム

すでに放流は終わっていたのですが、一応訪れてみました。

三保ダムは、水道用水や発電用水の確保、洪水調節のために建設され昭和54年(1979年)に完成したロックフィル式ダムです。
計画当初は酒匂ダムという名称になる予定でしたが、湖底に沈む三保村の村民から村名を残してほしいという依頼があり、三保ダムという名称に変更されました。

天端は車が侵入できないようになっていて、ゆっくり散策できます。

ダムの洪水吐からの放流は終わっていましたが、発電用か農業用水なのか不明ですが、非常に激しい勢いで放流されていました。

丹沢湖は、三保ダムの建設により丹沢の酒匂水系の水をせき止めて作られた人造湖です。湖畔からは桜や紅葉など四季折々の自然が楽しめます。

普段は美しい丹沢湖も、水が濁っていて流木などのゴミが溜まっていました。

締めくくり

普段はなかなか見ることのできない、放流中の光景。ダムの役割を垣間見ることができました。
また秋の台風時に訪れてみようと思います。