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日本三奇矯の一つ、山梨の猿橋を訪れてみた

国道20号線甲州街道には歴史を感じる史跡がそこかしこに残っています。

今回は、甲州街道に残る史跡の一つ、山梨県大月市の猿橋を訪れてみました。

猿橋ってどんなところ?

猿橋は、桂川に架かる長さは約30m、幅3.3mの橋で、山口県岩国市の「錦帯橋(きんたいきょう)」、富山県黒部市の「愛本橋(あいもとばし)」と並んで「日本三奇橋(にほんさんききょう)」の一つとして知られています。
奇矯というのは、珍しい構造で造形的にも美しい橋のことをいいます。

猿橋は川が深い谷間のため橋脚が建てられないため、橋脚が一本もない特殊な構造をしている刎橋(はねばし)です。そびえたつ両岸から四層に重ねられた「刎木(はねぎ)」とよばれる支え木をせり出し、橋を支えています。

西暦600年頃、深い渓谷のために難航していた橋の建設の最中、沢山の猿が弓のように連なって対岸へと渡っていく姿からヒントを得て、橋を架けるのに成功したといわれています。

猿橋のもつ特殊な構造美と周囲の景色が美しいことから、江戸時代の浮世絵師 歌川広重の晩年の作品「六十余州名所図会(ろくじゅうよしゅうめいしょずえ)」にも描かれ、昭和7年には国の名勝に指定されました。

駐車場

甲州街道から入ってすぐのところに猿橋入り口があります。

駐車場は車が3台くらい停められる程の広さです。

バイク置き場はありませんが、隅っこに停められるスペースがあります。

駐車場の横には三猿塔が建っています。どこかで見たことのあるポーズをしているサルたち。奥の建物はトイレです。

猿橋を下から見るよ

山王宮で参拝し、猿橋に向かいます。

猿橋の手前には行灯や顔出しパネルがあります。

こちらが猿橋。一見、普通の木の橋に見えます。

ですがすごいのは橋の下です。下に降りられる階段があります。

こちらが刎木です。これだけで橋を支えているのだからすごい。

反対側には新猿橋が掛かっています。

ここは遊歩道になっていて、桂川渓谷を眺められる展望台にも行けます。

ただし、すごい急な階段です。

こちらが展望台。

展望台からの眺め。正直なところ、いまいちでした。

猿橋を渡るよ

猿橋から下流を見るとこんな感じ。レンガ造りの橋は、水力発電用の水路です。赤いのは、新猿橋。新猿橋は国道と県道の2本あります。

渡りきったところには、松尾芭蕉の句碑が建っています。

県道の新猿橋の柵には、猿橋建設のヒントになった猿の絵があります。

新猿橋から見た猿橋。

もう一つの史跡

猿橋から見える水力発電用の水路は、「八ツ沢発電所施設 第一号水路橋」といい、駐車場から見ることができます。

八ツ沢発電所は、相模川水系の桂川の水を利用した、日本で初めての大規模な調整池式発電所として、明治45年に営業運転を始めました。第一号水路橋は大支間を実現した初期鉄筋コンクリート造橋梁で、八ツ沢発電所とともに土木技術史上、高い価値があるとして国の重要文化財に指定されています。

締めくくり

猿橋は、国道20号線甲州街道からすぐのところにあるので、ツーリングやドライブの際に気軽に立ち寄ることができます。

橋と水路、どちらも歴史を感じることのできる史跡なので、ぜひ一度訪れてみてください。