舞台技術・芸術関連の記事は移動しました→xSTAGE

日本のカッパドキアと呼ばれる埼玉の遺跡、吉見百穴を見学

埼玉県の中部に位置する吉見町には、古代遺跡があります。

山の斜面に無数に穴が開いている異様な風景に興味を持ったので、訪れてみることにしました。

吉見百穴ってなに?

吉見百穴は、古墳時代にあたる6世紀から7世紀後半に造られた横穴墓群です。

明治20年(1887年)に6か月間の発掘全面調査が行われ、237基の横穴が発見されました。 発見後は学会でコロボックル人が住んでいたとする「コロボックル居住説」として発表されますが、大正時代に入り考古学の発達によって全国で横穴の発掘調査が行われた結果、この横穴は古墳時代に後期に死者を埋葬するための墓穴として造られたものであることが判明しました。

太平洋戦争末期の1944年、中島飛行機武蔵製作所が空襲を受けたことにより、疎開先の地下工場として十数基の横穴墓を壊して地下軍需工場がつくられました。

3,000~3,500人の朝鮮人労働者で昼夜を通した突貫工事でしたが、工事は難航。ようやく機械が導入されましたが、本格的な生産活動に移る前に終戦となりました。

地下軍需工場ができたことで、現在確認できる横穴墓の数は当初確認された237基から219基になりました。

バイクを停めるところ

道路を挟んだところに、めっちゃくちゃ広い無料駐車場が完備されています。二輪車の駐車スペースは設置されていませんが、広いのでどこに停めても支障はなさそうです。

見学するよ

入り口でチケットを買って入場します。

入ってすぐのところに、2軒の売店があります。お土産には、埼玉三大銘菓の一つ、五家宝が販売されています。

こちらが百穴。

軍需工場は、以前まで見学できたのですが、現在は崩落の危険があるため閉鎖されています。

訪れた日は、非常に蒸し暑い日だったのですが、中からひんやりとした涼しい風が吹いてきます。

格子から覗いてみました。思ったより広いです。

百穴の斜面を登るよ

百穴の岩山は階段があって、急斜面を登りながら横穴を見学できます。

入れそうですが、虫が出そうなのでやめておきました。

頂上まで登ってみました。

頂上には謎の店がありました。あとで調べてみたら、どうやら野菜の直売所のようです。

頂上はそれほど涼しくなくて、蚊や顔の周りをぶんぶん飛び回る鬱陶しい虫がいたので、さっさと降りてきました。頂上の端には、比較的傾斜が緩やかな階段もあります。急な階段を降りるのは怖いので、下山はこちらのルートをおすすめします。

百穴にはヒカリゴケ群生地もあります。ヒカリゴケは国の天然記念物に指定されている苔植物で、外から入ってくるわずかな光をよく反射するため金緑色(エメラルド色)に光るように見えます。
写真は撮り忘れたのでありません。

吉見町埋蔵文化センターを見学するよ

最後に、吉見町埋蔵文化センターで歴史のお勉強。町内で発掘された縄文時代の出土品が展示されています。当時の生活なども伺い知れて楽しかったです。

また、勾玉づくりなどの体験教室も開催されています。勾玉つくりは1人350円。時間は1時間から1時間半程度。予約制で、1日3回行われます。
興味あったので参加してみたかったのですが、くらげが訪れたときはちょうどいい時間帯に当たらなかったので、体験キットを購入しました。糸の色、石の色味が選べます。

キットを購入しても350円です。アマゾンで勾玉づくりセットを買っても800円くらいするので、かなりお得です。

キットは3種類の紙やすりと作り方の紙、紐とビーズが入っています。石に勾玉の形が書いてありますが、意外と自分の好みの形にするのが難しくて、荒い紙やすりで形を整えながら削るだけでけっこう時間かかりました。所要時間は2時間半。

こちらが完成品。紐の結び方も書いてあって、短くキーホルダーにできますが、くらげはネックレスにしました。

締めくくり

ふだん遺跡にはあまり興味がないのですが、ここはとてもおもしろい場所でした。
岩山の斜面に横穴が並ぶ光景は、写真で見るより圧巻でした。できれば、横穴にも入ってみることをおすすめします。

お土産に五家宝もお忘れなく。