埼玉県入間郡毛呂山町に、「新しき村」という村があります。
「新しき村」は作家の武者小路実篤らにより、1939年に創設された村落共同体で、実篤の思想に共感した人達が集まって、農業を中心とした自給自足に近い暮らしを行っています。
最盛期には村民が60名近くになったこともあったそうですが、今では高齢化や村民の減少が続いていて、存続の危機に危ぶまれています。
そんな令和の時代の「新しき村」の現状を見に行ってみることにしました。
村の地図。

村のあちこちに実篤の言葉が書かれた石碑があります。

かつては養鶏事業で村民の生活を支えていましたが、今は見る影もありません。



壊れたまま放置されている鶏舎もあります。

村内を歩いていると、隔世感と時間がここだけ止まってしまっているような錯覚に陥ります。




その一方で、写真にはありませんが村のあちこちに立ち並ぶ太陽光発電パネルが、現実に引き戻してくれます。
村では鶏卵事業に変わり2010年に太陽光発電を始めましたが、国が始めた固定価格買い取り制度が終了したことで売電価格が下がり、窮状に陥ったのだとか。
経年劣化が著しい村の施設の中で、異様に目立つピカピカの太陽光発電パネルを眺めながら、実篤だったらそんな簡単に太陽光発電事業に手を出さなかったのではないか。
そんなことを感じながら、村をあとにしました。
締めくくり
今回この村の存在を知り、訪れたのは同じカブライダーに連れてきてもらったからです。
村落共同体というとどうしても宗教じみたものを想像してしまいますが、全くそういった雰囲気は感じませんでした。
今、シェアリングエコノミーという言葉が注目されていますが、「新しき村」はみんなでシェアしようという、時代の先端を取り入れた村だったのかもしれません。


