リトルカブがつないでくれた、小さな奇跡

2020年9月。くらげは、初めて乗ったカブを手放しました。

そのカブは、スーパーカブ誕生50周年記念モデルのリトルカブです。初代スーパーカブC100のカラーリングを基調に、車体は鮮やかなパールコーラルリーフブルー。シートにはリードレッドが使われ、サイドカバーには「50th ANNIVERSARY」のエンブレム、メーター内にも同じロゴが入っています。

それまでのスーパーカブやリトルカブのラインナップと比べても、かなり鮮やかな配色で、よく「かわいいですね」と声をかけられました。

リトルカブを探していたときにこの車体を見つけ、一目惚れでした。3速キック式という点に少し迷いはありましたが、実車を見たその場で購入を決めました。

手放す決断

それから2年半ほど、リトルカブと一緒に走りました。ただ、50cc特有の交通ルールに次第にストレスを感じるようになり、小型二輪免許を取得。リトルカブを手放し、スーパーカブC125へ乗り換えることにしました。

リトルカブはC125購入時の下取りに出しましたが、傷が多かったせいか、査定額は1万円。正直、胸が少し痛みました。

思いがけないコメント

それから半年ほど経った、2月下旬のことです。このブログに掲載していたリトルカブのツーリング記事に、ひとつのコメントが届きました。

なんとそれは、手放したリトルカブの、次のオーナーさんのご家族からでした。

コメントを書いてくださったのは、バイク歴40年の大ベテランの方。バイク歴0年の娘さんのためにバイクを探しにバイク屋を訪れた際、倉庫に眠っていたリトルカブを見つけ、親子そろって一目惚れし、購入されたそうです。

その後、50周年記念モデルについて調べる中でくらげのブログに辿り着き、写真をよく見ると、傷の位置やステッカーに見覚えがあり、「もしかして」と思ってコメントをくださった、ということでした。

カブちゃんは、宝物に

コメントの中に、こんな一文がありました。

「カブちゃんは、納車前にグリップ、シート、レッグシールド、前後タイヤなどを新品に交換して、バイク歴40年の私と、バイク歴0年の娘の宝物になっています」

この言葉を読んだとき、思わず涙が出そうになりました。ブログを書いていて、これほど嬉しかったことはありません。

もしブログを書いていなければ、こんな形でリトルカブのその後を知ることもなかったはずです。

それぞれの場所で

正直に言えば、手放したことを少し後悔していた時期もありました。「ボアアップして、乗り続ければよかったかな」と思ったこともあります。

でも、くらげが愛したカブちゃんは、たくさんの傷も含めて大切にしてくれる人のもとで、今もどこかを元気に走っている。

それなら、それでいい。どうかこれからも、長く、安全に走り続けてくれますように。