カブの中で上位機種に位置するスーパーカブC125。キャストホイールやスマートキーの採用など、他のカブとは一線を画しています。
スーパーカブ別のカブに乗っていた方やC125に興味あるけど実際どうなの?という方に向けてユーザー目線で取扱説明書を書いてみました。
これからC125に乗ってみようとしている方に向けて、わかりやすく説明をします。
非力な50ccに乗っていたときと比べての体感なので、中型や大型車に乗っている人にとっては違和感感じるところがあるかもしれません。ご了承ください。
スーパーカブC125ってどんなカブ?
スーパーカブ生誕60周年にあたる2018年に発売された、ハイエンドモデルのカブです。
初代スーパーカブ「C100」をモチーフとしながらも、現代の技術と上質感を取り入れています。ベースはスーパーカブ110ですが、外装パーツの多くが専用デザインとなっていて、サイドから見るとボディ上端が「S字ライン」を描いています。
足元は切削加工を施した専用キャストホイール。パンクにも安心なチューブレスタイヤを履き、フロントには油圧式ディスクブレーキを装備しています。キーはスポケットなどからキーを取り出さなくても操作できる、Honda SMART Keyシステムが採用されています。
2021年9月にはモデルチェンジを受け、三世代目のグロム(JC92)と同系のロングストローク型の新エンジンに切り替わりました。
スーパーカブC125の主要装備
ハンドル周り
左側は「ヘッドライト上下切換スイッチ」、「ウィンカースイッチ」、「ホーンスイッチ」。
右側は「スタータースイッチ」と「前輪ブレーキレバー」です。
ヘッドライト
こちらがヘッドライト。LEDを採用していて、街灯のない山道でも安心して走ることのできる明るさです。
上向きと下向きで切り変えてみるとこんな感じ。
左サイド
スタンドはサイドスタンドとセンタースタンドの2つ。ほとんどセンタースタンドしか使っていません。センタースタンドはメンテナンスや洗車のときだけ使います。
ドライブチェーンは黒丸のところから確認できます。
右サイド
メインスイッチ。ここを回してハンドルロックの施錠と解除、電気回路のON/OFF操作をします。
サイドカバーは書類入れとして使用できます。簡単な工具を入れておくのもおすすめ。
オイルフィラーキャップ。ここからオイルを注入できます。
後輪ブレーキペダル。
操作方法
エンジンを掛ける
1.メインスイッチを右に回してハンドルロックを解除。
2.メインスイッチを押す。スマートキーが認証されるとブザーが2回鳴ります。メーターの表示にスマートキー警告灯が表示され、メインスイッチが青く点灯します。
3.メインスイッチをさらに右に回して、Onにする。
メインスイッチを押してから20秒以内にOnにしないと、ブザーが1回鳴って施錠されます。施錠されたら再度押してOnにしてください。
4.スタータースイッチを押してエンジンを始動する。サイドスタンドを出した状態でギアが入っているとエンジンは掛かりません。
ウィンカースイッチ
ウィンカースイッチはプッシュキャンセル式です。ウィンカーを出したあと、押し込むと消灯します。
メーターにあるウィンカーの表示灯は一つのみ。左右どちらが点灯しているかはわかりません。
また、バイクのウィンカーは車のようにハンドルを切ったら自動的に消灯するわけではないので、曲がったあとの切り忘れにご注意ください。
シフトの操作
カブのシフトパターンは、走行時はリターン式で停車時のみロータリー式になります。
【走行中のシフトパターン】
前ペダル:N→1→2→3→4
後ペダル:4→3→2→1→N
【停車時のシフトパターン】
前ペダル:N→1→2→3→4→N→繰り返し
後ペダル:N→4→3→2→1→N→繰り返し
シフトアップは前ペダルをつま先で踏んでいきます。走行中はトップギアの4速までシフトアップすると、安全上の理由からいくら踏んでもニュートラルに入らない仕組みになっています。
シフトダウンは、逆に後ろペダルを踏んでいきます。かかとでも踏めますが、よほど足の大きな人じゃない限りはつま先で踏んだほうが踏みやすいです。
そして停止時のみ、4速からさらに前ペダルを踏み込むとニュートラルに戻り、ニュートラルから後ろペダルを踏み込むと4速に入ります。
シフトアップするときの速度の目安はこんな感じ。125ccだと他のカブに比べてパワフルなので、割と慌てずにシフトチェンジできます。
1速 | 0~35km/h |
---|---|
2速 | 15〜60km/h |
3速 | 20〜85km/h |
4速 | 25km/h以上 |
ガソリンを入れる
タンクと給油口はシートの下にあります。シートを開けるには、左側の後ろあたりにあるボタンを押します。このボタンはキーを持っていないと操作できません。
給油口キャップは左にひねれば開きます。
入れる量は、横棒の上辺りまでです。タンクが小さいので、こまめに様子を見ながら入れましょう。
ヘルメットホルダーの使い方
C125のヘルメットホルダーは、シート下の左右に付いています。
ただ、フックが小さすぎてぜんぜん使えないので、一工夫が必要です。
くらげの場合は、ワイヤーロックをヘルメットのリングに通してヘルメットホルダーに取り付けています。
ワイヤーロックはスマートキーやエネキーなどと一緒にカラビナに付けています。
ヘルメットは決してミラーに引っ掛けてはいけません。確実に内装が傷つくので、安全性に支障をきたすおそれがあります。また、万が一落下させる危険性もあります。
C125のここがいい!
125ccなのでパワフル
カブはギアチェンジしながら発進するので、加速時にもたつくんですよね。C125はパワフルなので、3速までシフトアップすれば40km/h出せちゃいます。
流れの早い幹線道路だって問題なく車に付いていくことができるし、追い越す際や車線変更の際の加速だって余裕です。
鍵がないからラクラク
鍵を取り出して、鍵を挿してエンジンをスタートしたり、鍵を挿して燃料タンクの蓋を開けたりするのってけっこう面倒ですよね。えーとカブの鍵はどれだっけ?って探したり。
C125はそんなことしなくてもスムーズに乗れるし、スムーズに給油ができちゃいます。
シフトポジションがメーターに表示される
今何速に入っているのか、不安になることけっこうあるんですよね。やっぱりシフトポジションが表示されるというのは安心です。
新型カブシリーズにはすべてシフトポジション表示が搭載されているので格差はなくなってしまいましたが、C125はメーターの真ん中に大きく表示されるので、走行中も見やすいです。
ディスクブレーキの安定感
C125は前輪にディスクブレーキが搭載されています。70km/hくらい速度で掛けても安定しているし、ABSも装備されているので急制動を掛けたときにも安心です。
あと、何より見た目がかっこいい。C125の上質でモダンなデザインの一部になっている感じがします。
なお、新型カブシリーズにはすべてディスクブレーキが搭載されています。
やっぱりこのデザイン
初代スーパーカブC100をモチーフにしていながらも、上質感あふれるデザイン。機能性は格差がなくなってきている部分もありますが、このデザインはやっぱり他のカブシリーズにはない魅力です。
よく話しかけられる
カブなのにカブっぽくない見た目なので、バイクに乗っている方や昔カブに乗っていた方によく話しかけられるんです。
やっぱり愛車のこと聞かれるのうれしいですよね。ただし、年配の男性がほとんどです。
C125のここが気になる!
3年も乗っていると、やっぱり気になる点は見えてきます。気になるところについても包み隠さず正直にお伝えします。
3速から2速へのシフトが入りにくい
納車時から気になっていたのが、3速から2速に入りにくい時があることです。2速にダウンしても、しばらくシフトポジション表示が[-]表示で点滅してから2速に入ります。停車時は軽くアクセルをひねると入ります。
点検時にいつも伝え忘れるので、個体差かどうかはわかりません。
10km/hくらいまでは不安定でふらつく
重心が高いのか、走り出して10km/hまではフラフラしてしまいます。
一番困るのがノロノロの渋滞時。なるべく前の車両が走り出して距離を離してから少し速度を上げて進むようにしています。
キックスターターがない
他のカブシリーズの中で唯一キックスターターがないC125。乗らない期間が長かったり、メインスイッチをONにしたまま放置しておくと、エンジンがかかりにくくなります。
エンジンがかかりにくい時は、少しアクセルを開けながら掛けると掛かります。それでもダメなら、ジャンプスターターの出番です。
燃料タンクが少ない
C125の燃料タンク容量は3.7リットルと小ぶりです。いくら燃費がいいとはいえ、さすがにガソリンスタンドのほとんどない山道を走るときは満タンにしていても不安がつきまとう少なさです。
山間部やガソリンスタンドのなさそうな地域を走るときは、ガソリン携行缶を持っていきます。
ちなみにガソリン携行缶への給油は、スタンドの店員による給油が法律によって義務付けられています。
ホーンとウィンカーの位置とサイズ
ホーンのほうが上で押しやすい位置にあるので、最初のうちは曲がるときに何度かホーンを鳴らしていました。サイズ感もホーンのほうが大きいです。
ホーンを小さくしてウィンカーを上にしてくれたらよかったのに。
背の小さい人には不安な足付き
C125のシート高は780mmで、カブシリーズの中でもCT125に続くシート高の高さ。身長150センチのくらげは、4センチ高の厚底ブーツを履かないと届きません。
車体を倒すと片足でべったり付きますが、両足だとつま先でツンツンです。一番きついのが、ダラダラと走ったり停まったりする断続渋滞。シートの前の方にお尻をずらして、つま先でたった状態でストップ・アンド・ゴーを繰り返すと、股関節が痛くなってきます。
リアキャリアが小さい
抜群の積載量を誇るスーパーカブですが、C125のリアキャリアはとても小さいので積載量は少なめ。荷物を積みたいならリアキャリアは交換することをおすすめします。
くらげはリアボックスを取り付けたくて、リアキャリアをサードパーティ製のものに交換しました。
外装パーツが簡単に外せない
C125の外装パーツはほとんど爪で固定されています。慎重に取り外さないと折れてしまうので、分解用のヘラを使うことをおすすめします。
バッテリーが収納されている部分も爪なのは、もうちょっと考えてほしかった。
C125でも煽られる
かなり速度を出していても、見た目がカブなので煽られます。カブの宿命として潔く諦めて、道を譲ったほうが無難です。
スーパーカブC125の小ワザ・カスタマイズ
うるさいブザー音を消す
C125はスマートキーなのでブザー音が鳴ります。これがけっこう音量が大きくて深夜早朝に乗るときなど近所迷惑にならないか心配になるので、切ることにしました。
- スマートキーの一番下のスイッチを長押し
- 赤いLEDが点灯して作動停止状態になる
- 片方の手で一番下のスイッチを押しながらもう片方の手で一番上のスイッチを押す
- 赤い色のLEDが点灯してブザーがオフになる
ミラーを見やすくする
オフセットホルダーを装着すると後方が見やすくなります。
詳しくは下記の記事を参照してください。
小さな部品を付けるだけ!カブのミラーが見やすくなる方法
リアキャリアを交換してボックスを取り付ける
純正キャリアは小さすぎて荷物の積載ができないのが難点。そこで、リアキャリアを大きいキャリアに交換してボックスを取り付けてみました。
リアボックスは、カブユーザーにはおなじみのJMSラゲージボックス。強化プラスチック製で薄くて軽いのに頑丈です。
これまで何度かカブを倒して衝撃を与えているのに全然壊れないので、信頼できます。
詳しくはこちらの記事を参照してください。
スーパーカブC125の積載量アップとあおり防止対策でリアボックスとダミーリアカメラをつけてみた
寒さ対策としてウインドスクリーンを付ける
いくらカブでも風を切っていると寒いし、体力を消耗してきます。そこで、ウィンドスクリーンを装着してみたところ寒さと体力の消耗がだいぶ減りました。
続いて、ミディアムタイプ。一般的にウィンドスクリーンと呼ばれているのはこのタイプ。純正ロングスクリーンと違って形がスタイリッシュなので、さほど主張は激しくありません。
今回、くらげは旭風防のこのタイプを購入しました。
詳細は下記の記事を参照してください。朝日風防以外のウィンドスクリーンも紹介しています。
スーパーカブC125にウィンドスクリーンを付けてみた【防寒対策】
マフラーなど大きなところはいじりませんが、今後もちまちまと小さいところでカスタマイズしていく予定です。
締めくくり
C125ユーザーによる取扱説明書に乗っていない取扱説明書を書いてみました。
これからC125を検討している方、購入したばかりの方の参考にしてもらえればうれしいです。
こんにちは、やはり、カブうらやましいです。メイト80、2サイクルですけど、加速!OILがなかなか減らないのは、良い所ですが、燃費が余り良くないのが、残念です。