今ある現実から逃れたくて、金沢まで行ってきました。
此処ではない何処かへ行けるなら何処でもいいと思い、高速バスを調べました。そして、新宿発でかろうじて空席があったのが、金沢行きでした。
夜行バスで金沢へ
午後11時50分。
定刻どおり、バスは新宿西口工学院大学前を出発しました。窓にはカーテンがかかっていて、通路側の席で外は見えません。一般道をしばらく走ったあと、高速に入って消灯となりました。
午前1時。高坂SAで、一回目の休憩です。10分休憩のあと、またバスは走り出します。
午前3時。月夜野を過ぎたあたりの小さなPAで、二回目の休憩です。外は雪が積もっています。
しばらく、寝たり起きたりを繰り返すうちに、バスはいつの間にか関越道から北陸道に入っていました。
午前5時。有磯海SAで、最後の休憩です。乗客のほとんどが寝ていて、くらげを含めて4人くらいしか降りません。
午前8時。富山、高岡を経て、予定より少し早く、金沢駅に到着しました。
劇団時代に訪れた内灘町を目指す
そのまま、駅構内に入り、帰りの切符を購入。それからすぐに、北陸線に乗り込んで内灘町を目指しました。切符は裏が白くて、改札では駅員が鋏を入れます。短い4両ほどのローカル線で揺られて、終点の内灘に到着しました。
内灘町は、以前学校公演の仕事をしていた頃に訪れたことがあります。公演場所として覚えていたのは、松並木と広い駐車場だけで名前も場所も覚えていないので、海を目指しながらそれらしき建物を探すことにしました。
手当たりしだい歩いて、結局あのホールは見つからないまま海に辿り着きました。
浜辺を歩くと砂嵐が舞っていて、冷たい風が吹いています。しばらく海沿いを歩いて、遠回りして駅に戻りました。
漁港でお昼ごはん
金沢駅へ戻ると、時間はまだ12時前です。少し離れた港にご飯を食べに行くことにしました。港周辺はバスが通っていないので、タクシーで向かいます。どんどん上がっていくメーターに冷や冷やしながら、5キロくらい走って到着です。
金沢港に着くと、厚生食堂という昔は船員用だった食堂に入りました。海鮮丼を食べ、近くの市場に寄りました。ここは、いろんな魚が安く売っています。買って帰りたいけどさすがに無理なので、しばらく市場内を散策して市場をあとにしました。
金沢駅まで戻るため、タクシーの捕まる大きな道路まで歩きます。しばらく歩いて大きな道路に出たものの、タクシーは一向に通りません。半分近く歩いてようやくバス停を発見しましたが、バスが時間に来ないので、諦めてまた歩き始めました。そして、ようやく走ってくるタクシーを発見。無事、金沢駅に着きました。
現在2時。まだまだ時間はあるので、今度はバスで兼六園に向かいます。兼六園は、大勢の観光客で賑わう庭園を散策し、休む間もなく今度は、隣接する金沢城に向かいます。
金沢城から近江市場へ
金沢城で復元された櫓と長屋を見学し、バス停まで戻りました。バスで駅に戻る途中、市場を発見。さっそくバスを降りて、近江町市場に向かいます。
市場は、仲見世のように細長い路地に、びっしりと店がひしめき合っています。そこで、お土産にお酒と干物を買いました。そろそろ帰路に着くため、夕飯を食べることにしました。
時間は、まだ午後4時半です。まだ店はどこも準備中の札が掛かっています。しばらく他のところで時間を潰し、ようやく時計は午後5時を回りました。
気になったお店に入ると、店内には演歌が掛かっています。あぁ、ここは日本海だった。ビールを飲み、板さんおまかせ丼を食べて外に出ると、外はすっかり冷え込んでいました。
帰りは特急に乗って東京まで戻ります。金沢駅に戻ってお土産を買う頃には、もう終電の時間です。急いで切符を購入し、改札を抜けて特急ホームに向かいました。
ホームには、もう特急が停まっています。自由席は結構埋まっていましたが、運良く海側で窓側の席に座ることができました。
金沢から東京へ
午後6時23分。はくたか23号越後湯沢行き、出発です。
ipodで音楽を聴きながら外の景色を眺めます。流れる景色とともに、いろんな思いも流れていきます。富山、糸魚川、上越を抜け、線路は大きくカーブを右に描いて、上越線に入ります。外の景色は、ほとんどトンネルになりました。
午後7時。列車は越後湯沢駅に到着しました。
降りる乗客のほとんどは、新幹線ホームに向かっています。新幹線ホームでは、すでに長蛇の列が出来ています。来た列車は、ほぼ満席です。結局座ることができず、デッキに立つことにしました。
午後7時11分。超満員の上越新幹線とき350号東京行きは、東京に向けて出発しました。
午後8時過ぎ、大宮へ到着。大勢の乗客が降りていき、ようやく座ることができました。
午後10時28分。東京駅に到着。此処へ戻ってきました。
そして現実へ戻る
どんなに逃げようがもがこうが、現実は此処にあります。それでも手を差し伸べてくれる人たちがいて、ツケは生きている限り返せるんだから、あとは這い上がるしかないくらいもがいてもいいかなと思った逃避行でした。
ただいま。
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>☆たー☆さん
ぜひ、飲みましょう。今度杜の都に遊びに行きます。
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俺も去年の夏にあてのない無計画な現実逃避をしました。
理由はくらげちゃんとは全然違うけどね。
雨の中でも、雪の中でも、晴れていても空は同じように広くて、自分がちっぽけで、、、帰ってきても現実は現実で何も変わらないんだけどさ、自分の中で何か変化するものがあればいいのかな?って・・・それが小さな事でもいいんだと思うよ。
今度、一緒に飲も。
おかえりなさい。